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本 ・電子書籍 (484ページ)
感想・レビュー・書評
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私はリニアなのか、それとも毎回記憶を失うカーラチャクラなのか。
仏教の「解脱」の考えは、すでに存在したカーラチャクラたちが「どうにかしてこれを終わらせたい」という、藁にも縋るような気持ちの賜物だったのではないか。
この本を読むと、様々なことが頭を駆け巡り、本編のストーリーだけでなく、自分の人生にもう一つ扉があることを発見して、新しいストーリーを眺めるような気分になります。
500ページ越えの大作で、決して「サクッと読める」とは言えない作品ですが、それゆえに、人生のとある瞬間に再読したくなるような深みと、気付きを与えてくれます。
本編のあとも、ハリーはカーラチャクラとしての生を生き続けているのでしょうか?
ヴィンセントとの決着は、そしてそもそも、ハリーは無事に生まれることが出来たのでしょうか?
ループものを複数読んだことのある私でも、夢中になって読める作品でした。
同じ著者の他作品も読んでみたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
(2021/246)1919年1月1日に生まれ、死ぬと誕生の瞬間に記憶を持ったまま戻る。世界に極少数ながら存在する、そんな人間の一人として生きるハリーの15回の人生。前半は「死」のない人生がやや退廃的な雰囲気で描かれるが、後半からSFとサスペンス色が一気に濃くなり怒濤の展開となって読む手が止まらなくなる。どうして現実にはそんな人がいないと言える?どうして僕のこの人生は単に1回目なだけで、死んだ瞬間に誕生の瞬間に戻らないと言える?なんて思ってしまうほど、絶妙な設定だなと。面白かった。
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ストーリーが楽しめ、付随して登場する化学や医学やその他の知識、および処世術なども好奇心を刺激されます。
作者の書き方はもちろん、訳者のそれも好みです。 -
記憶を持ったまま永遠に生まれ変わる人々。
その特性で歴史を変えようする男とそれを阻止する男の対決。
時間の前後関係を抑えるのが大変なのに、すぐ昔の話を
挟み込むので、わかりにくい。。。