ザ・会社改造--340人からグローバル1万人企業へ (日本経済新聞出版) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 会社の社長まではいかずとも、小さな単位でのリーダーになることが多々あるので、「なるほど」と思うだけではなく、本書の内容を意識しながら働きたい。
    ただし、自分が相手への指摘に使う言葉はもう少しソフトに!

  • 経営戦略について書かれている小説スタイルのビジネス本。
    「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「V字回復の経営」、そして本書「ザ・会社改造」。
    個人的な面白さでは、
    「経営パワーの危機」>「戦略プロフェッショナル」>>「ザ・会社改造」>「V字回復の経営」
    となるが、順番通りに読むことをオススメする。

    本作は、経営者人材の育成、会社の拡大、などがテーマ。
    実際に著者が社長を務めた、実在する「ミスミ」という会社が舞台。

    機能別の仕事を長く続ければ、経営者人材としての技量も上がり、経営陣の仕事が待っているという発想は、重大な誤解。経営者を目指すなら、経営者としての技量を上げる生き方を探す必要がある。

    後継者3人のリストアップか……。んーー、難しい。

    ====
    ■経営者人材
    「機能別の仕事を長く続ければ、それと同時に経営者人材としての技量も上がり、いずれは経営陣の仕事が待っている」という発想は、重大な誤解。
     →経営者を目指すなら、経営者の仕事は独立した職業だと割り切り、遅くとも30代中ごろから先は、経営者としての技量を上げる生き方を探す必要がある。

    ■有能なリーダーは何か異常を見たとき、「どうもこれは本来の姿ではないな」と思い、頭のなかで警報が鳴る。「何か変だな」と気づいた人は、頭の引き出しのなかに「本来ならこうだ」「正常ならこうだ」というイメージや考えをすでに持っている。

    ■ 「考え抜く」ことは、リーダーシップの重要な要素。経営というものは、それしか拠りどころがない。

    ■修羅場からの緊急救済
     会社でも個人でも、修羅場に落ち込んだ人々をとりあえず救う即効薬は「時間軸の解放」である。期限の縛りをゆるめ、問題を整理する精神的余裕と対策行動を起こす元気を取り戻させる。

    ■抵抗者は「正しいか、正しくないか」の論理よりも、「好きか、嫌いか」の先入観を初めから抱いている場合が圧倒的に多い。

    ■元気な事業、元気な会社を保ち続けるためのキーワードは「変化し続ける」こと

    ■経営者の技量は、過去に経験した「死の谷」の回数で決まる。

    ■これまでの仕事で多くの経営者に推奨してきたことのひとつは、新しい職位に着任した瞬間に、そのポジションの後継者を密かに3人リストアップすることだった。

  • 面白いし役立つんだけどこんな上司いたらちょっと嫌かも

  • 私(著者) の考えでは、経営者の優劣はフレームワークの有無で決まる。フレームワークとは、物事の本質や構造を理解し、わかりやすく説明するための「枠組み」のこと

    知財にも、色々なフレームワークあるのではと思っています。権利化の三代論点、新規性・進歩性・記載不備、のような感じです。

    ただ、NDAなどの知財が絡む契約になると途端にケースバイケースになってしまいます。そんなことはないだろうと。ある程度は型に嵌めて対応してるだろうと。まずはあるかどうか探して、なければ自分で作るしかありません。あるかどうかとは言っても、知財業界にはそれなりにプレーヤーがいるので、どこかに誰かが考えたフレームワークがあると思います。

  • 企業の再生請負人、ミスミの元社長として有名な三枝さんの2016年の書。V字回復の経営とかも読んだけど、この本は題材がミスミだと明記されており、これまでのものよりもより臨場感を持って読むことができる。
    これまでと同様の三枝節がいたるところで炸裂しているけど、この作品は今までの中で一番印象的。経営者や事業開発を目指す方であれば、これを読まないという選択肢はない本だと思う。
    ※うまく三枝体制に適応できなかった人が、本書にどういうコメントをするかも興味あり

    ・目の前に見える「混沌」に対し、切れ味鋭く「謎解き」を行い、本質に迫らないといけないが、一朝一夕に身につく能力ではない。考えに考え抜き、修羅場を経験することで身につく。フレームワークのレパートリーが増えていく。優れた経営リーダーは、この「謎解き」を生活かつ早く行える人
    ・修羅場の原因の多くは戦略系だが、その苦しさを増幅させるのは政治系の動き
    ・どの企業でも商品の強みは主として「品質」「コスト」「時間」の3要素で決まる
    ・事業シナジー(主に7分類)のない新規事業に取り組んではいけない
    ・会社が大企業病になると、「開発→生産→営業」の連携速度が鈍くなる。「時間」は重要な差別化要素
    ・日本企業を元気にするポイント ⇒ 従業員の目を輝かせる手法を追求すること
    ・リーマンショックの間、アジアの競合は拡大の手を緩めなかった。昔は日本企業がアメリカ企業の技術に学び、抜かしていった。今は、アジアの企業がそれを日本に対して行っている
    ・リーダーは、情熱を持って熱く語らないといけない。一方で、そのプレゼンの前にはとにかく「考え抜く」。実際に行動に移す前に、考えに考え抜く
    ・原価計算は非常に重要。Activity Based Costingの考え方で、SG&Aも現実を反映して配賦する。そうすると、各製品の真の収益力が見えてくる
    ・自分たちの製品価値について、真に顧客がそれを欲しているかをよく考える
    ・新商品や新製品のローンチ時は一気呵成にシェアを奪取する。ローンチまでは、目立たないようする
    ・「トヨタ生産方式」は、三枝氏であっても論理的に高揚を説明することは困難。習うより慣れろ
    ・優れた戦略の要諦⇒「絞りと集中」「シンプルな目標の提示」「ストーリー性」
    ・作業の細分化・専門化は、逆に生産性を低下させる。朝から晩まで単純作業をすると、前後の工程の都合などほとんど見えなくなる

  • 涙が出るビジネス書

  • 「三枝匡の経営ノート⑩ 個人の「ジャンプ」と組織の「矮小化」の力学」(P.421~)の項が、現在自分の置かれている立場、職責、今後のキャリアを考える良いきっかけとなりました。

  • ハウツー本としてではなく、物語として楽しめる作品。具体的に参考にできるところは少ないと感じても、ついつい読み進めてしまう面白さがある。著者は純然たる、日本でも第一人者として自他ともに認める経営コンサルタントだが、そのような能力の高い人物は、やはり作家としてもやっていける才能も持ち合わせているということだろう。(と感じた)

  • V字回復の経営や戦略経営プロフェッショナルなどの著名な作品で知られる三枝さんの渾身の1冊。

    間違いなく私が今年読んだ中でベストに面白かった1冊といっても過言ではないものでした。

    なぜか。

    三枝さんの著書はV字回復の経営を読んだことがあります。
    これはターンアラウンドマネージャーとして会社を再生させた自身の体験をフィクションにしたもので、それでも名著として知られているもの。
    しかし、個人的にはどこか現実感がない。切迫感がない、熱量を感じない気がしました。
    おそらく自身の体験を抽象化したためにそういったことが起きたのでしょう。

    さて、そこで、本作がなぜそれを大きく上回るのかといえば、自身の経営人生をかけて挑んだミスミでの回顧録を包み隠さず出しているからに他ならないからです。

    登場人物も実在の人なので、かなりのリアリティがあります。経営者としてどういう意図を持って人事を抜擢し、そこからハンズオンさせていったのか。また社員の当時の回顧録も記載することで多面的に立証するストーリー構成になっていました。
    とても熱量の高い物語です。

    奇しくもミスミという会社とご縁があった過去もあり、その経験がさらに本書の内容を面白いものにしてくれました。
    こういう環境だったのだな。当時の自分の苦しかったこともどこか納得できる内容であったということもあり、非常に読み応えのある、かつ学びの多い書籍でした。
    間違いなく星は5つで。ぜひぜひ読んでみてほしい1冊です。


    ▪️目次
    (会社改造1) 「謎解き」で会社の強み・弱みを見抜く
    創業40年で売上高500億円だった上場会社をわずか4年で1000億円に伸ばし、世界大不況を乗り越えて2000億円超の企業に変身させた経営者は、あらかじめどんな「謎解き」をして会社改造に乗り出したのか。

    (会社改造2) 事業部組織に「戦略志向」を吹き込む
    戦略とは何か。それを知らなかった事業部の社員たちは、のたうち回りながら「戦略シナリオ」を描き、売上高150億円の事業部を1000億円超のグローバル事業に成長させた。

    (会社改造3) 戦略の誤判断を生む「原価システム」を正す
    不正確な原価計算は重大な戦略的誤謬を生みかねない。世界の多くの企業が導入に失敗した「ABC原価計算」を、社員たちは日常的に使う戦略目的のシステムとして確立した。

    (会社改造4) 成長を求めて「国際戦略」の勝負に出る
    「海外に無関心、本社の海外事業組織はゼロ、戦略もなし」の状態から、13年後に海外社員7000人、海外売上高比率50 %に迫る国際事業へ。「世界戦略」はどのようにして構築され、実行されたのか。

    (会社改造5) 「買収」を仕掛けて「業態革新」を図る
    商社専業40年の歴史に別れを告げ、メーカー買収に踏み切ったミスミ。「事業モデルの弱点」を一挙に解き放つ業態変革を敢行した戦略の裏には、どのような「歴史観」が、そして「ねらい」があったのか。

    (会社改造6) 「生産改革」でブレークスルーを起こす
    現場の抵抗によって「死の谷」にまで追い込まれかけた生産改革は、何をきっかけにして蘇ったのか。トップと一体になった知的戦いと汗まみれの現場改善は、ミスミの業態に最も適した「世界水準の生産システム」を生み出す。

    (会社改造7) 時間と戦う「オペレーション改革」に挑む
    以前であれば600人でやっていたはずの仕事を、いまはわずか145人でこなせる体制に。カスタマー・センターで行われた、汗と涙と我慢の「業務改革のステップ」とは何だったのか。時間と戦うオペレーションとは?

    (会社改造8) 「元気な組織」をどう設計するか
    「組織末端やたら元気」と「戦略的束ね」の両立が会社の理想。だが、日本の経営の実験場として試行錯誤を重ね、高い成長率を生み出した「ミスミ組織モデル」にも大企業病の脅威が迫る。

  • 経営の指南書。とても良かった。戦略についての基礎知識を一通り学んだところで使いこなすのは容易ではない。同書はその使い方、活かし方をインスパイアされる素晴らしい内容。

    原理原則は真似したいが、完全コピーをしようとすると破綻するように感じる。たとえばメンバーとの接し方は、間違って三枝さんのような言い方をすると炎上してしまう人が多いと思う。時と場合に応じてうまく活用できるようになりたい。

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著者プロフィール

ミスミグループ本社シニアチェアマン、第2期創業者
1967年一橋大学経済学部卒業。三井石油化学を経てBCG勤務。75年スタンフォード大学経営学修士(MBA)取得。30代から経営の実践に転じ、赤字会社再建やベンチャー投資など数社の代表取締役を歴任。86年三枝匡事務所設立。2002年よりミスミ代表取締役社長、2008年代表取締役会長兼CEO、2018年より現職。2001年から一橋大学大学院客員教授。2009年内閣府参与。

「2021年 『V字回復の経営 増補改訂版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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