- Amazon.co.jp ・電子書籍 (264ページ)
感想・レビュー・書評
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京都を舞台にした、不思議な話4つが入っている。きつねの話というよりは、きつねに化かされているような話ばかり。きつねの面や不思議なケモノ、骨董屋の芳蓮堂など共通して登場するモチーフもあるが、それぞれの話は独立していている。京都という土地には、こういうことがあるのかもしれないと、なぜか納得してしまう、そういう本だった。ホラーっぽいけど、読後感は悪くないのでおすすめ。
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年末年始で一息に読み終えました。どろどろとした、得体の知れない重い空気に絡めとられていく感覚を味わう。とても好みでした。
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へこんでるときに忘れたくて読んだら、この本の内容のじりじり迫りくる怖さにのみこまれた。現実は忘れたけど、ちがう、そうじゃない感。
短編同士をさりげなく大胆に(?)繋げていく感じがザ・森見登美彦!!って感じがして好きです。
あと、人が何に気持ち悪く感じるかわかってて書いてますよねえ!?!?ってなりながら読んでました。『夜行』でも思ったけど、掌で転がされて困っちゃうわ。でも好きです。だから好きです。笑
4つの短編の中でも、『魔』の表現がすごく印象的で圧倒的だった(当社比)。
ー「夕立が近づいてくる気配を私は好んだ。黒雲が大きな獣のように夏空を走って、乾いた街路が沈んでゆくように翳ると、果実のような甘い匂いがあたりを満たす。最初の一滴はまだ落ちない。そんなときに街中を歩いていると、わくわくと身体が震えるような気がした。」
この書き出しに震えた。好きです。怖かったです。