浄天眼謎とき異聞録 上 ~明治つれづれ推理(ミステリー)~ (マイナビ出版ファン文庫) [Kindle]
- マイナビ出版 (2016年12月21日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (199ページ)
感想・レビュー・書評
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ミステリーというよりも、身の回りで起こった出来事を解決していく感じの話なので、殺人だけではない。短編集のような感じだが、人間関係が少しずつ変化していくので面白い。
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タイトルで"謎とき"、"推理"と銘打っているためミステリーに分類はしたが、ミステリー好きとしてはこの本を「推理小説」または「ミステリー」とは呼びたくない。
物や人に触れると記憶が見える、いわゆるサイコメトリーの能力を持った男と、その男の雑用をこなす小間使いの青年の話。
これだけで察しの良い方はピンときたと思われるが、話の流れは事件が起きる→男の元に事件にまつわる物が持ち込まれる→能力使って解決。
オレの知ってる推理小説と違う。
推理してないじゃん。途中の計算式書かずにいきなり答えだけ書いた数学の問題みたいなもんじゃん。推理小説って"読者"に推理させるもんだろ。ミステリーにしたいならもうちょっと謎めかせてくれ。
他の部分もご都合主義で、小間使いの青年は主が能力を使うとしばらく寝込む上に殺人現場など凄惨な状況を見る羽目になることも知っているわけだが、気軽に「(サイコメトリーで)見てあげれば」と勧めてくる。鬼か。小間使いの青年は劇場支配人の跡取りでもあり、他人への気配りを求められる立場でもあるはずなのだが。
キャラクターの生い立ちや性格に合わせてキャラを動かしているわけではなく、作者の都合で動いているのだろう。 -
推理などとタイトルにあるが、事件はさっくり解決してしまい、あとは登場人物が恋愛にうつつぬかしている話。とてもミステリーとは呼べない。
本人が浄天眼を使うのを拒否しているのに、周りはそんなことお構い無しに「使ってくれ」と頼み込む。挙句の果てには、頑なに使うのを固辞すると逆ギレする始末。特別な力に頼りきりで考えることを放棄した人間vs特別な力を持った人間の構図だった。
読んでて気分のいいものではない。
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物や人を通して伝わる真実に気づけば読み終わってしまっていたくらい夢中になりました。個性豊かな登場人物や、一つ一つのお話に登場する物ものにも惹かれました。時代ミステリー…いいですねえ。