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感想・レビュー・書評
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金魚の赤子の赤いヒラヒラとコケティッシュさにすっかり魅了されました。良かったです。
原作を読んだのは相変わらず昔々なのですが、この辺りの言葉遣い大好きです。「~なさる?」「~して頂戴」「お上がりになるの?」
二階堂ふみさんの魅力にやられます。容姿がムチムチで脱ぎっぷりも良くて小悪魔な可愛さ。かなり際どかったり乱暴な台詞でも素敵に響きました。
室生犀星さんの大杉漣さんも包容力ありそうで、でも少年のような幼さもあって。高良健吾さんの芥川龍之介は戦闘力高そうな鋭さでした。
田村のおばさまのお家で、赤子とおばさまがお友だちになるシーンも好きでした。この作品の真木よう子さんはいつもよりましでした、演技。二階堂ふみさんと並べると不憫。。
リアルなようで幻想的で好きな世界でした。「人を好きになるということは、愉しいものでございます」…原作、また読んでみます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
金魚に幽霊に老作家にと物珍しい組み合わせで、これは、老作家であるおじさまの夢の中なのか、はたまた現実世界のお話なのか。
他にはない不思議な世界を保ちながら話が進む。
日本文学のゆっくり情緒が流れていく感じ。
人間の姿になった金魚を演じる二階堂ふみ、人間欲をうまく表現する大杉漣といった味わいのある演者で物語は少しずつ進行していく。 -
文学的でなかなか難しくて、すきな人はすきな作品なんだろうな、という感じ。
二階堂ふみちゃんの捕まえられそうで捕まえられないような雰囲気がすごく合っていた、途中のダンスするところが金魚みたいでかわいかった。
今このタイミングで観て、命って儚いというセリフがとても響いてきたなあ、 -
日本人の文学の感性と、日本人の映像美の感性。
それを水槽にいれてかき混ぜたらこうなりました!
ってな感じ。今の自分には心地よかった。石井聰亙改め石井岳龍監督作品としては実は「シャニダールの花」(2013) にてお会いしていたのだが、そのことを鑑賞後に知って「なるほど。」となんとなく納得できたもののうまくは説明できない。今回の映画祭期間中に表敬上映といったような意味合いで同監督作品「爆裂都市 BURST CITY」(1982) が日程に組まれていたのだが、あいにくこれを訪日日程で逃してしまった。きっと逃したサカナは大きかったんだろうなぁ…と「蜜のあわれ」にかけて惜しんでもみたり。
二階堂ふみについてはまだ「ヒミズ」(2012) でしかきちんとおみかけしてないわけだけれども、もう何年もおなじみなような変な感覚が育ちつつある。そういや彼女がJAPAN CUTSのゲストで来訪した時は逃したんよなぁ…。本年度公開予定作品だけでも本作を含んで映画5本と大したもん。本作において石井監督は「彼女の今のオシリ」を撮りたくってこの脚本探してきたんではないかと妄想したりもする(苦笑)
音を消して映像だけで眺めたり、映像を消して音だけで聴いてみたり、そんな風に再鑑賞してみたいなんて…おもった。
2018年2月追記:
大杉漣氏よ、安らかなれ… -
二階堂ふみちゃんがただキュートだった。金魚っぽい。
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あああ、赤いドレスを着た二階堂ふみさんがはまりすぎ。
あのコケティッシュな魅力は同世代では二階堂さんがピカ一だと思う。
おもわず目で追っちゃう。
大杉蓮さん、情けない老作家が可愛らしい。
他の出演者さんも良かったけど、特筆すべきは高良健吾さん。
芥川龍之介が乗り移った!
と吃驚した。
あの有名な写真でしかみたことないけど。
顔立ちは似てないのに...演技力だなーと思った。
官能的で不思議でちょっと切ない世界観は好みだけど、いかんせん登場人物たちの台詞が聞き取れない(笑)
音質が悪いのか、私の耳が悪いのか分からないけど。
邦画DVDの字幕を義務化してほしいです(笑)
満島ひかりさんもいいですねえー -
とにかくキュートな二階堂ふみちゃんの金魚姿だけを楽しむ映画。
それ以外は、幻想的な世界観に引き込まれるどころか、退屈だった。 -
2016年 日本 105分
監督:石井岳龍(石井聰亙)
原作:室生犀星『蜜のあわれ』
出演:二階堂ふみ/大杉蓮/真木よう子/韓英恵/高良健吾/永瀬正敏
http://mitsunoaware.com/
原作が大好きなので、このキャストでの映像化なら悪くないかも、と期待していたのだけど・・・うーん、微妙だった。そもそも映像化自体は難しい題材だとは思う。金魚とおじさまの会話だけで紡がれるファンタスティックでシュールなストーリー。金魚がどのような姿をしているのか小説なら明確に記さずともストーリーは進められるけれど、映像ならば具現化しなくてはならない。どう考えても難題。
その点、二階堂ふみの金魚は、及第点。むしろ二階堂ふみありきで作られた映画なのだろうけど。まんまるい目玉の感じが金魚っぽいし、少女らしく、コケティッシュな魅力はすごくマッチしてた。ただ、そこが彼女の魅力でもあり欠点でもあると思うのだけど、やや下品・・・というと言い過ぎかもしれないけど、なんだろうな、ちょっと生々しいんだよね存在感が。肉感的すぎるというか、生臭い感じがしてしまう。まあ金魚だから、魚だし生臭くてちょうど良いのかもしれないけど(苦笑)
しかしいくら彼女が脱ぐのを嫌がらない女優だからといって、安易に脱がせすぎなのはちょっと・・・。そこで脱ぐ必要ある?というシーンで無駄に全裸。簡単に脱ぎすぎてありがたみがない(笑)あと真木よう子との無駄なレズシーンとか、必要?これは間違いなく改悪。作り手の悪趣味。
あともひとつ金魚で気になったのは衣装。だんだん見慣れたけど、最初がふりふりのミニスカートだったせいか安っぽいキャバ嬢の派手な衣装にしか見えなかった。外出着はまだ可愛かったし、後半はロングドレスになっていたのでマシだったけど、もうちょっと衣装に工夫が欲しかった気がする。個人的にはもうちょっと「和」の要素をいれた着物っぽいドレスとかにすれば可愛いのにと思ったのだけど。
衣装といえば田村ゆり子役の真木よう子のほうも何故か微妙に野暮ったいのがとても気になった。彼女のお芝居には全く文句はないのだけれど、髪型と衣装がどうもしっくりきていない。白い着物に真っ黒なロングヘア。一人だけ古風で幽霊っぽいのは別にかまわないのだけど(幽霊だし)どこか安っぽい。舞台用のカツラと衣装みたいな、とってつけた感がぬぐえず、なぜこんなキレイな人をこんなに野暮ったくするのだろうと女性が見たら納得いかないセンスのなさ。
大杉蓮の「おじさま」は、もっと枯れた感じをイメージしてたら結構ギラギラギトギトしていて、部分的にちょっと引いてしまった。原作は細部まで覚えてないけど、おじさま、こんな老人性欲の塊みたいなひとじゃなかったよね? 韓英恵との濡れ場とかドン引き。監督の個人的な、男の私情みたいなものを勝手に投影されてしまったのだろうか。
あと高良くんがいったい何の役で出るのだろうと思っていたら、なぜか芥川龍之介(の幽霊?)髪型寄せてあって結構似ているうえにイケメンだったけど、正直なぜここに芥川を無駄に登場させるのか意味はわからなかった。永瀬正敏の金魚屋さんは、喋りすぎ。干渉しすぎ。
ラストは原作にはないオチがついていて、これも賛否分かれるだろうなあ。まあなんらかのオチをつけるとすれば、こうするしかないのはわかるきはするけれど。
全体的に、原作を知らずに観たほうが、ちょっとクセが強いけどファンタスティックで面白い映画として観れると思う。原作を読んでいるとかえって、世界観を壊された感じがしてしまう。
個人的には金魚役、満島ひかりで見てみたかったなあ。彼女なら、下世話になりすぎず、もっと透明感のある金魚になったんじゃないだろうか。