サピエンス全史 上下合本版 文明の構造と人類の幸福 [Kindle]

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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感想・レビュー・書評

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  • 価値が振り回される、イデオロギーがへし折られる、感情が押しつぶされる。そんな本はなかなかない。それにしてもこの作者の徹底的な高踏のスタンスこそスーパーサピエンスだ。論じられているのは本当に多岐にわたる知見だが、すべてに対し偏ることを精密に排ししつつも、けっしてシニカルだったりニヒルだったりペシミスティックだったりせず、しらけた相対主義にも陥らない。ある種の情熱にあふれていること、愛にあふれていることがとにかく感動的だ。まごうかたなき学術書だが、この作者の姿勢こそは人生の指南書足りうる。この点において「ビジネス本大賞」は大いにうなずけると思うのだ。

  • 読み終わるまでにかなりの時間を要した…トマピケティは全部読まなくて良しとよく言われるが、この本もボリューム的にはサマリだけでいいんじゃないかと途中何度か思いつつも読み応えがあってなんだかんだ全部読めた(いや、正確には結構流し読みもした。いずれにせよ集中を要する本)

    135億年前にビッグバンとともに宇宙及び物理的化学的現象が始まり、45億年前に地球が形成され、38億年前に有機体が出現し生物学的現象が始まり、600万年前にヒトとチンパンジーの最後の共通祖先が存在し、(もうこの時点でロマン溢れすぎてヤバイのだが)20万年前にホモ・サピエンスが進化し、7万年前に認知革命が起きて歴史的現象が始まった。
    1.2万年前に農業革命が起こり、500年前に科学革命、200年前に産業革命、シンギュラリティ前夜の今日に至る。
    これだけで夜も眠れなくなるほど脳汁が出る壮大な物語である。

    ただの1つの種でしかなかった我々ホモ・サピエンスがこの惑星のいわば頂点に立つまでに起きたこと。
    まず言葉が生まれ、そこから国や神や法といった虚構を作り出し、狩猟の過程で他の種の絶滅や自然環境に多大な影響を与えたのち農耕を始め爆発的に数を増やした。
    農業は同時に定住の制約と人口増による飢えを凌ぐための労働という枷を敷いた一方、ヒトは家畜とともに大陸を渡り始めた。神話やヒエラルキー、貨幣という史上最大の発明を生み出しながら次第に帝国化、統一化に向かい、国家、資本主義経済によって未曾有の発展と争いを繰り広げたのち科学及び核の抑止力と多大な犠牲を払って平和を手に入れつつあるのが今。
    特に科学技術の進歩によりヒトは自然原理を変える、知的設計を出発とした神に等しい力を手に入れた。

    果たしてこれらの歴史の変遷は幸福を増幅させてきたのか?この点はまだ結論が出ない中この先も進歩のスピードはさらに加速する世界において私たちは何者で何を望むものなのか?

    という、全方位的な史実、論理、考察が展開される超大作。終盤は庵野監督も真っ青の「あなたは何を望むの?」という問いまで網羅するカバレッジぶり。

    読むとしばらく現実世界に戻れなくなります(現実世界の話なのに)

    こんなに知的好奇心を刺激される本もなかなか無いのでめちゃくちゃオススメ。

  • 流行っている本だけあって面白かった。で、でも流行るちょっと前から読んでたんだからね!
    もともとはこういう、「世界史をひとつの話でまとめてるような本読みたいなー」という欲求があり、たまたま最近出た本だったので読んでみたら、これがかなりどハマり。国や経済やお金は、すべて人間の想像力によって成り立っているという、当たり前のようで全く気づかなかったことを平易な文章かつたくさんの比喩で読ませてくれる本だった。

  • 第1部 認知革命

    第1章 唯一生き延びた人類種
    不面目な秘密/思考力の代償/調理をする動物/兄弟たちはどうなったか?

    第2章 虚構が協力を可能にした
    プジョー伝説/ゲノムを迂回する/歴史と生物学

    第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
    原初の豊かな社会/口を利く死者の霊/平和か戦争か?/沈黙の帳

    第4章 史上最も危険な種
    告発のとおり有罪/オオナマケモノの最期/ノアの方舟

    第2部 農業革命

    第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
    贅沢の罠/聖なる介入/革命の犠牲者たち

    第6章 神話による社会の拡大
    未来に関する懸念/想像上の秩序/真の信奉者たち/脱出不能の監獄

    第7章 書記体系の発明
    「クシム」という署名/官僚制の驚異/数の言語

    第8章 想像上のヒエラルキーと差別
    悪循環/アメリカ大陸における清浄/男女間の格差/生物学的な性別と社会的・文化的性別/
    男性のどこがそれほど優れているのか?/筋力/攻撃性/家父長制の遺伝子

    第3部 人類の統一

    第9章 統一へ向かう世界
    歴史は統一に向かって進み続ける/グローバルなビジョン

    第10章 最強の征服者、貨幣
    物々交換の限界/貝殻とタバコ/貨幣はどのように機能するのか?/金の福音/貨幣の代償

    第11章 グローバル化を進める帝国のビジョン
    帝国とは何か?/悪の帝国?/これはお前たちのためなのだ/「彼ら」が「私たち」になるとき/
    歴史の中の善人と悪人/新しいグローバル帝国

    第12章 宗教という超人間的秩序
    神々の台頭と人類の地位/偶像崇拝の恩恵/神は一つ/善と悪の戦い/自然の法則/人間の崇拝

    第13章 歴史の必然と謎めいた選択
    1 後知恵の誤謬/2 盲目のクレイオ

    第4部 科学革命

    第14章 無知の発見と近代科学の成立
    無知な人/科学界の教義/知は力/進歩の理想/ギルガメシュ・プロジェクト/
    科学を気前良く援助する人々

    第15章 科学と帝国の融合
    なぜヨーロッパなのか?/征服の精神構造/空白のある地図/宇宙からの侵略/
    帝国が支援した近代科学

    第16章 拡大するパイという資本主義のマジック
    拡大するパイ/コロンブス、投資家を探す/資本の名の下に/自由市場というカルト/
    資本主義の地獄

    第17章 産業の推進力
    熱を運動に変換する/エネルギーの大洋/ベルトコンベヤー上の命/ショッピングの時代

    第18章 国家と市場経済がもたらした世界平和
    近代の時間/家族とコミュニティの崩壊/想像上のコミュニティ/変化し続ける近代社会/
    現代の平和/帝国の撤退/原子の平和

    第19章 文明は人間を幸福にしたのか
    幸福度を測る/化学から見た幸福/人生の意義/汝自身を知れ

    第20章 超ホモ・サピエンスの時代へ
    マウスとヒトの合成/ネアンデルタール人の復活/バイオニック生命体/別の生命/特異点/
    フランケンシュタインの予言

    あとがき――神になった動物

  • 人間とは何か。
    思想とは何か。
    科学とは何か。
    経済とは何か。
    幸福とは何か。
    私たちはどこから来てどこへ向かうのか。

  • 読みごたえあり。
    ホモサピエンスの歴史、文明ができるまで、人が他の生物と何が違ったか、今後どういう方向に進むか。

    膨大な教養に基づいた中身が非常に濃い書籍

  • 古人類学から始まって、農耕の開始、帝国の興亡(と変遷)、資本主義と科学の発展を通じて、コンピュータ、医療の最先端まで恐るべき広さと深さで記述される世界の歴史。これまで、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』が最も広範な世界史の教科書だったわけだが、これはその超増補改訂版。全人類の必読書であり、数々の著名人から賛辞が送られているので、今さら書くべきことは何もない。

    上下合冊も嬉しい。

  • 文句なしの傑作!!

    いやー、面白すぎです、この本。

    虚構=想像力がサピエンスが生き残った要因って説も超興味深いけど、後半の「幸福」に関する考察や、今後の未来に向かって我々人類にどんな方向性が考えられるか?その考察がまた超絶面白い!!!

    間違いなく今年のベスト3に入る本です。

  • 170129読了

  • つねづねに自由主義だって共産主義だって宗教だと言っておりましたので、この本のコンセプトについてはそんなん当たり前、と思っておりましたが、さすがにベストセラーになるだけはあって、当たり前の理由を理路整然と語ってくれている。

    歴史の道筋は、三つの重要な革命が決めた。
    1.約七万年前に歴史を始動させた認知革命。
    言語を駆使し新しい思考と意思疎通の方法を登場させた。虚構の発明によりサピエンスは物事を想像するだけでなく、集団で同じ想像を共有するようになった。

    このことにより、組織の規模の限界をブレイクスルーした。
    「宇宙には神は一人もおらず、人類の共通の想像の中以外には、国民も、お金も、人権も、法律も、正義も存在しない」

    2.1万年程前におこった、くらし方の革命、農業革命。
    人類は250万年にわたって、植物を採取し、動物を狩って食料としていたが、1万年ほど前にいくつかの動植物種の生命を操作することに、ほぼすべての時間と労力を傾け始めた。

    農業革命は、中東をはじめ世界のさまざまな場所で完全に独立した形で発生した。

    しかしながら農業革命は、史上最大の詐欺だった。
    食料の増加は、よりよい食生活や、より長い余暇には結びつかず、むしろ人口爆発と飽食のエリート層の誕生につながった。

    3.わずか500年前に始まった科学革命。

    そして、科学革命は歴史に終止符を打ち、何かまったく異なる展開を引き起こす可能性が十分にある。

著者プロフィール

ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)
1976年生まれのイスラエル人歴史学者。専門は世界史とマクロ・ヒストリー。
オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、エルサレムのヘブライ大学歴史学部で終身雇用教授として歴史学を教える。軍事史や中世騎士文化についての著書がある。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。
著書『サピエンス全史』は世界的なベストセラーとなった。2015年にヘブライ語で"Homo Deus: A Brief History of Tomorrow"を出版。その翻訳書『ホモ・デウス』が2018年9月に刊行される。

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