殺人犯はそこにいる―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件―(新潮文庫) [Kindle]

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  • 盛岡の書店で文字だらけのカバーに隠された500ページ程の文庫本が平積みされ話題になった。
    「申し訳ありません。僕はこの本をどう勧めたらいいか分かりませんでした。どうやったら『面白い』『魅力的だ』と思ってもらえるのか、思いつきませんでした。だからこうして、タイトルを隠して売ることに決めました」

    そして、12月21日付の日経朝刊広告で文庫Xは「殺人犯はここにいる」ということを知った(本当は、それ以前に告知があったのかもしれないが、個人的に知ったのは、この広告で)。Kindleでも売られているので早速購入。一気読みしてしまった。

    著者の清水潔さんは日本テレビ記者で元focusのカメラマン。群馬県と栃木県県境で起きた連続幼女誘拐殺人事件を取材するうちに、すでに無期懲役が確定している「足利事件」に疑問を抱き始める。その疑惑をだんだんと濃くしてゆく取材過程は非常にスリリング。 ノンフィクション故のリアリティがあり、ミステリー小説より断然面白い。

    しかし、本書で戦慄を覚えたのは冤罪の怖さだ。
    「足利事件」はDNA型再検査が初めて行われた事件。再検査の結果、管家さんは釈放される。そして、清水さんは自ら特定した真犯人と思しき人物にインタビューを行い、その結果、確信を強くしている。なぜ、警察は真犯人を追わないのか?本書は、真犯人を捕まえると警察のとんでもない不祥事が明らかになる可能性を指摘する。そして、DNA型鑑定が有力な1証拠となりすでに死刑が執行されてしまった「飯塚事件」の足利事件との関係を読んでいたら、背筋が寒くなった。

    「ピューリッツァー賞に選ばれてもおかしくはない」というのは褒めすぎと思うが、読み始めるとやめられない本。読んで損はない★★★★。

  • アマゾンプライムのパクリ疑惑で気になったので読んでみた。
    いやー、プライムのドラマとほとんど展開が同じなのに驚いた。

    警察・検察の腐敗状況には恐れ入る。
    無実の人が監獄に収監されていたのに、真犯人が野放しになって時効を迎えているなんて。。。。

  • 筆者が刑事やれよ。職業間違えたんじゃねーかと思うぐらい。
    片側からの発信であることを考慮しても、警察側のあやしさ満点。
    話も無駄なくドンドン進み飽きることなく読める。小説ではないと言いながら、黒いファイル、握手の違和感、鑑定の型などちょいちょい先が気になるような仕掛けがあるのもいい。
    あとがきで衝撃。
    執念の調査な理由もわかる。

  • 文庫Xとして発売されていた時からずっと読みたいと思っていた本で、やっと読むことができた。続きが気になってほぼ一気読みしてしまった。
    まるで小説のような話だが、全て現実に起こっていることであり恐怖を感じた。

  • ○引用
    あのとき私は、警察が自己防衛のためにどれほど嘘をつくのかということを知った。警察から流される危うげな情報にマスコミがいかに操作されるか、その現実を思い知った。そうやって司法とマスコミが作り上げた壁は、ものすごく厚く、堅い。一介の記者など本当に無力だ。その片鱗を伝えるためだけに、私はあの時、本を一冊書く羽目になったのだ。

    100調べて10を書け。10しかわからなければ1しか書くな。

    無実と無罪は違う。無罪は、ある犯罪に対して、裁判所がその人に罪がないと認定したことを指すに過ぎない。無実は、その犯罪にまったく関わっていないということだ。

  • 「河岸で瀬踏みを続けていても、川など永久に渡れるか。」

    衝撃的な内容だった。
    著者の丁寧な調査には驚いた。

    一度死刑が執行されると、その命は戻らない。冤罪の場合でも。

  • ジャーナリストとは?に答える一冊。報道されるべきニュースが届かない時、どうしたら手繰り寄せられるのか。情報がどこから発信されているのか、普段意識が低くなっていることに改めて気づかされます。

  • 「文庫X」の中身。この本をきっかけに死刑制度について考えが変わった。これまでは、目には目をと単純に賛成よりだった。が、死刑にしてしまったら、その後に化学や法律が変化しても修正できない、修正どころか過去を隠蔽のために新たなる不正を重ねる可能性がある。死刑が執行されていなければ、まだ少しは、修正される希望が持てる。
    事件に対する筆者の怒りのなかで、本質をとらえるものの見方、解決のための優先手順のたて方、に感心しきり。今後の人生に参考としたい。

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