水鏡推理6 クロノスタシス (講談社文庫) [Kindle]

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  • 水鏡瑞希シリーズ第六弾。
    まず驚くのは、今回も前作からのスパンが2ヶ月しか空いていな
    いこと。このペースでリリースされたら今年中に余裕で10巻を
    超えることになる。すげぇな、松岡圭祐(^^;)。

    前作で「研究公正推進室」という短めの名称の部署(^^;)に異動
    と相成った主人公・水鏡瑞希さんが今回ターゲットにするのは
    なんと「過労死」。

    過労死や過労が原因の自殺を未然に防ぐため、過労のリスクを
    数値化して予防できる、という最新技術が研究公正推進室に提
    出された。総合職・官僚の須藤と共に最終評価報告書の作成を
    任された水鏡は、自殺した財務省の若手官僚にまつわる実例を
    徹底的に探ろうとする。ところがいろいろなところから圧力が
    かかってしまい・・・という内容。

    水鏡推理は1から6まで全てを読んできたが、今回のエピソーは
    これまででいちばん解りやすい。過労死は一般的な日本人にと
    って非常に身近なテーマであり、誰にでもそうなる可能性があ
    る。今作では専門用語が殆ど出てこないのだが、このテーマに
    はきっと必要が無かったのだと思う。小難しい技術を解った気
    になれる、というのがこの作品の魅力の一つだったのは間違い
    ないが、それを補ってあまりある緊迫感に包まれた意欲作。
    そして問題作でもある。

    僕らのわりと近くで実際に起こった「過労が原因の自殺」は、
    今も騒動が収まらないまま。アレに関しては本当は言いたいこ
    とが山のようにあるのだが、少なくともこの作品に登場する技
    術が稼働していれば、防げたことなのかもしれない。フィクシ
    ョンなのが本当に残念。

    意外すぎて絶句する程のラスト、それでも強引では無い腑に落
    ちる展開は、単なるミステリー作品として読んでもかなりの水
    準。シリーズ最高傑作、で良いと思います。

    手が早く、いつでも量産体制なのにもかかわらず、「質」が絶
    対おろそかになっていない松岡圭祐を心からリスペクト。でも、
    休めるときは休んでください。
    今後松岡作品が読めなくなっちゃったら大ごとなので。

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