あしたの君へ (文春e-book) [Kindle]

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (173ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 家裁調査官補(=カンポ)望月大地の成長物語であり
    “お仕事小説”。連作短編集。
    「自分はこの仕事に向いていないのではないか」と
    大地が思い悩んだり、
    同期の考え方や言葉に励まされ、
    光明を見出したり……と、青春小説の側面もある。
    なじみのない職業の裏側を描き、
    意外なストーリー展開があり、
    伏線もしっかり回収され、楽しく読めるのだが
    「ちょっとうまくいきすぎかなぁ」という印象。
    現実の(リアルな)家裁調査官の仕事は、
    もっとシビアなのではと感じてしまう。

  • 引き続き柚月裕子作品。
    主人公は家裁調査官補。家庭調査官補とは、裁判所職員
    である家裁調査官の修習中の役職であり、通称「カンポ
    ちゃん」と呼ばれる職業。一般企業で言うところの「本
    採用前研修中」期間を頑張る若者の物語である。

    体裁は5篇から成る連作短編。
    家庭裁判所に持ち込まれる事件は離婚調停などを行う家
    事事件担当と少年犯罪を扱う少年事件担当の2つに大きく
    別れるらしいのだが、本作は最初の2篇が少年事案、真ん
    中1篇で旧友との邂逅を挟み、後ろ2篇が家事事案を扱っ
    たエピソード。事案を終える毎に人間的に成長していく
    主人公が清々しい。

    これまで読んだ柚月裕子作品の中では、いちばん「おと
    なしい」印象。しかし、ジワッとくる文体と、淡々とし
    ながらも綿密な構成はすばらしく、この作家の本を読ん
    で初めてホンワカとした気分になった。こういう作品も
    書けるんだね、この作家。

    今のところ電子書籍で読める柚月裕子作品はこれが最後。
    著作全読破を目指すのであれば、文庫か単行本を当たる
    しか無いのだが、その殆どが宝島から出版された作品。
    東野圭吾作品と宝島社より発売された本の電子書籍化は、
    当分無理なんだろうなぁ、きっと。なんとかなんないの
    かなぁ、コレ(^^;)。

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著者プロフィール

柚月 裕子(ゆづき ゆうこ)
1968年生まれ。岩手県出身、山形県在住の小説家。2008年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい!』大賞を受賞しデビュー。2013年同作で第15回大藪春彦賞、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)、同年『慈雨』で「本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10」第1位をそれぞれ受賞。2017年、『盤上の向日葵』で第7回山田風太郎賞候補、2018年本屋大賞ノミネート。
代表作として、テレビドラマ化された『最後の証人』『検事の本懐』を含む「佐方貞人シリーズ」。また、2018年に映画化される『孤狼の血』。

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