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- / ISBN・EAN: 4589921403276
感想・レビュー・書評
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穏やかなスイスの高級ホテルでを舞台にして1人の音楽家が自らの老いを見つめる。
全体的にとことん上品で静か。だから眠くなりそうなのになぜか目が離せなくなるのは、映画監督、俳優など、個性的な面々の何気ない会話がとても魅力的で時々とても重く響いて引き込まれるから。
成功しているはずなのに、いやしているからなのか、過去、現在、未来で繋がった糸を解けずに、混沌としてもがく姿が印象的に心にジワリと響く。
そして目が離せなくなるもう1つはとにかく映像が目を見張るほど美しいから。
陰影のある夜の庭園の風景も、アルプスの山々の映る昼間の草原の風景も、人物の配置にはどのシーンにも抜けがないと言い切れるほど独特で芸術的。悔しいほどにセンスがあるのだ。
登場人物の感情の吐露が少なく、後半につれてだんだんと読み取れる部分とやはり最後まではっきりと分からない部分とがあるけれど、まるで映画を見ながらにして哲学的な小説や詩を読んでいるような気分にさせられてしまう。
彼らの会話やシーンに挿入される音楽がなんとも心地いいこと。最後のシンプルソングがじんわりと響いてきます。
何年も構築した人間関係でさえも、なかなか真実にたどり着けず、傷つけたり傷つけられたりする姿を見てなんだかある意味では安心した。
過去、現在、未来。絡まった糸を自分の力でほどききったらまた幾つだって次の一歩を進められるのだ。
だって「yourth」は若者たちだけの言葉ではないのかもしれない。
もう少しこの作品温めて、もう少し歳とった時に観たらまた今とは違う想いが私の元に訪れてきそうなそんな何度でも味わえそうな作品です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
No.19 / 2o17
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劇場にて。
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よかったです。
愛と友情と生と死と音楽。