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感想・レビュー・書評
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天皇崩御が予見されてから、その瞬間に至るまでの通信社の活動と、「平成」という元号が決まるまでの謎を追いかけたノンフィクション + フィクション。ノンフィクションと思われる部分は普通に興味深いのだが、フィクション部分(美人女記者との煮え切らないアバンチュールとか、まったく関連性のない韓国パートとか)はくだらなくて全体の面白さを損なっている。なんでわざわざつまらないパートを書き加えて小説にしてしまったのか、謎。
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平成が再来年12月31日に終了し、元日から新しい元号にする方向で調整に入ったとの報道を枕にしつつ読了。
著者の共同通信社時代の経験を下敷きにした、昭和から平成に移行するまでの政治ドキュメント。
昭和天皇崩御のXデイはいつか…。 その報道の最前線に立つ通信社の敏腕記者・楠。取材を通じ関係者から衝撃の一言を聞く。「陛下は吐血。洗面器一杯ぐらい」。以降、官邸・宮内庁・内閣は俄然慌ただしい動きに。
そして、楠はデスクから以下の取材を命じられる。
①陛下の容態を正確に摑み、発表では隠される部分まで把握しておくこと。
②崩御の瞬間を公式発表前にどの社より早く世界に打電すること。
③昭和に代わる元号は何か。発案者は誰かを新元号発表前に抜くこと。
④内閣が用意しつつあるマニュアルを入手すること。
この4つの難解な取材案件を忠実に丹念に執拗に追い求めていく楠。一方、政権中枢では5年の任期が間もなく終わろうとする中曽根の最後の仕事は後継指名。ポスト中曽根を狙う宮沢・竹下・安倍のニューリーダー。後継の条件はXデイ以後の政治の安定したハンドリング。
昭和が去ろうとする、その瞬間の官邸深奥に切り込む蒼き熱血記者 楠=青山繁晴。あまりにもマッチョでカッチョ良すぎで鼻白むも、故 小渕官房長官が掲げた「平成」誕生に至るまで圧倒的なリアリティと臨場感は保証します。