老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路 (講談社現代新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 家の老朽化への対応の本かと思ったが、空き家問題・街の老朽化についての本だった。

    都心で生活する人には関係ないが、
    田舎で大家をしてる人には効果のある一冊。
    田舎を担う一人一人が、メイン機能を集約させメンテしやすくする維持コストを下げるて継続させるなどの記載がある。

    ただ、郊外に関して言えば住居が過剰になり実需の以上になるのは現代でもあり得る。
    郊外に家を買う際に、今後も開発されていく計画があるか自治体から認められた地域なのかの確認は必須である。郊外に買うなら駅近10分以内以外の選択肢は基本的にはないかな。

  • 人口減少社会の日本だが、住宅は供給過剰。
    有効な規制がないため、新しい住宅を建て続けている。
    結果、空き家は増加し続け、街の価値や治安が悪化する。
    新築の規制と、空き家対策の両方が必要。

    地方都市などでは、人口増加のために“規制緩和”をし、“再開発”を謳う。
    だが、無計画な開発は、将来的には人口減による税収減を招き、道路・水道等のインフラや、公共サービスの維持が困難になるという問題を生み出す。

    個人的な最大の関心事。
    高度経済成長期に作られた公共施設や住宅の問題。
    これらの建物はいっせいに老朽化・更新期を迎えている。これまで通りに維持・管理するのは、自治体の財政状況を考えるとほぼ不可能。
    将来的な負担にならないように、いかに「減らしていくか」という長期的な計画が求められる。

  • なんとなく不思議に感じていたのですが、よくわかっていなかったもの。その一つに、本書に挙げられています住宅問題がありました。空家問題はあるのに、なぜたくさんの住宅が新しく建てられているのか。その謎を、高度成長期の住宅政策が見直されていない問題。日本人の居住権の問題。そのうえに乗っかっている様々な企業の利権ともいえる複雑な仕組みの問題。それらを一つ一つ丁寧に解説されています。なるほどこういうことだったのかと分かる内容になっていると思います。住宅の問題を「量」「老い」「立地」の問題から整理し、それぞれの問題について、その原因と対策も明快に書かれていて勉強になりました。

  • 「入居者は偽物(さくら)かもしれない」

    家を買う予定なら絶対読んだ方がいい。
    サブリースが賃貸アパートの建設自体で利益を上げる仕組みは勉強になった。

  • あなたの住む街が、なぜ、”保育園落ちた日本死ね”って状況になっているかが本書を読むとわかるかも。住みやすい街づくりって難しい。『朽ちるインフラ』と併せて読みたい。

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。1996年、大阪大学大学院環境工学専攻修士課程修了後、ゼネコンにて開発計画業務等に従事。その後、東京大学大学院都市工学専攻博士課程に入学、2002年、博士号(工学)取得。東京大学先端科学技術研究センター特任助手、同大学大学院都市工学専攻非常勤講師を経て、2007年より東洋大学理工学部建築学科准教授。2015年より同教授。共著に『白熱講義 これからの日本に都市計画は必要ですか』(学芸出版社)、『都市計画とまちづくりがわかる本』(彰国社)がある。

「2016年 『老いる家 崩れる街 住宅過剰社会の末路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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