サピエンス全史(下) 文明の構造と人類の幸福 サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福 [Kindle]

制作 : 柴田裕之 
  • 河出書房新社
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レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (298ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 帝国、科学、資本主義のループ。
    帝国が安定すると科学が栄える。
    科学は「無知」を認めさせた。
    無知は成長の原動力になる。
    その概念は将来への期待につながり、
    信用は資本主義につながってゆく。

  • 何点か矛盾する著者の主張もあるが、これだけ長ければそれらも仕方ないのかな、ってことで星4つ。

  • ホモ・サピエンスの歴史を生物学的、社会学的に記述した本。筆者が認知革命と呼ぶ、人類がイメージを共有するやり方が社会を作り変化させ、人類を発展させていっているととく。宗教、科学、資本主義と言ったイデオロギーが社会を変えていくことが書かれている。未来についても書かれており、遺伝子改変やAI、サイボーグについて書かれており、人類が人類以上のものを産み出すシンギュラリティについても述べられている。歴史を人類の共通意識の変化で捉える方式は面白いと思った。また、社会の発展て果たして人類が幸福となるのか、という命題にも考察している。そこには若干の異論があったが、幸福というのは主観的なので、しょうがないだろう。最後は少しダラダラしていたが、良書であろう。

  • ホモサピエンスたる我々が有史以前から今日まで、どんな感じで来たかの壮大な叙事詩。全体を通して、サピエンスひでぇ。他のホモ属や大型動物をコテンパンに絶滅させた挙句、同種内でも植民地や奴隷にもまぁ酷い酷い。けどそれが、人間なんだなーと改めて。認知・農業・科学の三代革命の話はとても面白かったし、納得しきりだった。良い本だった。

  • 歴史全体を俯瞰し、この500年に起こっている科学革命の意味を理解させてくれる。そしていま、人類は、個人は幸せになったのか?そして幸せを追究するにはどうすべきか?を考えるための示唆をくれる。
    ある意味、究極のそもそもに踏み込んだ話題となっていて、普段何となく考え意識することをここまで分かりやすく言葉にしているのはすごいと思う。

  • 宗教無しに人は社会を維持できないのだろうか。資本主義とかそういう諸々のイデオロギーも含めて、何が一番幸福になれる宗教であるかと考えると、仏教が一番な気もしなくもない。だが仏教は本気でやるとフリーライドするしかなくなるため、全員が幸福になれないという欠点がある。やはり滅びこそが人類救済の一手か。

    あと俺にとって興味深い点としては「個人の解放」だろう。ネットを見ていると、個人の意思が尊重されることが正義、という論が多い。特に結婚とか出産などの話題では特に。確かに俺も現代に生きる人間として個人としての人生を謳歌しているが、個人の意思を尊重することが絶対的に正しいというような意見を目にすると、何を基準にそう言っているのかと思ってしまう。これもある種の宗教と言っていいのだろう。

  • モノを見る視点が一段階上がるような本だった。

    特に序盤のホモ・サピエンスという種が他の”人類”の中で唯一の勝者として生き残り、世界の覇者に至るストーリーは興奮した。
    ”鶏が先か?卵が先か?”の繰り返しのような、偶然なのか必然なのかもよくわからない様々な要因の重なり合いが今へとつながる様は実に面白い。

    そこから中盤は、わりと普通の「世界史モノ」という感じでちょっとダレるものの、現代から未来を語る終盤がまた面白い。

    個人的に最大の収穫と言えるのは「日本人って○○」と思いがちな特徴が、実は世界的に共通しているということを知った点。
    例えば、「日本人は平和ボケしてる」とか、「日本人は自己肯定感が低い」とか。そういう多くが、日本人の特徴ではなく、世界で共通の”現代人の特徴”であるということを知れたのが収穫だった。
    (途中、翻訳であることを忘れるほど、「そうそう、日本人ってそういうとこあるよなー」と思いながら読んでる瞬間もあった。。)

    また、著者のわからないものははっきりわからないと書く潔さも好印象。虚栄がなく、単に知性が高い文章で痺れた。

    最後に投げかけられる問いもまた的確。
    死や肉体といった制限がなくなる可能性の高い未来を、知的活動さえも科学で代替できる未来を目の前にした今の人類にとって、直面している真の疑問は「私たちは何になりたいのか?」ではなく、「私たちは何を望みたいのか?」かもしれない、と。

    たしかに、すでにサピエンスはここまで到達したんだと、頭の中で新たな扉が開く感覚すらあった。

    開いたこの扉、私はぜひとも足を踏み入れたい。

  • 下巻は、宗教、科学、産業革命、国家と市場経済、そして、幸福、超ホモ・サピエンスと論が進んでいく。

    がっ、後半になればなるほど、自分が最近読んだ本の内容とかぶっていて、この本から得られた新しい視点みたいなものが、薄かったかなと思う。
    ただ、この本に書かれている内容は、歴史的そして、現在の状態を未来に残す、この時代はこう考えていたのだなという思考の一部と思えば、意味があるのかも?

    歴史物だし、どういう視点で見るかの変数をいくつか与える事で、あと少し時間が経てば、人口知能でこの様な本が、かけてしまう様な気にも。

  • ほんと面白かった!「銃・病原菌・鉄」よりも一般の人(僕です)にはハードル低いのでお薦めです。
     
    上巻を評して「信用」に触れてないと物言いをつけたけど、たいへん申し訳ありません、第16章で大フィーチャーされてた。「人々は想像上の財、つまり現在はまだ存在していない財を特別な種類のお金に換えることに同意し、それを「信用(クレジット)」と呼ぶようになった」。これを資本主義の中核に据えてます。溜飲が下がりました。
      
    これは前々から言ってるけど、社会とか理科ってほんとに教え方とか試験の方法変えるべき。小さいころはまさかティラノサウルスに色とりどりの羽毛が生えてたなんて知らなかったし、アメリカ大陸「発見」という単語や、プロテスタントとカソリックの殺し合いとか、そのワケわかんなさを探求させることなく暗記させる手法は確実に僕らの人生を貧しくしたと思うな。だから今さら本を読むのが楽しいんだけど。

    その点でも、本書はすぐそこに迫った未来について考えさせてくれるので何年に一度かの良書だと思います。

  • 印象的な箇所のまとめ。

    ・一神教の第一原理「神は存在する。神は私に何を欲するのか?」仏教の第一原理「苦しみは存在する。それからどう逃れるのか?」。仏教、道教、ストア派は、神が不在。
    ・仏教と共産主義はどちらも宗教だ。両者は、超人間的な秩序の信奉に基づく人間の規範と価値観の体系だからだ。仏教の法則と共産主義の法則はどちらも人間が定めた法ではないから、超人間的といえる。
    ・相対性理論も超人間的な法則の体系だが、人間の規範にはならないので、宗教とはいえない。
    ・カオス系には二種類ある。天気は一次のカオス系。無数の要素に左右されるが、私達は予測できる。歴史や市場は二次のカオス系。予測に反応して、人々が行動する。すると結果は変わる。正確に予想することは決してできない。
    ・私達は何故歴史を研究するのか。未来を予測すためではない。歴史研究は、私達の前には、ずっと多くの可能性があることを理解するために行われる。
    ・歴史は人類の利益のために選択されている保証はない。歴史は個々の生き物の幸福には無頓着。一個人はあまりに無知で弱いため、歴史の流れに影響を与えて自分に有利になるようにすることはできない。
    ・歴史の持つ可能性の幅は非常に多く、可能性の多くは決して実現することはない。
    ・近代科学文化は自分の無知を受け入れるから、それまでの時代の文化よりも高速で発達した。
    ・核兵器があるから、旧来型の全面戦争は起きない。
    ・人々は戦争を想像できないほどに平和が広まった例はこれまで一度もなかった。
    ・国際関係が緊密になると、多くの国の独立性が弱まる。単独で戦争を仕掛ける公算が低下する。大半の国が戦争を起こさないのは、最早単独では国として成り立ち得ないからという単純な理由による。
    ・私達は今、グローバルな帝国の形成を目にしている。これまでの帝国と同じく、個の帝国もまた、領域内における平和を強化する。そして、その領域は全世界に及ぶから、世界帝国は、実質的に世界平和を推進することになる。
    ・幸福が外部の条件と無関係なのは、ブッダも現代生物学もニューエイジ運動も意見一致。ブッダの洞察でより重要なのは、真の幸福とは私達の内なる感情とも無関係であるということ。自分の感情に重きを置くほど、私達はそうした感情を一層強く渇愛するようになり、苦しみもマス。ブッダは外部の成果の追求のみならず、内なる感情の追求もやめるよう諭した。
    ・主観的厚生を研究する質問表では、幸福は主観的感情と同一視され、幸せの追求は特定の感情の追求とみなされる。対照的に、仏教をはじめとする伝統的な哲学と宗教では、幸せのへのカギは真の自分を知る、すなわち自分が本当は何者なのか、あるいは何であるのかを理解することだとされる。(これは文学の仕事でもある)
    ・感情は自分自身とは別物。特定の感情を追い求めても、不幸に囚われるだけ。
    ・過去の出来事が、他の生物種や個々のサピエンスの幸せや苦しみにどのような影響を与えたかについては、これまでほとんど研究されてこなかった。

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プロフィール

イスラエル人歴史学者。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して博士号を取得し、現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えている。オンライン上での無料講義も行ない、多くの受講者を獲得している。

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