- Amazon.co.jp ・電子書籍 (342ページ)
感想・レビュー・書評
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中国残留孤児という呼び名は知っていたけど、詳しくは知らなかったのでとても興味深く読みました。
登場人物全員がなんらかの形でとてつもない苦労をしています。綺麗に終わったけど、全員幸せになりますように -
映画シックスセンスを思い出させる最後のどんでん返しが見事。私の亡父が満州からの引き揚げ者であったこともあり、興味深く読んだ。酒を飲むと悲惨な昔話をしたものだが、幸いにも、亡父の家族は生き別れになることもなく無事に日本に帰還できた。その話を、真剣に聞かなかったことが今となれば悔やまれる。亡父も、自分は両親(私の祖父母)の本当の子供ではないようなことを冗談のように話したことがあったが、そしてそれは本当に冗談であったと思うのだが、冗談だとしても亡父にそう言わしめるような、複雑な事実が、戦時中、戦後の混乱時には当たり前のようにあったのだと思う。本書の最後に希望が見えるのが救い。
同著者の作品は「告白の余白」に続き2作目だが、私の評価は全く分かれた。「告白の余白」を読んだ後は、随分がっかりしたのだが、本作品を読んで、もう一作読んでみる気になった。 -
モチーフは素晴らしいし読み応えもあるのだが、あまりに主人公が疑り深いため、逆にこちらが主人公に対して疑り深くなり、結末がほんのり予測できてしまった。元々を疑り深いキャラクターとして造形したから違和感がないと思ったのかもしれないけれど、それが微妙に逆効果...というか...。
とはいえ細かい伏線を最後まできっちり回収する手腕は素晴らしい。 -
帰国残留孤児の兄の出自に疑問を持ち密かに調査に乗り出す全盲の弟。
周囲の状況が確認しづらいということで通常の推理作品では起こりえないシチュエーションが度々登場。
奇しくも自分も主人公と同じ中途失明ということで自らの普段の生活や環境と較べながら読む。 -
深くて暗い、底知れぬ闇。見たくても見えない、見たくなくても感じてしまう。主人公の葛藤や諦観がビシバシ伝わってきて、居たたまれない気分になった。最後は光が差して胸をなでおろす。その他の著作を是非読んでみたいと思った。
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★3.7くらい
主人公が全盲のため、小説内の風景描写が他の作品と違って新鮮だった。謎が謎を生み次々ページを捲ってしまうストーリー構成だった。
思った以上に面白かった。 -
よくできている、伏線が回収できてるし、設定が効いている。
ただ、これには謎がない。
単なる家族の日常があるだけ。
言い切ると、単に知らなかっただけ。
途中の記述が冗長でかなり飛ばして読みました。
なので、伏線も読み飛ばしていました。 -
乱歩賞だから普通のミステリで終わるかなあって。
思ってたけど、違いました。
社会派推理小説であるのは事実ですが、その中での仕掛けは驚きをもたらしてくれます。本格の面白さ、驚きをこう言う社会派で出すのも含め、今に至る作品ですね。