史上最強の哲学入門 [Kindle]

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  • 河出書房新社
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感想・レビュー・書評

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  • 頂上決戦はニーチェの勝利。作者が思い入れがあるから丁寧に書いてあるだけかもしれないが。
    時々寄る辺のない不安を感じ、周りの宗教を信じている友人がうらやましくなる。大事なことは聖書に書いてあり、真実は神様が知っていて、自分は神様を信じる心を強く正しく持っていれば正しい方向に進めるというのは、なんとわかりやすいことか。でもニーチェは言う。自分が自分をよくしたいということはどういうことか、目を背けず、自分のためによく考えて導けと。発狂するぐらいなら神様に頼ってもいいと思うけど、まずは考えてみようかな、と思った。

    そのほか
    サルトル:自由に呪われているからこそ、自分の責任で決断して生きていく。世の中は常に前進する
    レヴィ=ストロース:常に前進するというのは傲慢
    プラグマティズム:効果は何かを考える

  • 「真理」「国家」「神様」「存在」の4つのカテゴリーに分けて31人の哲学者、思想家を紹介する。

    掛け値なしのわかりやすさと読みやすさが最大の特徴。理由としては以下が考えられる。

    ①本当に知識がゼロであることを前提にしている
    ②砕けた文章で書かれている
    ③専門用語が少なく、あっても順に読めば理解できるように工夫している
    ④カテゴリー分けと紹介順によって、他の人物の思想との関連がわかりやすい

    細部や正確さは諦め、何も知らない読者を明確な対象とした割り切りが窺える。
    各人物ごとのページ数は、最少の4ページから最大はマルクスの33ページまで、偏りはある。各カテゴリーの最後に扱われる人物の章はまとめも兼ねてページ数が比較的多い。

    以下はカテゴリーごとに扱われる人物一覧を登場順に列挙。
    ----------
    「真理」
    プロタゴラス、ソクラテス、デカルト、ヒューム、カント、ヘーゲル、キルケゴール、サルトル、レヴィ=ストロース、デューイ、デリダ、レヴィナス
    「国家」
    プラトン、アリストテレス、ホッブズ、ルソー、アダム・スミス、マルクス
    「神様」
    エピクロス、イエス・キリスト、アウグスティヌス、トマス・アクィナス、ニーチェ
    「存在」
    ヘラクレイトス、パルメニデス、デモクリトス、ニュートン、バークリー、フッサール、ハイデガー、ソシュール

  • とてもわかりやすく、自分が好きな漫画家さんがカバーイラストを書いているのでテンションがあがった。
    いままでこんなバトル形式の哲学書はなかったと思う。そしてポイントなのが、時系列ではなく、関連する人たちで話が展開していること。普通、過去の人から一通り紹介していくと思うが、この本はバトル部門ごとになっているのがより話が入りやすかった。

    以下、哲学者ごとに特徴だったフレーズを列挙しておく。

    真理バトル
    プロタゴラス→相対主義、人それぞれ
    ソクラテス→無知の知、わからないから教えてください、みんなで探求していこう
    デカルト→方法的懐疑、疑っている自分は真であるから自分が認識するものも正しい
    ヒューム→懐疑論、認識は思い込み、経験がすべて
    カント→批判哲学、人間にとっての真理しかわかりえない、ヒトとイソギンチャクの世界の違い
    ヘーゲル→弁証法、闘争することで第三の答えが出る
    キルケゴール→実存主義、そのために死ねるような真理を見つけることが人生
    サルトル→アンガージュマン、自由の刑
    レヴィ・ストロース→構造主義、文化に優劣はない
    デューイ→プラグマティズム、実用的な効果だけ考える、道具主義
    デリダ→脱構築、たどりつかない真理を考えてもムダ、各々自分の真理を求めよう
    レヴィナス→他者論

    国家バトル
    プラトン→イデア論、優秀な哲学者が支配者
    アリストテレス→論理学、君主、貴族、民主のメリデメ
    ホッブズ→社会契約説、恐怖を利用した安全保障、国家は人間を守るため契約したもの
    ルソー→人民主権、体たらく、作家ドリーム
    アダム・スミス→見えざる手、お金儲けしよう
    マルクス→共産主義、やる気なくす問題

    神様バトル
    エピクロス→快楽主義、楽しいことをやろう、気楽に過ごそう
    イエス・キリスト→復活、隣人を愛せよ、神の試練で正当化
    アウグスティヌス→懺悔、悔いることで救われる、女好き正直
    トマス・アクィナス→スコラ哲学、哲学と宗教の棲み分け
    ニーチェ→超人思想、神は死んだ、弱者のねたみ

    存在バトル
    ヘラクレイトス→万物流転説、変化する
    パルメニデス→万物不変説、あるものはある。
    デモクリトス→原子論、すべては原子
    ニュートン→ニュートン力学、万有引力で月証明
    バークリー→主観的観念論、存在とは知覚人が知覚してはじめて世界は認識される
    フッサール→現象学的還元、自分の外の世界を考えてもムダ
    ハイデガー→存在論、意味深なことを残して死ぬ
    ソシュール→記号論、大学生が論文編集、差異のシステム、差異に価値があるか

  • 理系の自分にもとてもわかりやすく、興味が持てるように面白くまとめられた哲学入門にぴったりの本だった。

    だいたい哲学を広く紹介する本というのは、年代順に淡々とその時代に活躍した哲学者を紹介するスタイルだと思っていた。けれども、この本は「真理」「国家」「神」「存在」の4つのテーマに大きく分かれていて、そのテーマについての論を進めていく形で哲学者が紹介されていたので、考えの歴史の変遷がわかりやすく、一つ一つ独立した知識ではなくそれぞれの哲学者の考えを関連づけて学ぶことができて、わかりやすく頭に知識が定着しやすい構造になっていた。

    また文章も比較的若者に親しみやすいように書かれていたり、格闘漫画の「グラップラー刃牙」風に哲学者を紹介しているので、全く哲学について知識がない人でも楽しく読み進めれると思う。

    この本を読んで、哲学についてもっと深く知りたくなったし、案外現代の人が今考えていることは紀元前ぐらい昔の時代にも同じように考えられていたんだなとわかって、人間の思考の不変さや同じ過ちを繰り返す愚かさというのを改めて実感した。

    個人的にはカント、ニーチェ、ソシュールについて深掘りしていこうと思う。

  • 表題の通り哲学の入門書である。

    おそらく誰しも経験があると思うが、哲学の書籍を読んでもさっっぱり頭に入ってこない。

    そもそも哲学書のタイトルから例えば「ドイツ観念論哲学」という高尚なタイトルから始まり、本を開いてみると験的統覚?悟性?直観?合理的神学??

    Hegelなんて夜に読んだ日には、熟睡まちがいなしです。

    どうやら哲学者とは、文章を難しく書いた方が評価を得るらしい。

    とはいいつつ、哲学の書籍を読めない理由は
    1)上記のように文章自体が難しい
    2)そもそも問題意識がよくわからないので、(1)も重畳してなおさらわけわかんなくなる
    という二つによるものが大きいと思う。

    たとえば、昔からの論点として哲学・神学論争が終わりなく続いているが、これはThomas Aquinasの「神学大全」によって一応な決着をみたが、これを読んだだけでは??となって、夜の熟睡の道具となってしまう。
    Thomas Aquinasの問題意識は、哲学と神学の統一的解釈であり、キリスト教思想とアリストテレスを中心とした哲学を統合した総合的な体系を構築したことに価値がある。
    したがって、キリスト教を学ぶためには、ローマ史を学ぶ必要があり、さらにはユダヤ教の知識も前提とされる。
    またアリストテレスを学ぶためにはプラトン、ソクラテスのような古代ギリシアの哲学を学ぶ必要がある。

    というように、哲学とは歴史を学ぶことと同じで、前後の歴史や時代背景の理解なしには学びえないのだ。

    本書は、この問題意識のつながりを意識しながら作られている。
    さらに平易な文章で語られているので、わかりやすい。


    いままで読んできた中でも最も良い入門書である。
    もし興味があるなら、さらに中級書なでを読み込めばよいと思う。
    が、原書はおそらく本書を読んだだけではまだ早いと思われる。
    というか、Hegelなんて専門家でも読めない(笑)ので、私のような素人は原書ではなく一般向けの解説書で十分である。

    哲学とは、人生を豊かにするための道具の一つなのだ。
    哲学者の思想によって何が得られるかが重要であり、別に原書でしかそれが得られないというわけではないでしょう。

  • 教養として哲学を学ぶなら一冊目におすすめ。
    代表的な哲学者とその理論が出来るまでの『流れ』が非常にわかりやすい。おそらくかなり平易にされているが、それぞれの哲学に関して興味を持つきっかけとなる。哲学が生きる上で必要か不必要か、そういった問いの答えはこの本を読んでから考えると良い。

  • オーディブルにて。哲学の入門書としてこの上なかった。刃牙を読んだことないけど、ドラゴンボールの天下一武道会の気分でオーディブルの朗読が物凄く聴き心地が良かった。
    元々興味のあった、アダムスミスとマルクスの話は著者の私見も添えられてとても面白かったし、ルソーの性癖とマリーアントワネットとの関係、アリストテレスがイデオロギーの時間による劣化と崩壊サイクルを紀元前の頃から予知していたこと。フッサールとハイデガーの現象主義、ソシュールの言語学。他、知らなかった哲学を片っ端から楽しく学ぶことができた。それぞれの哲学者について、もっと詳しく知りたくて仕方なくなった。

  • 【印象に残った箇所】
    ・無知の知」という言葉のホントウの意味は、ソクラテスの行動原理を考えれば明らかである。  つまるところ、彼は、ただとにかく「真理」が知りたかった。そして、それを知ろうともしない世界に対して反逆したかった。そんな彼が、なぜ偉い知識人たちの無知を暴き出そうとしたのかといえば、それは彼が 無知の自覚 こそが 真理への情熱 を呼び起こすものだと考えていたからである。  当たり前の話だが、「知っている」と思っていたら「知りたい」と思うわけがない。「知らない」と思うからこそ「知りたい」と願うのである。

    ・さて結局、これらの話からわかることとは、リンゴやミカンなどの言語は、単純に「モノがあるから、それに対応する言語が発生した」のではなく、「区別する価値があるから、その区別に対応する言語が発生した」ということである。つまり、言語とは、「存在をどのように区別したいか」という価値観に由来して発生するものであり、その価値観の違いこそが、言語体系の違いを生み出しているのである。まぁ、ようするに、短くまとめると、 「言語体系の違い=区別体系の違い(何を区別するかという価値観の違い)」という話だ。


    ・そこからひるがえって言うならば……、もし、あなたに、どうしても譲れない、自分にとって一番大切な「価値のある何か」が存在するのであれば、もしあなたが死んだら、その存在はもはや存在しない。あなたが見ている「世界」とは、あなた特有の価値で切り出された「世界」であり、その「世界」に存在するものはすべて、あなた特有の価値で切り出された存在なのである。  だから、あなたがいない「世界」は、あなたが考えるような「世界」として決して存在しないし、継続もしない。  なぜなら、存在とは存在に「価値」を見いだす存在がいて、はじめて存在するからである。








    【総括
    各偉人たちが哲学の対象毎に時系列に紹介されているため、哲学の体系の歴史変遷が非常にわかりやすい。内容も著者が現代人にわかりやすく、かみ砕いて表現しているため理解しやすい。
    まさにタイトル通り哲学の入門にふさわしい一冊

  • 本当にシビれた。久しぶりに本を読んで鳥肌が立った。
    私自身哲学には弱く、当書の読書前はソクラテス、ニーチェなど名前だけは知ってるけど、、、という曖昧な状態だった。
    そんな知識の知の字もない私だったが、特にニーチェの思想に関しては、本当に感銘を受けた。「神は死んだ」の本当の意味を知れたし、現代を生きる多くの人々が共感して憧れる生き方だと思う。
    この一冊を機に、哲学に関してより興味も湧き、今後の読書生活や人生の指標を示すのにより学びを深めたい。

  • 僕的には「哲学」の入門書としては「ソフィーの世界」より好き。

    時代を代表する天才哲学者たちがテーマ毎にどのような考え方でどんな結論に行き着いたか?を単に繋ぐより「刃牙風」世界観でかつての天才をなぎ倒していくのが「少年マンガ的」で共感する。これくらいの軽いノリというか、味付け、演出が哲学の入門書には必要だ。

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著者プロフィール

東北大学大学院修了。会社経営者。哲学や科学などハードルの高いジャンルの知識を、楽しくわかりやすく解説したブログを立ち上げ人気となる。著書に『史上最強の哲学入門』『14歳からの哲学入門』などがある。

「2020年 『「最強!」のニーチェ入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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