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感想・レビュー・書評
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グローバル化と技術革新が同時に進む世界で先進国に生きる、アメリカのミドルクラスの物語。
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大統領選の結果が出たときは、本当にショックだった。何がショックだったのかそのときはよくわからなかったのだけど、後から考えてみれば、一つは、「理想」というものの力が弱くなってしまったのではないかと感じたから。アメリカという国は、ある意味「きれいごと」ではあるんだけど、理想を掲げて発展してきたと思っていた。でも、この本を読めば、「アメリカン・ドリーム」はもはや過去のものであり、理想は人々を動かす力を失っていることがよくわかる。二番目は、僕がアメリカという国をぜんぜん理解していなかったことがよくわかったから。留学中(もう25年も前だ)は、南部に行ったり、ドライカウンティを旅行したり、それなりにあちこち回ったつもりだったけど、あくまで観光客として通り過ぎただけ。
著者は、新聞記者らしくよく取材している。「トラック運転手、喫茶店員、電気技師、元製鉄所作業員、道路作業員、溶接工、食肉 加工場作業員、ホテル客室清掃員、元国境警備兵、トレーラーハウス管理人、看護師、 建設作業員、元家電製造ラインの従業員、郵便配達人」。僕が、留学中も、仕事でも、ほとんど話をする機会のないような人たちだ。ここに書いてあることは、これもアメリカの一部でしかないのだろうけど、少なくとも僕の知らなかった(知らないふりをしていた)現実でもある。 -
トランプが大統領に選出されたあの大統領選の最中。背景で何が起こっていたのか。そこにはアメリカの負の部分、かつてのミドルクラスの街の衰退がありました。筆者は選挙戦の期間、その地域を取材し、地元の人々の話を聞いて回りました。そこで何が起こっているのか。その空気といったものを、肌身で感じられる文章で書かれています。取材対象者へのインタビューからは、彼らが何に悩み、なに故にトランプに賭けてみようと思い立ったのかが見えてきます。冷静に考えると、ただのわがままにも聞こえる彼らの不満。しかしそれが世の中を動かしてしまっている民主主義という仕組みの問題点。
人は、周囲と比べて良い悪いということよりも、過去や現在と比べて将来の状況が悪くなるということに危機を感じ動くということが、今回のポピュリズムを動かした要因であることを理解することができます。 -
自分に見えているアメリカと、そうでないアメリカの違いを実感した。また、トランプ支持者の言い分に深く納得する自分もいた。それが、裏付けのないことであっても、希望を託してしまう気持ちが強く伝わってくる。
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トランプ大統領の思考、トランプを大統領に選んだ米国民の思考が全くわからないので勉強のために購入。
米国民もトランプを手放しに支持しているのではない、しかし対抗馬(ヒラリー)との比較においては素晴らしく映るというのが、床屋のおじさんたちとの話など生活レベルから浮かび上がる。トランプの台頭を大統領選の早い段階から予想していた記者だからこそかける記事である。 -
トランプを支持した人たちへの取材。アメリカ中部のアパラチア山脈付近を取材。NYとかロサンゼルスでは見えてこないアメリカのミドルクラスの政治に対する不満・将来に対する不安が描かれている。
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トランプ当選の背景の一部がわかった気がする。自由貿易、不法移民による製造業近辺のミドルクラスが没落してきたことがポイントか。日本もあまり状況は変らず。
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「いまさら何をいっても失言にならないという究極のリスク管理があったと思う。」
トランプがなぜあれほどの支持を得たのか。
未来への期待が持てないからだろう。
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