マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力 [Kindle]
- 英治出版 (2017年1月24日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (405ページ)
感想・レビュー・書評
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インナーワークライフ (個人的職務体験。感情、認識、モチベーションの相互作用) を向上させる、あるいは阻害する要因は何かを見つけ、どうしたら働きがいを感じさせることができるかという本。3つの業界、7つの企業を対象とし、社員に毎日日誌を書いてもらう。その日誌を分析することで、何が社員のインナーワークライフに影響を与えているかを分析する。
結論だけ言ってしまうと、インナーワークを高める最も重要な要素は小さな進捗を感じること。なのでマネージャーは進捗を意識させ、前に進んでいることを実感させなくてはいけない。聞くと当たり前のように感じるが、多くのマネジャーはこのことに気がついてない。何が部下のモチベーションを高めるために何をすべきかアンケートをとると、進捗は候補に挙がらない。選択式にし「進捗のサポート」を含めても、やはり人気がない。これよりも「評価」や「具体的なインセンティブ」それに「対人関係のサポート」などの方が人気だ。
しかし実際に社員の日誌を読むと、日々のインナーワークライフに影響を与えているのは進捗である。進捗していると感じれば高まり、逆に進捗を感じられなければインナーワークライフは低下する。従ってマネジャーは部下の進捗を管理するだけでなく、進捗を感じられるようにサポートしなくてはいけない。そうすることでチームのインナーワークライフは向上し、パフォーマンスも高まる。
面白いのは、インナーワークライフを知るための手段であるはずの日誌が、インナーワークライフの向上に貢献していた話である。調査では参加者たちに自分の精神状態と、1日の中で何が最も印象に残ったのかなどを日誌に書かせた。これが精神衛生上良かったと、参加者たちは語っている。忙しい日々の中で内省する時間がとれたと。やはり日誌はシンプルながら、精神を安定させる上で有効な方法らしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
テーマ:進捗
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マネージャー、管理職の大切な仕事とは、働いている仕事のインナーワークライフを充実させることにあるという。
インナーワークライフというのは、人間の認識、感情、モティベーションが織りなすダイナミックな相互作用というんだけどさ。つまり、自分がきちんと見られていて、評価されていて、何が求められいて、かつ、自分はそれに対して仕事ができてるという感覚が持てること、かな。その感覚をどうすれば充実させられるのかといえば、そこをきちんとみてあげて、ときに声をかけ、励まし、支えるのがマネージャーの仕事言うことなのだろう。
著述のもとになっているのは多くの会社の社員さんたちの日誌。そこでのネガティブ、ボジティブな感情も含めた記述から、働く人がいかに自分の行動や気持ちを言葉にしてふりかえることが大切であるか、感じられる。実際、そんなめんどくさいこと、よく長い期間にわたってできたなぁ、って思うけど、やった人はけっこう楽しかったのだそうな。
ダイヤモンドは強大な圧力をかけなければ生まれない=良い仕事は強い負荷、ネガティブな刺激のもとでなければできない、という見方がある。一方、ほんとうに大きな仕事をしたければ、それを心から愛さなければならない、という喜び、ポジティブな面に目を向ける考え方もある。本書では、さまざまな心理学実験や研究のもと、ポジティブな気持ちの方が、いい仕事ができるよ、と言っていた。そのあたりの流れは、けっこうほっとするものがあったな。
一読してこういう本だった、というほど一言で言える話ではないんだけど、あれこれ刺激があり、参考になった。 -
小さな進捗があることが、モチベーションまたはインナーワークライフの向上につながる。その小さな進捗を振り返るために効果的なのは、日誌をつけること。1日の終わりに、その日に起こったポジティブな出来事を振り返ると、長期的な幸福度が向上することは知られている(Seligman et al.)。本書ではインナーワークライフ(マネジャー、組織、チーム、仕事、自分自身に対する印象)という概念を導入して、私たちの気持ちがどのようにして仕事に向かっていくか、何がその気持ちを高め、何が沈めるのかを説明している。ある職場でサンプリングされた日誌の内容から、インナーワークライフがどんなときに高まったかが考察され、進捗の重要性が謳われる。
「よい仕事」や「高いパフォーマンス」は、創造性が高いことに加え、生産性が高いこと、メンバーがコミットしていること、メンバー間で高めあっていることなどの構成要素がかけ合わさって生み出される。日誌の考察から分かったのは「インナーワークライフがポジティブな状態のとき、人はより仕事自体に注意を払うようになり、よりチームのプロジェクトに深く関わるようになり、素晴らしい仕事をしようという目標を強く持つことが多い。インナーワークライフが悪い状態のとき、人は仕事から気が散り(主にインナーワークライフを阻害する要素が原因)、チームのプロジェクトに積極的に関わらず、定めていた目標へ到達する努力を放棄する」 -
日々の小さな進捗に着目することで、偉大な成果を得ることができるということも12000もの日報を分析することによって導きだした本。
何が人々のモチベーションを上げるのかその答えを着実な進捗に求めることができるとこの本は結論している。 具体的な日誌の記載から、この結論を導き出す過程も興味深かった。
日々の進捗が偉大な成果につながるという。何度か読み返してこの本の知見を自然使えるようになりたいと思う。 -
インナーワークライフ大事です。部下とのコミュニケーション頑張ろう
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勝間塾今週のサポメのテーマ図書。
ちゃんと読んだ方が良さそうなので購入。 -
オーディオブックで読了。
積ん読になってる電書版もちゃんと読もう。
最近マネジメント的な部分で悩むことが多く、大変参考になった。
空虚なマネジメント論に辟易としている人は本書を読むと目から鱗だと思う。
「日々の進捗」を大切にし、組織のインナーワークライフを如何に守り、
育てていくかをしっかり考えたい。