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- / ISBN・EAN: 4907953069930
感想・レビュー・書評
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地球に降り立った宇宙人の目を通して「宗教問題」を考えるという、一見荒唐無稽な設定なのだけど、笑いながらも深ーく考えさせられて、最後にはホロリとさせられた、「社会派」と「ラブ」が混じり合った、不思議だけど、とてもステキなコメディ作品。
地球に降り立った名前を持たない宇宙人。彼は辺りをさまよっている時に、宇宙船を呼ぶリモコンを、泥棒に奪われてしまう。あれがないと星に帰れない!と、彼はリモコンを求めて、大都会デリーを探しまわるけどなかなか見つからない。
道行く人々に訊ねると、「神様にお願いしろ」と言わる。
彼の星には、宗教というものはない。
わけがわからないまま、それでも藁にもすがる思いで、見様見真似で、まずは近くにあったヒンドゥー寺院の神に、それでも叶わないと、キリストの神に、イスラムの神に、仏教の神に、シク教の神に、ジャイナ教の神に…ありとあらゆる神様にお願いするのだけど…。
同じ頃のベルギー。インドから留学中の女学生のジャグー。彼女はふとしたことから、パキスタン人でイスラム教徒のサルファラーズと運命的な恋に落ちる。けれど、当然、インドの家族、特に、ヒンドゥーの皮を被った新興宗教に盲目的に傾倒している父は大反対。彼女は、意地になって彼と結婚しようとするけど、結婚式に彼は現れなくて…。
失恋の痛みを抱えたまま、インドのデリーに戻ったジャグーは、テレビ局で働いていた。ある日彼女は、「神様探しています」というヘンテコなチラシを巻く、黄色いヘルメットを被った男と遭遇する。テレビのネタになるかと、男に興味を持つ彼女。
彼は自分のことを宇宙人で、リモコンを取り戻すために神様を探していると言い出して…。
宇宙人の神様探し(リモコン探し)、という、なんとも奇抜な設定なのに、そんなの気にならなくなるぐらい、個々人の心の拠り所という良い面だけではなく、人の不安や恐怖心に漬け込んでお金を巻き上げたり、違う宗教で憎み合い・傷つけあう、というような、負の面が確かにある、宗教の持つ危うさや曖昧さを鋭く突いていて、色々と考えさせられたり、はっとさせられたりします。
それなのに、決して暗い気持ちにならないのは、いかにもインド映画らしい、明るい音楽や踊り、そして、「地球知らず」のぶっ飛んでいるけど純粋な宇宙人を巧みに演じた、アーミル・カーンのコミカルな演技と、相手役のジャグーを演じたアヌーシュカ・シャルマのキュートな魅力のおかげでしょうか。
ラストはインド映画らしく、出来すぎているくらいの大団円なのだけど、宇宙人くんにはちょっとかわいそうで、でも、その優しい気持ちが胸に染みて、しんみり…。
考えさせられると同時に、なんだかすごく元気になれる映画なので、おススメ。
「神様は色々ある。それぞれに規則が違う。別々の会社を営んでいて、それを『宗教』と呼ぶ。会社には代理人がいる。地球人は皆どこかの宗教に属している。その宗教の神様だけを信じてるんだ。
僕はどの宗教の所属なんだろう。まず僕の神様を知らないと。
…自分の宗教がわからない。
残る方法は一つだけ。すべての神様に祈ろう。
…どれがいいのか悪いのか全然わからない。」
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これぞマサラムービーだ!
コミカルに進んでいくんだけど、PKの純粋さに入り込んじゃってもうボロッボロ泣いたよ・・・
「きっと、うまくいく」と同じ監督ですが、明るさを保ったまま重いテーマ(インドの根幹に関わるような)を扱うのって並大抵の力量じゃないよなあ。 -
最高!面白かった。
インド好きなら序盤から笑いが止まらないこと請け合い。 -
「きつと、うまくいく」の監督と主演が再びタッグを組んで生まれたインドミュージカル映画。
今回はインド×SF×ミュージカル×ラブコメディ×宗教問題と盛りだくさんの2時間半。途中長いけど面白くて最後は伏線も回収してくれる。 -
知らなかったが、監督は、「Munna Bhai M.B.B.S.」、「いいぞそのままムンナー兄貴」 「3 idiots(邦題:きっと、いいことがある)」の監督だそうだ。
最初の「Munna Bhai M.B.B.S.」は、これをリメイクしたゴリマーことチランジーヴィ主演のテルグ語映画Shankar Dada MBBSを見たことがある。
これまで4作品しか撮っていないということなので、これで全作品を網羅することになる。偶然とはいえ、いやびっくり。
映画のほうは、なにもいうことはない。
アーミル・カーン主演のインド映画らしく、社会派的な要素を絡ませながら、てんこ盛りの2時間半(もうちょっと長くてもいいくらいだ)。
アヌーシュカ・シャルマーは口の大きい愛嬌のある美人。
相変わらず可愛い。
サンジャイ・ダットが渋い役で出ていますねえ。
この監督の定番の俳優。
最後の場面で、なんとあのRockstar が全裸で登場!