紅霞後宮物語~小玉伝~ 1 (プリンセス・コミックス) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 中華調後宮ファンタジーといえば、下級宮女の主人公から始まるものが多いような気もするので、「ほかにはないのかな」と読んでみた作品。

    主人公は大宸国で名将の誉れ高い将軍、関小玉。武官として勤め上げるつもりでいたところ、かつての副官で最高のバディだった周文林が突如として皇帝に即位し、自分も宮中に呼び寄せられて皇后(男の娘案件ではない)になってしまう。なかなか思い切りのよい、トンチキ感も漂う力技のオープニングにしびれる。大宸国はどうも女性武官が普通に存在する設定のようだが、昇進には微妙な「ガラスの天井」的な限界もあるようで、武人として皇帝に次ぐ栄誉と力を小玉に与えたいと考えた文林が出した結論が、小玉の入内と立后だという。文林の小玉強火担ぶりが突き抜けている。

    皇帝の元上官の武人、しかも年齢的には若いとはいえない女性が入内し、加えて出産で亡くなった妃の遺児を養育する身分となったため、後宮には激震が走る。そこを、味方の数は多いとはいえないが、百戦錬磨のベテラン女官や元従卒の宦官など、信頼できるメンバーに囲まれている強さもあって、小玉が持ち前の能天気さと経験からくる勘と人柄で、問題を着々と乗り越えていくところはやや出来すぎかとも思うが、まあ、そこがフィクションの醍醐味。それに、宮中は敵だらけかというとそうでもなく、若い頃に警護した先帝の公主(このポジションは多くの中華調ファンタジーでは肝)が強くバックアップする立場になっているのは頼もしいし、小玉と文林の「修羅場を共に越えた経験を持つ同志」という関係がよく理解できず、自分が寵愛を得るために「帝との距離をこれだけ縮められる理由は?」といろいろ観察・調査するうちに、野心に満ちた妃/嬪からただの皇后強火担にトランスフォームしてしまう李才人も、ちょっぴり可笑しくてチャーミング。早く「お姉さま」呼びしちゃいなさい。

    わりと好きなのは、小玉が自分の根っこは武人で、物理的に人を殺す力を持ち、殺した者の死体の上を歩いているということを常に自覚している点。謀反の討伐を指揮し、首謀者と関係者に手を下す重みが苦く描かれているさまが印象に残るし、文林との付き合いが長いからこそ、皇帝となってからの彼の真意に踏み込まない、あるいは踏み込めない小玉の感情が細やかに描かれているところもよかった。作画担当のかたが年増の女性の落ち着き(図太さともいう)を描けるスキルの高さを存分に発揮していらっしゃるので、物語にそうしたリアリティが一層出ていると感じる。

  • 剣を持ち、将として生きていこうときめたのに何故か皇后になってる。

  • このマンガきっかけで、後宮を舞台にしたマンガに沼ってます。この作品は、武官から皇后にまでなった女性小玉の物語です。とにかく、かっこいい女性です。「紅霞後宮物語」は、キャラクターや背景は非常に美しく描かれており、読者を引き込むための魅力的な視覚的要素が豊富です。
    皇帝への愛情、非情になりきれない小玉の心情など 深い物語が展開され、複雑な人間関係やドラマが魅力的です。
    マンガに登場する脇のキャラクターたちは個性豊かで、それぞれ異なる魅力を持っています。彼らとの交流や関係構築が楽しい要素の一つです。個人的には、小玉が育てることになる鴻皇子と小玉の元上司沈太監が好きです。

  • 1日無料を利用して読破。
    面白かった!

  • 小玉や他の女性達は面白いんだけど、肝心の文林にイラっとするわー
    まあまだ1巻だしここからかなー
    女子校っぽいノリなのも今までの中華物には無い雰囲気で面白い

  • 全14巻、読了。

    小玉と文林は、女将軍と副官で、相棒だった。のちに文林は皇帝に。文林に頼まれて小玉は後宮入り、そして皇后に(この時点で小玉34歳)。ってところから物語が始まります。

    以下、全巻読んで。


    元女将軍ってことで、小玉が男前です。後宮内の嫌がらせも何のその、後宮の女性達を虜にしていくのが面白かったです。

    恋愛面は立場やら何やらで最高にもどかしかったです。戦があったり暗殺されそうになったりと、死ぬのが先か想いが通じ合うのが先か最後の方までハラハラしました。

    清喜とか、綵とか、好きなサブキャラたくさんいますが、個人的1番はやっぱり明慧。6巻にはハンカチが欠かせません。明慧の旦那さんも好きなキャラです。

    13と14巻が同時に出て、クライマックスから最終話まで一気に読めて助かりました!(表紙が繋がっていて、同時に出たの納得。紅い表紙かっこいい。)
    黒幕とか考えてなかったんでビックリ。

    最終話の主役?語り部?は、成長した鴻でした。
    肩書きのないただの小玉と文林が結婚してから、あまり長い時間は過ごせなかったようなのが少しだけ残念でした。不満とかじゃなくて、大変な目にあった分、長い時間を平穏で幸せにって願ってたって意味で。

    丙達の子供も見たかったなー。

    面白かったです。

    *****
    原作:紅霞後宮物語/雪村花菜(富士見L文庫)
    原作未読。

  • 設定が面白いけど、なんだかもどかしい・・・

  • 小説でシリーズを読んでいるので、ちょっと気になって読んでみました。文章で読むより漫画むきかもしれない、というのが感想。人によるかもかはしれませんが、原作のラノベは軽すぎて読み応えにかける印象ですが、こうして漫画で読むと不思議と流れてゆく気がします。小説は内容も知らず表紙のイラスト買いだったので、どこまでも文琳がハンサムで小玉だけ愛している姿さえあれば・・・堪えて読もう。漫画家さん、頑張って小説のイラストによせて描いていているなぁ、と思いました。

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