ジェリーフィッシュは凍らない [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
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感想・レビュー・書評

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  • ジェリーフィッシュ(小型飛行船)というクローズドサークルの中で殺人が起き、不時着する雪山が更なるクローズドサークル…。何者かが殺された少女の復讐を果たしている。一体誰が、どうやって殺人を行ったのか…。読み始めると続きが気になって、頁を捲る手が止まらない。とてもおもしろい作品。

    ただ、どうしても気になる点が一つ。研究者の卵であるならば、多くの失敗や成功が綴られた努力の結晶である「実験ノートの原本を人に贈る」ことは流石にありえないのではないだろうか。犯人はこのノートが手元にあることで、レベッカの死に疑いを抱き、彼女の研究成果を乗っ取り彼女を殺した研究者達への復讐を誓う。ので、かなり重要なアイテムで、犯人の手元にノートがあることが必要だったのは理解できるのだけれど…。犯人の犯行動機を示す重要な場面で、かなり強い違和感を感じてしまった為、☆-1しています。

  • 過去・警察・飛行船内の視点が交互にストーリーを紡ぐ。
    雪山に遭難した試験飛行船から他殺6名が発見。
    犯人は搭乗メンバーなのか?外部へ逃げたのか? 謎が深まり早く続きが読みたくなった。



    実は飛行船は2つ。犯人は搭乗メンバーの1人だが遺体と入れ替わり2艇目で逃走。
    試験飛行の裏目的は他国への亡命だったが、犯人はその計画を利用し、かつて搭乗メンバー達に殺された少女の復讐を実行。

  • ジェリーフィッシュ。航空界で画期的な発明とされた飛行船。
    そんな飛行船が普及して数年経過したアメリカと思われる国を舞台にしたミステリ。
    (土地についてはすべて頭文字表記)

    犯人の独白。
    ジェリーフィッシュの発明者及び開発メンバーの航空試験の場。
    事件後、事件の謎を追う刑事たち。
    それらをうまく織り交ぜながら事件を展開していく物語なんだけど、
    とても読みやすくて次に何が起こるのかと頁をめくってしまう。
    それぞれの立場を利用してちょっとネタバレを混ぜているのもいい。

    犯人はちょっと運が良すぎるのでは?と思う部分もあるけれど、
    完全犯罪(またはそれに近いもの)ってきっとそんなもんだよね。
    その運をどう活かすのかもまた犯人次第ってことで。

    設定自体は空想上のものだけど、決して現実離れしているわけでもないし、
    最後まで読んでストンと納得できたな。
    できれば、刑事さんが真相に辿り着いた部分をもう少し詳細に描いて
    欲しかったかな。(途中まではしっかり描写なのに、最後はひとっ飛び…)

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著者プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。東京大学卒。2016年『ジェリーフィッシュは凍らない』で、第26回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。他の著書に『ブルーローズは眠らない』、『グラスバードは還らない』(以上東京創元社)、『神とさざなみの密室』(新潮社)など。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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