地方創生大全 [Kindle]

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  • 東洋経済新報社
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感想・レビュー・書評

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  • コンサルに頼まないで自分で考える。
    地域ブランドの7点セットでどこの地域も同じようなものになってしまうので注意する。

    (1)よく聞くウリ文句(日本一の◯◯)
    (2)いい加減な地域商材選定
    (3)何となく地域の名前を使ったブランド名
    (4)それっぽくデザインされたロゴ
    (5)きれいな写真を使った大型ポスター
    (6)中身のないスタイリッシュなWEBサイト
    (7)東京の一等地でのイベント

  • 地方創生がこんなに叫ばれているのになぜ地方は元気にならないのか、という疑問が解けた。
    民間で会社員として働いていたら少し驚いてしまうような自治体の実態も、よく聞いてみれば、会社にある組織の歪みとよく似ているのも興味深かった。
    結論、地方創生に必要なのはきちんと継続する覚悟をもったマネタイズであり、そのためには愚直なマーケティングの試行錯誤が不可欠だと教えてくれている

  • ・「地方創生≒ボランティア」みたいな違和感が払拭された
    ・地方ならではみたいな綺麗事ではなく、まずはちゃんと稼ぐ。お金が落ちなきゃ地方も人も元気にならない
    ・そして自分自身も口を出すだけの人にならず、小さくてもいいから行動しようとあらためて決心した

  • ビジネスの現場でも、いまならDXの現場でも同じ。当事者でないと(あるいは当事者感を持てないと)自発的な行動とその継続が難しい。また、自分(市民・社員)たちが本当に使いたいものになるかどうかにもかかってくる。外注先に丸投げして出来上がったものが数年後には使用されていない、さらに地方創生に関して言えば使用されていないものの救済にさらに税金を投入しているという残念な例が散見されるとのこと。自分の自治体はどうなんだろう?と気になって調べてみることになる一冊。
    行政と予算の関係は個人と宝くじのお金の関係に似ている。使うことにしか頭が行かず、そのお金でどう継続的に利益を生み出すかを考えられる人は少ない(らしい)。

  • 自分もまだまだ机上で向き合ってる人間で耳が痛い部分もありましたがとても参考になりました。ノイズを取り払ったボトムアップなやり方で、利益が出続ける事業を創出することが重要だと分かりました。実際に現場でリスクをとって向き合うことを念頭に自分の向き合い方を改善したいと思いました。

  • ものすごくリアルな地方創生の問題点と解決策が書かれていて、非常に参考になりました。

    全くそのとおり!と思っていることと、実際にやってきた人の見てきた自分が知らなかったリアルな課題が積み込まれた参考書。
    パンチが効いて、ハッとすることも多く耳が痛い時も。

    人口問題は昔から減っても増えても問題だと騒いでいた歴史があったのですね…。
    昔は6000万人がベストと考えられていたという事実があったりしたこと考えたら、今減ってもちょうどいいのかも。
    高齢化の課題は残りますが。

    特に地方創生関係者は特に自治体、官公庁の人に読んでもらいたい。

    税金をつぎ込んで、謎のコンサルに金を払ってる場合ではないだろう。

    結局は、地元民がどれだけ頑張れるかにかかるなと思いましたが、地域外からどう支援、協力ができるか?
    よく考えたいところです。

    場所は違えど、我々の税金がつぎ込まれてますからね!

    無責任な100人より行動する1人の覚悟の話、膝を打ちます。

    補助金の問題もごもっとも。

    あまりに素晴らしい内容だったので、著者の他の本も読んでますが、これも実用的で目から鱗のビジネス書になってます。

  • ずっと前に買ってはいたのですが、ようやく読みました。感想としては
    ・著者はめっちゃビジネスマン
    ・内容については感じているものがほとんどだけど、ものすごく整理されていて自分の頭の中が整理された。
    ・2016年にこんな本がでているのに、なぜ今も同じようなことが繰り返されているのだろう。

    でした。
    自分は行政に関わったことはないですが、国予算のプロジェクトに関わった時に感じたことがほぼ書いてあったので実感として理解できました。

    個人的にも(地方創生関係なく)、私自身もっとビジネスに対する意識を上げていくことが必要だということもあらためて感じました。

  • 拾い読みしやすい。
    ・過去に問題があった進め方に新たな名前をつけて再度実行してしまう。・・よくある。
    ・地方移住に関するメディアの報じ方も異常。・・そのとおり。理想すぎて、実態はこれっぽっちも影響を与えるような人数でないのに。
    ・道の駅も一見すれば地域のためになっているように見えるが、その多くは初期投資も回収できず、運営にも税金が使われる赤字経営ばかり。・・二ツ井の道の駅が代表格でないか。大丈夫か、何年持つかな。
    ・人口を増加させるというのは、それだけの人を食べさせられる産業をつくるという話であり、地元で強くしていく産業があって、その産業に適合できる人材を集めるという発想が自然。
    ・経済効果はプラス面だけしか見ていない。マイナス効果が必ずあるのに無視しているので、真に受けると馬鹿を見る。
    ・特産品開発のワナ。①商品、補助金が必要なほど資本力がないにもかかわらず競合の多い人気商品市場に参入していないか。②原材料、地域資源だからといって地元にある原材料から考えていないか。③加工技術、技術頼みで果たしてそれは価格に転嫁することが可能なのか。④販売価格、経費を積み上げた結果、高価格になっただけというのは作り手の勝手な都合であって、売ってくれる側や買う消費者にとっては受け入れられない。
    ・ブランド化より重要な付加価値(自分たちの売り方、作り方に変化を付ける)向上策。①皆が売っていない時に売る。②店の特定メニューに合わせて作物を作る。
    ・地元の歴史や昔話をもとにした観光事業ではだめ。未来に向けて地域の変化を感じ取り、絞り込みをし、従来とは全く異なる優位性をもたらすものを見つける。
    ・施設を建ててから解体するまでのライフサイクル全体のコストは建設費の4〜5倍はかかる。
    ・積小偉大(せきしょういだい)小さく積み上げ、売り上げの成長とともに投資規模を大きくしていく。
    ・地方消滅は地方がなくなるのでなく、地方自治体が今のままでは潰れるということ。人口に左右されない生産力を確保しなければならない。ロボットや人工知能、シェアリングエコノミーなどに。減少する人口を前提とした経済や社会の設定が必要。
    ・観光で重要なのは、観光客数でなく観光消費総額。10万人が1000円使うような観光でなく、1000人が10万円使う観光を目指すべき。
    ・重要なのは新幹線をつくることではなく、人が新幹線に乗ってやってくる「目的」をつくること。
    ・地方に必要なのは、一回しで終わらない、一度資金を入れたらそれをもとに、地域内経済を取り込んで回り続けるエンジン。
    ・地域活性化は政治・行政の仕事などと本気で思ってはいけない。手元にある資源で事業に取り組み利益を出して、さらに次の事業に投資し続けるというサイクルをつくるのが地域活性化の基本。補助金に頼るのはサイクルから外れている。
    ・地域を活性化させるのに必要なのは、客観的な助言(最たるものがコンサルトによる助言)でなく、問題解決のために知恵を出し、実行すること。

  • 地方再生の実情について、飾らない最前線の現場の実情がよくまとまっていた。
    わかる、そうなんだよ、と頷き、納得する部分が多い。
    けれど、本書を読んで行動できるか、というとなかなか難しい。
    地方創生は、誰も思い浮かばなかった素晴らしいアイディアでなくてもいい。一手で現状が変えられるアイディアでなくてもいい。失敗してもいい。
    小さな失敗を何度もし、試行錯誤し、少しずつ地方に儲かる仕組みを導入する必要があるのだと、納得させられる。

  • ふむ

  • 地方創生のためには行政の補助金依存ではなく、稼ぐ民間が必要という話。
    行政関係者には耳が痛いと思う。
    限られた人的リソースで何ができるか、それを考えることができれば地方は依存を減らせるが、そういったマインドを持ち行動変容できる人材がいない場合はどうしたらいいのか。

    •メモ
    現場は誤った目標達成を強いられ疲弊する。
    これはケニアの事業の指摘にも通じて、耳が痛い。
    そもそもの目標や計画に固執せず、変化させる柔軟性が必要だということを、見に染みて感じた。
    また組織が計画を変更しない場合は、文句を言わず、まず現場が動いてみる。そうやって成果を蓄積すれば人が納得してくれる。
    日本の地方創生の問題点ー行政が頑張れば頑張るほど、民間が行政に依存する。

  • 「地方創生」を今年のテーマとし、年始一冊目に選んだのがこちら。 やはり現場の声は辛辣だが、これが実態。また、ムラ社会での実例は、企業の新規事業に共通する点が多々ありました。 “失敗が共有されない、小さくても利益に拘る、完全な合意形成より始めてみて成果で示す。“ 目を覚まされられるに十分でした。

  • 実践と発信の両輪による説得力。
    人口問題を厳密に分類、目的に応じた対策を検討。
    根本を突き詰める姿勢。

    ◯見せかけの成功事例か否かを見破るポイント
    ( 1 )初期投資が交付金 ・補助金のような財政中心ではなく 、投資 ・融資を活用しているか
    ( 2 )取り組みの中核事業が 、商品やサ ービスを通じて売上を立て 、黒字決算となっているか
    ( 3 )始まってから 5年以上 、継続的に成果を出せているか
    ( 4 )トップがきれいなスト ーリ ーだけでなく 、数字について語っているか
    ( 5 )現地に行ってみて 1日定点観測して 、自分の実感としても変化を感じるか

    ◯人口減少は結果であって 、原因ではありません 。そもそもなぜ人口が減ったのかを考えないと 、問題は解決しません 。

    ◯一連の 「地方消滅 」の議論では 、 3つの議論が混在しています 。ひとつ目は 「地方という存在そのものの衰退 」 、 2つ目は 「地方自治体の経営破綻 」 、 3つ目は 「国単位での少子化 」です 。

    ・パークマネジメント、公共空間の利活用のための制度設計・整備

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  • 良書。

  • どうもこんばんは、ゆるキャラやプレミアム商品券を目にすると「どこにそんなカネあんだよ、じゃあ住民税下げろや」と思い、ふるさと納税するごとに「こんなことで区は僕に今まで通りのサービスを提供してくれるのだろうか」と思う僕です。要はきちんと民間というか、スタートアップの視点でやるんです、諦めんな、という木下さんの持論が展開される本。タイトルは連載時の「失敗事例集「墓標シリーズ」」の方が挑発的で好きです。

  • 地域活性化についての本ですが、民間企業にも活用できる内容でした。

    「地域活性化も経営である」という大前提が抜け落ちているものが大多数であり、ゆるキャラ、B級グルメなど、税金をつぎ込んでやるべきではない名ばかりの経済政策を紹介している。反対に、成功事例も紹介されており、とても分かりやすく納得できる内容です。

    課題を解決するため、問題を洗い出し、解決策を実行し、失敗から学び、改善を続ける。企業では当たり前ことが、地域活性化ではおこなわれていない。根本原因は資金を出す人と運営する人が異なり、責任が明確になっていないことなんですね。

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著者プロフィール

木下斉
1982年生まれ。高校在学時からまちづくり事業に取り組み、00年に全国商店街による共同出資会社を設立、同年「IT革命」で新語流行語大賞を受賞。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業、一橋大学大学院商学研究科修士課程修了。08年に設立した熊本城東マネジメント株式会社をはじめ全国各地のまちづくり会社役員を兼務し、09年には全国各地の事業型まちづくり組織の連携と政策提言を行うために一般社団法人エリア・イノベーション・アライアンスを設立。15年から都市経営プロフェッショナルスクールを東北芸術工科大学、公民連携事業機構等と設立し、既に350名を超える卒業生を輩出。20年には北海道の新時代に向けた「えぞ財団」を仲間と共に発足している。また内閣府地域活性化伝道師等の政府アドバイザーも務める。著書『稼ぐまちが地方を変える』『凡人のための地域再生入門』『地方創生大全』等多数。

「2021年 『まちづくり幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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