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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (427ページ)
感想・レビュー・書評
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大日本帝国海軍の軍艦・長門の建造から消滅までを描く。世界最大級の戦艦であるが、動力源の石油を米国に依存し、大艦巨砲主義の時代が終わりに近づいているという矛盾を抱えた存在であった。
本書は客船の建造経験のある造船所で造った軍艦は居住性が高いと指摘する。「客船の建造に経験の深い造船所でつくったフネの方が、どうしても住み心地がいい」「本艦は長崎で出来ただけあって、士官室のソファの具合からしてちがう」(92頁)。
コスト度外視で開発した軍事技術が後に民間に転用されて技術水準の押し上げになるという話は喧伝される。そこにはコスト度外視の無駄遣い批判への反論という政治的思惑があるだろう。その逆に民間の経験が兵器生産でも有効という指摘は新鮮である。民間感覚は大切である。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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