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感想・レビュー・書評
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西洋編に続きこちらも数ある哲学入門書の中では今のところ最強でしょうかw
ウパニシャッドから禅思想まで枝葉末節を極力省き東洋哲学の到達点、とりわけ「悟り」の手前まで示してくれています。
両方併せ読むと西洋哲学の到達点と東洋哲学の到達点が似通っているのがとても興味深いですね。ここからさらに頭でっかちから「悟り」へ、西洋哲学の限界を超えるため仏門に入るのもよし?w
怪しげな新興宗教にハマるぐらいなら、その前にぜひ読んでほしい一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ーー本書を「哲学の入門書」と言って良いのだろうか?
インドを出発点として、中国、日本と東に向かって伝来し、哲学とも宗教とも政治学とも呼べる「混ぜこぜの思想」に洗練され継承されていく歴史を一冊にまとめた意欲作。飲茶さんの前作「西洋の哲人たち(こちらの方が漫画「刃牙」の闘う男たちの世界観が強い)」より心に深く響いた。
個人的には日頃から仏教の考え方に共感しているので関連書籍(「#0400Rb.仏教」でタグ付けしてる)をよく手に取るし、毎日心の健康のために10分程度の瞑想もする。でも読む度に”なるほど!”の背中にもっと深い”モヤモヤ”が広がるのを感じてきた。毎年正月には親や兄妹と一緒に先祖のお墓がある寺に年始挨拶をしに行って住職の説法を聞かされるのだが、そこで積もり積もってたモヤモヤがいつも爆発する。何なんだ、この茶番は!と。時々テレビで放送される禅寺のドキュメンタリーや高僧のインタビューにも同じ印象を持つ。それは、浅い表面をなでるようなやさしい言葉ばかりで、PoPミュージックとさして変わらない。
でも本書で、歴史を通じて特に仏教が果たしてきた役割や、時代の為政者(日本では徳川幕府)の仏教政策が解説されており、ついにこのバカバカしさの正体を理解することができた。
つまるところ「嘘も方便」ということだ。
言葉で相手の頭の中にクオリアを発現させることができないし、またそれをこちらで感知することもできない。だから相手を観察してその時々(TPOだけでなくローカル性や時代性など含めたコンテキスト)に合わせた最適な言葉で表現しているということ。そこに嘘があっても良い、というか嘘を混ぜることでしか表現できないということ。だからどの仏教僧も「パッと見、優しい詐欺師」であったり「昔気質の職人(ワシの背中から技を盗め!みたいな)」に見えていたのだ。彼らもそれを知りつつ、あえて演じていたからと知った。これまで読んだ仏教関連本で最も生日が多い本だった。 -
おもしろかったです。釈迦や龍樹、孔子、親鸞、栄西などあまり哲学者というイメージはなかったですが、見方が変わるきっかけになりそうです。老子が一番意外でした。高校時代に読んでいれば、中国史をもっと理解できたかもしれません。
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西洋編から続けて読了。
理論を積み上げて世界を説明し、その要素として自己の探求へとたどり着いた西洋哲学と異なり、内面への問いかけから自己と世界の在り方を見出だす仏教思想の難解さを知ることのできた一冊。
東洋の哲人たちと題されており、インド哲学、中国哲学、日本哲学と章立てされているものの、その実仏教が老荘思想を経由して日本に伝来し、禅という流派の一定の完成を見るまでの過程の解説が主。
ただ、中国哲学だけは孔子~韓非子で諸子百家と中華思想の成り立ちの話になっており、少し毛色が違った。各王朝でどのような思想が尊ばれたなどを垣間見ることができたものの、文脈としては不思議だなと思ったり。
前著と合わせて、はじめの一歩として読むには取っつきやすい本だった。
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「史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち」(飲茶)を読んだ。
たまらなく面白い。
昔からの僕の憧れは、十牛図でいうところの第七図「忘牛存人」状態。嗚呼、あそこに辿り着きたい。
この本で衝撃的だったのが、『二一世紀を代表する偉大な哲学者である江頭2:50は、(後略)』(本文より)って⁉︎ -
東洋の思想家や哲学者をまとめた本。
一冊目は西洋で今回は東洋。
西洋以上にありそうで無かった本。
西洋のときもそう思ったけど、東洋の思想家をこれだけわかりやすくまとめる著者の力量はすごいな。。
インド ⇒ 中国 ⇒ 日本という章で進んでいくが、インドで生まれたウパニシャッド哲学が釈迦・龍樹を経て、中国で老子・荘子と融合し、最後に禅として完結する、という流れが素晴らしくて美しい。
漫画「キングダム」に登場する法家の李斯(りし)も登場する。
あとは孫子を登場させて欲しかった。けど、「悟り」という軸で話を進めるならば、孫子は必要ないもんね・・残念。
西洋と東洋の哲学者達を薄く広く眺めて、とりあえず哲学を学ぶスタート地点には立った。あとは、興味ある人物の個々の本を読んでいこうと思う。 -
前作の西洋哲学を紹介した「史上最強の哲学入門」が分かりやすくかつ面白かったので本書も購入しました。
結果から言うと、こちらも当たりでした。迷信的で脱俗的なイメージのある東洋哲学が著者の優れた洞察で初心者にも分かるように例え豊かに説明されています。
本書で学んだことを言葉で表現すると、東洋哲学のゴール(悟りの境地)とは「自己はない」「境界はない」と体験する(悟る)ことにあると言えそうです。しかし、本書でも知識として分かっているということと、実感として分かっている(悟りを得ている)ことは違うと書かれています。言葉で西洋哲学が分かった!と言っても何の意味もないのでしょう。
例題として書かれているチャーマーズの提示問題で価値観が変わるほどの衝撃を受けました。是非一度この体験を味わってみて欲しいです。 -
圧倒的にわかりやすく東洋哲学史を学べる良書。
難解な言葉が一切使われておらず、わかりやすいように例えが随所で使われていて読みやすい。
そもそも東洋哲学を理解することは不可能であると断じた上での解説なので、無理に思想を押し付けたりせず、「例えるとこういう感じ」で解説してくれるため、専門家でもない限り必要十分な知識が得られる。 -
何回も読みたい。面白い。哲学にハマった。
「確かにそれ気になる」という疑問を提示してくれて、それを説明してくれる、気持ちの良い論理展開。文献読んでも恐らく理解できないだろうから、こんなわかりやすく説明してもらえるのはありがたい。
内面、世界のとらえ方を何度も反芻してみる。言葉で考えてる時点でダメだからデタラメナ音で考えようとか、、、
悟ると喜びはどのように感じられるのだろうか?
あ~悟りたい、、 あ、これもだめか! -
Audibleにて。
・宗教の戒律は東洋哲学における体験を通じたわかる(悟る)を引き起こすための、方便(それ自体に意味があるわけではない)
・突然叫ぶ、突然泣くといった奇行が禅のエピソードとして多くあるのは、それによって弟子たちの思考を無理矢理停止し、悟るきっかけを与えるため
・完全に矛盾したなぞなぞを解かせることも、思考をオーバーヒートさせ、思考のループから逃れるきっかけを与えるため
・考えることで悟りに至ろうとするのは、なんでもガンダムで例えて理解する人が、ガンダムで例えることの限界をガンダムで例えようとしていることと等しい