地方創生大全 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • ものすごくリアルな地方創生の問題点と解決策が書かれていて、非常に参考になりました。

    全くそのとおり!と思っていることと、実際にやってきた人の見てきた自分が知らなかったリアルな課題が積み込まれた参考書。
    パンチが効いて、ハッとすることも多く耳が痛い時も。

    人口問題は昔から減っても増えても問題だと騒いでいた歴史があったのですね…。
    昔は6000万人がベストと考えられていたという事実があったりしたこと考えたら、今減ってもちょうどいいのかも。
    高齢化の課題は残りますが。

    特に地方創生関係者は特に自治体、官公庁の人に読んでもらいたい。

    税金をつぎ込んで、謎のコンサルに金を払ってる場合ではないだろう。

    結局は、地元民がどれだけ頑張れるかにかかるなと思いましたが、地域外からどう支援、協力ができるか?
    よく考えたいところです。

    場所は違えど、我々の税金がつぎ込まれてますからね!

    無責任な100人より行動する1人の覚悟の話、膝を打ちます。

    補助金の問題もごもっとも。

    あまりに素晴らしい内容だったので、著者の他の本も読んでますが、これも実用的で目から鱗のビジネス書になってます。

  • 拾い読みしやすい。
    ・過去に問題があった進め方に新たな名前をつけて再度実行してしまう。・・よくある。
    ・地方移住に関するメディアの報じ方も異常。・・そのとおり。理想すぎて、実態はこれっぽっちも影響を与えるような人数でないのに。
    ・道の駅も一見すれば地域のためになっているように見えるが、その多くは初期投資も回収できず、運営にも税金が使われる赤字経営ばかり。・・二ツ井の道の駅が代表格でないか。大丈夫か、何年持つかな。
    ・人口を増加させるというのは、それだけの人を食べさせられる産業をつくるという話であり、地元で強くしていく産業があって、その産業に適合できる人材を集めるという発想が自然。
    ・経済効果はプラス面だけしか見ていない。マイナス効果が必ずあるのに無視しているので、真に受けると馬鹿を見る。
    ・特産品開発のワナ。①商品、補助金が必要なほど資本力がないにもかかわらず競合の多い人気商品市場に参入していないか。②原材料、地域資源だからといって地元にある原材料から考えていないか。③加工技術、技術頼みで果たしてそれは価格に転嫁することが可能なのか。④販売価格、経費を積み上げた結果、高価格になっただけというのは作り手の勝手な都合であって、売ってくれる側や買う消費者にとっては受け入れられない。
    ・ブランド化より重要な付加価値(自分たちの売り方、作り方に変化を付ける)向上策。①皆が売っていない時に売る。②店の特定メニューに合わせて作物を作る。
    ・地元の歴史や昔話をもとにした観光事業ではだめ。未来に向けて地域の変化を感じ取り、絞り込みをし、従来とは全く異なる優位性をもたらすものを見つける。
    ・施設を建ててから解体するまでのライフサイクル全体のコストは建設費の4〜5倍はかかる。
    ・積小偉大(せきしょういだい)小さく積み上げ、売り上げの成長とともに投資規模を大きくしていく。
    ・地方消滅は地方がなくなるのでなく、地方自治体が今のままでは潰れるということ。人口に左右されない生産力を確保しなければならない。ロボットや人工知能、シェアリングエコノミーなどに。減少する人口を前提とした経済や社会の設定が必要。
    ・観光で重要なのは、観光客数でなく観光消費総額。10万人が1000円使うような観光でなく、1000人が10万円使う観光を目指すべき。
    ・重要なのは新幹線をつくることではなく、人が新幹線に乗ってやってくる「目的」をつくること。
    ・地方に必要なのは、一回しで終わらない、一度資金を入れたらそれをもとに、地域内経済を取り込んで回り続けるエンジン。
    ・地域活性化は政治・行政の仕事などと本気で思ってはいけない。手元にある資源で事業に取り組み利益を出して、さらに次の事業に投資し続けるというサイクルをつくるのが地域活性化の基本。補助金に頼るのはサイクルから外れている。
    ・地域を活性化させるのに必要なのは、客観的な助言(最たるものがコンサルトによる助言)でなく、問題解決のために知恵を出し、実行すること。

著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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