興味深く読みました。
内容としてはBLの輪廻転生モノです。
古代エジプト時代を起点として、烈しく愛し合いながらも残酷な宿命によって引き裂かれた悲運の恋人たちの物語が紡がれます。
彼らが流れる時代と共に幾度も転生を繰り返し、その時代時代で巡り会い恋に落ちるも、やはり悲劇的な末路に終わるーというもの。
その時代ごとの恋模様を一話形式として、それぞれ別の作家が描いているところも見所です。
実は、第一話の古代エジプト譚よりは二話の古代中国譚の方が私はより惹かれました。
失いかけて初めて知る愛する人の存在の重み、大切さを主人公が知った時、残酷にも繰り返す悲劇の宿命が彼の生命を奪い去り、愛する男から引き離しました。
第一話では受け側が自ら入水して生命を絶つという終わり方でしたが、二話のラストは(生まれ変わった)受けが偶発(決まり切った運命なので、偶然といえるかどうかは判らないが)的な事故で無残に生命を落とすというものでした。
しかも、ラストは彼の死を明確には描ききっておらず、暗示させるところで終わっており、余韻を残した終わり方のところも良かったです。
絶望して自ら死を選ぶよりは、愛する人のために懸命に生きようとしても、生きることが果たせなかった二番目の受けの方が生き方的には好感が持てます。
ーもう、出生も名声も要らない。ただ、お前の側にいたいんだ。
ラストの死にゆこうとしている受けの呟きが心に迫ります。
かなり良かったので、引き続き二巻も読むつもりです。