ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 1 (ヤングアニマルコミックス) [Kindle]

  • 白泉社
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  • 太平洋戦争末期のペリリュー島、漫画家志望の一等兵田丸を主人公に苦しい日々が描かれる漫画の第1巻です。
    可愛らしいキャラクターがヨチヨチ動いていて今風のほのぼの漫画のようですが、戦闘が始まれば絵のタッチはそのままにリアルな地獄が広がります。
    彼らの話す内容も可愛らしくはなく、まさに戦時中に交わされるそれです。
    漫画家、功績係、兵士、そして…ただ生きたいと願う一人の人間としての田丸、死なないでほしい。
    2巻にも期待します。

  • 全巻読み終わった感想です。
    私の祖父も外国で戦死したと聞いています。だからなのか、様々なことを想像しながら読むことができました。
    日本に残してきた家族、ここでは私の祖母や父親のことですが遠い外国から想い、いつか日本に帰ることを夢見てたのかと思い読んでいました。
    日本を守るため、家族を守るために戦おうとして、夢半ばで力尽きたのかどんな気持ちで戦地に赴いたのかはわかりません。でも、祖父には祖父なりの想いがあって最後を迎えたと思います。その思いは今は想像の域を出ませんが、少しでも気持ちを感じ取れたらと改めて思いました。
    今はもう私の祖母も父親も亡くなり戦争体験を語れる人が減ってきていることは危惧すべきことだと思います。
    ただ、私自身不謹慎な言い方かもしれませんが、もう少し『80年前に本当にあった現実』というものに興味を持つ事が残された私の役目なのかもしれないと感じました。
    この漫画は電子書籍でも読めますが、敢えて紙の本で買いました。それは私の子供たちにもいつか手に取って何かを感じ、伝えれたらと思ったからです。
    可愛らしいキャラクターが主体ですが、内容はしっかりと精査されているように感じたので良作です。
    いつか私も祖父の影を追いかける機会があればと思います。

  • 最終巻まで読み終えた。丹念な取材で悲惨な戦争を伝えるだけでなく、ぐいぐい読ませる「エンタメ力」も兼ね備えている。キャラクターの造形がいいからだろう

  • 東出昌大さんおすすめ

  • この漫画に描かれている戦争が、たった80年前に起きていたことに今更ながらに衝撃を受ける。

    圧倒的な戦力差で、明らかにもう勝てるはずがない戦争なのにそれでも戦闘をやめない、やめられない。早々に負けを認め、ましな条件での講和を目指さなかったのか、それは日本の上層部が大和魂だなんだと大局がみれなかったからではないかと思っていたけれど、いま起こっているウクライナ戦争を見ると戦争にもし負けたらどうなってしまうのか解らない恐ろしさ、明らかに戦勝国の奴隷に成り下がるであろう未来に対する恐ろしさを想像すると、勝てないかもしれないが戦って守るしかないと思ってしまったのかもしれないなぁと。

    日本人が昔どういった思いで戦っていたのかを体験できる作品。

  • 太平洋戦争末期のパラオのペリリュー島で戦った日本陸軍の兵士たちを描いた漫画。一気に7巻まで読んだ。戦場で実際に起きた想像しないような出来事が忠実に描いている。戦争の悲惨さはもとより、人極限状態での心理の揺れ動きなど、踏み込んだ描写になっている。

  • 西島作品に似た技法。戦争のなんたるかをあらためて知らされる作品。

  • 二頭身、三頭身のほんわかしたキャラクターをみると、戦場を舞台にしつつも、のどかなコメディを予想してしまうんだけどさ。冒頭でいきなり親しい友人が頭をぶつけて亡くなる、というエピソードが出てくる。ほんわかした絵柄はそのままに、物語が進むにつれて内容は、どんどんえぐく、やりきれなくなっていく。ほんわかした絵柄は、等身大の自分たちが過酷な戦場に叩き落されるという不条理を感じさせるなぁ。面白いというにははばかられる内容なんだけど、物語が進むにつれて、どんどん目が離せなくなってきた。

  • まず、読むべき。
    マンガだから、表現できることがある。戦争なんて、簡単に描写できることではない。今の世の中、こんなマンガチックな絵だから読める。

    これは日本の歴史。
    かつて、日本は戦争「していた」なんて、過去形を使えるなら幸せな事。

    だから、世界を知るために、読んで欲しい。
    過去だと思うかもしれないが、現在だし、未来かもしれない。

  • 第二次世界大戦中、南洋のペリリュー防衛戦に配置された主人公。史実に取材し、当然ながら厳しい物語がつづく。現在、9巻まで読了。
    悲惨な現実を可愛らしい絵で描いているのがこの漫画の特徴で、主人公田丸、仲良くなった吉敷の性格もあってほのぼの感がある。
    この手法で目を背けたくなる悲惨さを読者は見続けることができるんだなあ……。
    しかし、上手い。この作者はほのぼのタッチだけど画力でリアルに描いている。物語も面白い。取材も本格的。おすすめです。

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