ブリッジ・オブ・スパイ [DVD]

監督 : スティーブン・スピルバーグ 
出演 : トム・ハンクス  マーク・ライランス  エイミー・ライアン  アラン・アルダ 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
3.44
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本棚登録 : 88
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988142221216

感想・レビュー・書評

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  • やはり「実際の事件を題材にした」作品というのは、そうでない作品に比べて怠惰である、と再確認した。

  • 久しぶりに観たスピルバーグ作品、『ブリッジオブスパイ』(といっても昨年『レディプレイヤー1』を映画館で観たけど)。

    タイトルにスパイとついてはいますが実話ベースの話で、ジャンルで言うと007みたいなスパイアクションではなくて、ポリティカルサスペンス、さらにそれよりもドラマ寄りなのでポリティカルドラマ映画といったところ。
    私が連想したのは、ジョンルカレ原作の『寒い国から帰ったスパイ』など。あの映画はかなり面白かった。

    横で親父が観ていてオーディオ親父コメンタリーをしてくれたのですが(はっきり言ってウザいw)、1960年5月のU-2撃墜事件にまつわる話。U-2偵察機はこの前年に日本に不時着した「黒いジェット機事件」を起こしている。

    映画自体は冷戦下の1957年から始まって、主人公のトムハンクスは弁護士役。トムハンクスが弁護士…といえば私は『フィラデルフィア』のレビューなどでもしょっちゅう言ってますが、「アメリカは法とキリスト教の国」というのを念頭に鑑賞すると楽しめると思います。
    ドノヴァン弁護士(トムハンクス)がCIAに言う、「私はアイルランド系で君は(元敵国の)ドイツ系だろ。では我々をアメリカ人だと決めるものは?」といったセリフが面白い。つまりそれは法律のみなんですね。
    もうひとつ、警官に「俺はノルマンディ上陸作戦に参加したんだぞ」って言われるくだりは爆笑。

    セリフで笑えるシーンが多いのは、脚本にコーエン兄弟が参加しているからか。『トゥルーグリット』の製作にスピルバーグが関わったお返し的な感じ?どちらもユダヤ系だし、ブラックな笑いが得意と共通点あり。

    真魚八重子さんが仰ってたことだけど(たぶんスピルバーグファンには有名なのかな)、スピルバーグ映画は母国語以外の外国語に字幕をつけないらしい。この映画だと東ベルリンに行ったシーンですが、それによって恐怖感が増す。スカヨハ主演の『LUCY』っていうトンデモ映画がありましたが、あれの序盤の韓国ヤクザが怖いのと同じ。

    実話ベースで、この実話自体がとても面白いので映画も面白いのだけど、他のスピルバーグ作品に比べると「原作以上に追加されたスピルバーグ的おもしろさ」は弱かったと思います。
    ただ、『レディプレイヤー1』ってスピルバーグの老境や死をものすごく感じた作品でして、ここ最近は「後継者たちに映画人として伝えねばならない」と考えてるのかなと。(スピルバーグの後継者、私が思うかぎりだとJJエイブラムス、コーエン兄弟、それとクリストファーノーランあたりかな)スピルバーグ本人はもうお金要らないと思うし。

    その考えで行くと、『ミュンヘン』→『リンカーン』→『ブリッジオブスパイ』→『ペンタゴンペーパーズ』という流れがある。過去の事を描きながらもこれは「現在の社会問題も共通してるから、ちゃんと考えよう」という作品群だと思います。

    補足ですが、「チェックポイントチャーリー」ってのはベルリン分割統治時代の名残で、旧アメリカ統治領。
    あとトムハンクスが乗ってた電車はSバーンで、西ベルリン側にかかってても当時は東独側が運営。Uバーン(地下鉄)も東西分断されたけど、西側の会社と東のSバーン側で土地の所有権問題があったりとややこしかったみたいですね。

  • 普通でした。コーエン兄弟脚本で期待したのですが可もなく不可もなくですかね。

  • 2015年アメリカ映画(20世紀フォックス、ドリームワークスほか)。
    監督はスティーヴン・スピルバーグ。脚本はコーエン兄弟およびマット・チャーマン。
    主演はトム・ハンクス。その他の共演としてはソ連スパイ・アデル大佐役にマーク・ライランス、主役のドノヴァン弁護士(トム・ハンクス)の妻役にエイミー・ライアンなど。
    1957年の冷戦の真っただ中、核兵器を使えないアメリカとソ連の両国は水面下で諜報活動を活発化させていた。
    そんな中、アメリカで諜報活動を行っていたソ連スパイ・アデルがFBIに逮捕される。裁判にかけられるアデルに対し弁護士としてドノヴァンに白羽の矢が立った。ソ連スパイを弁護するドノヴァンに対し、世間の風当たりは強くなる一方だったが、ドノヴァンは弁護に全力を尽くし、アデルとの間に心の触れ合いが生じるまでになる。
    一方、アメリカCIAは空軍へ要請してU-2偵察機をソ連上空に飛ばし、偵察行動を行うのだが・・・。

    スティーヴン・スピルバーグ監督×コーエン兄弟×トム・ハンクスの豪華な組み合わせによる、サスペンスあり家族愛あり重厚かつハートウォームでスリリングなスパイ映画です。(←テンコ盛り過ぎ!(笑))
    一応スパイ映画(?)なんですが会話重視の物語進行になっていて、時には雄弁に、時には沈黙でもって会話を成り立たせる在り様は練りに練られた脚本を思わせます。
    そして、このようなテンコ盛りの物語展開にもかかわらず流れるように物語は進み破綻を感じさせないのですから、これは相当に練られているということですよね。

    実話がベースとのことですが、こんな時のトム・ハンクスはまさにハマり役になります。最近では『ハドソン川の奇跡』でもそうですが、実話の本人役をやらせるとなんでこんなにハマってしまうのかな。(笑)まあ模写が上手いのとトム・ハンクスならではのアレンジが上手いんでしょうね。しかし、『インフェルノ』でもそう思いましたが、あの近年の下膨れだけはなんとかならないものか・・・。(^_^;

    スピルバーグ監督もこのような歴史的大作(?)を作らさせるとそつなく仕事をしてくれますね。カメラワークの流れを観ているだけでも飽きがこないです。
    それに会話重視の物語進行は観客が流れについてくるようにするだけでも大変だと思いますが、ストーリーの切れ目切れ目を上手くつないでいで、全体として山道電車のような起伏の多い物語であったにもかかわらず、きっちり「ブリッジ・オブ・スパイ」に収斂させていたと思います。
    スピルバーグ監督の場合、得てして外観重視で主人公の内面描写が弱いことも多いのですが、トム・ハンクスに加えて、アデル大佐役のマーク・ライランスを上手く絡ませることで絶妙の雰囲気を作り出していたのではないでしょうか。
    その静かに静かに淡々と演じるマーク・ライランスは、冷戦時代のスパイの忠誠心と孤独と悲哀、そして友情を全身というかその存在でもって演じていて、各助演男優賞を総なめにしているのもうなずけます。

    スティーヴン・スピルバーグ監督×コーエン兄弟×トム・ハンクスそれに+マーク・ライランスで、それぞれの仕事をきっちりこなすとそれなりにいい映画になるなと思い知らされた作品です。

  • アメリカとロシア(ソ連)とのスパイ交換。
    ノンフィクション。
    知的な人は暴力的ではない。
    こんな時代に生まれたくないわい。

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