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感想・レビュー・書評
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スプートニクのように人間っていうのは常に旅を続けて、その中で人と出会うというのは奇跡でそれは一瞬の出来事なのかなと思った。二度とすれ違うことは無いと思うと辛い。
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再読。文庫本にて。
空港とホテルで一気読み。
初回も読みやすかったけれど、2回目はそのつもりでいたからか、もっと入り込めたかも。
あちら側の世界、あるかもね。
あちら側の世界のワタシ、なにしているんだろう。 -
スプートニクという言葉について…
ロシア語で(衛星)という意味。
この本では「旅の連れ」と訳されていた。素敵。
村上春樹氏の本は生々しい表現の抵抗感が拭えず、敬遠してきたのだが一冊くらい読んでみようと思って手に取った。
主な登場人物は、ぼくとミュウとすみれの3人で完結しており、内容はミステリ要素を含んでいる。
前半の比喩表現と性描写をさらっと流し読みすると、楽しく読みやすくなる。
それぞれの人物の話がバラバラな時系列で進むので話が飛びやすく、今は誰の話をしているのか分からなくなるので注意が必要だった。
人間関係のすれ違いを惑星と惑星の距離に例えているがとても分かりやすく納得できる。 -
大学の授業で「村上春樹のテーマは『喪失』である」と教えられたことがある。「喪失」という言葉は20歳の私にとって難解すぎるが、社会人になって改めて村上春樹を読んだら少し分かってきた気がする。
先日、友達と蔦屋書店で素敵なランプを見かけた。「まるで人工衛星みたいだね」と友達が言った。そして「『人工衛星』という言葉を口にするのは何年ぶりかしら」と言った。
私たちは「人工衛星」について考えないような大人になってしまった。おそらく「人工衛星」とか、「孤独」とかは、資本主義にとって都合が悪い言葉だ。それもある種の「喪失」だろうか。 -
自分をリセットしたくて。
そういう時に、なんか、いいんですよね。
最近、恋人ができました。久しぶりにできました。
でも、一人が長すぎたからか、前の恋人とは週末しか会っていなかったからか、前の恋人のことが好きすぎたからか、
なんか違和感をぬぐえないまま、2か月が過ぎました。
やったー、恋人ができたー、とか、そういう浮かれた気持ちが、あんまり湧き上がってこないんですよ。わたし、恋人のことが好きなんだろうか。
正直まだわからないんです。わたし、恋人がいたことはあるのですが、友達から、徐々に距離を詰めていって、恋人になっていったことが多いので、そうじゃないパターンだと、戸惑うんですよ。
もう、誰かを好きになることなんて、ないんじゃないかと思っていて、それくらい前の恋人のことが好きで、別れてから何年も、「好きだった」と、過去形になってくれなくて、最近ようやく、そう言えるようになった。それまでは、その言葉を発しようとするだけで、涙が出てきていた。
わたしは、もう、それで十分だと思った。
もうきっと、一生分愛してもらえたんだと、思った。
だから、これ以上なんて、望めないやと思った。
でも、たまたま私をどうやら好いてくれる人が現れた。
ゆっくり距離を詰めてゆけたらよかったんだけど、ぐいっと来られまして、
とはいえ、もう一生分愛してもらったんだと思っていたところになお、「好きです」ということを言ってくれる人が現れた。
人生のボーナスだと思った。
だから、好いてくれるならば、これから人を好く努力をしてみようと思った。今その途中。
良いところも悪いところも日々発見の連発で、
いつもだったら、そういうのを消化したうえで人と関係を結んでいくのだろうけれど、今回は消化しながらというスタンスなので、なかなかなじめずにいる。
好きになることが、できないかもしれない。そう思いながら人と関係を紡いでいくのは、いいことなのかどうか、よくわからない。悪いことだとしたら、申し訳ないと思う。でも、努力してみるということは、嫌いではないことが前提としてあるわけで、その努力が、少しずつでも伝われば、いいなあ、と思う。
そんななか、心のバランスをとるかのように手にしたこの本。何度も読み直してしまう。
正直、村上さんの作品の中で、そこまで好きなわけじゃないな、と思ったのは確かなんだけれど、それでも何度も目を通してしまう。
特に観覧車のところが好きで。
いったいどこでそうなったのかを、注意深く読んでいくのにハマります。 -
村上春樹の初期から中期への移行過程の作品だと感じる。この人のほぼ全ての作品に見受けられる「孤独」についての描写についてはさすが。人は孤独だ。
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#2024.03#3
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すみれやミュウ、ギリシャという土地のそれぞれの美しさの中で失われたり何かを取り戻したり。好きな雰囲気だった。そこまでの長編でもないので、話も無駄がなく良かったと思う。
メモ
スプートニクとは1950年代にはじめて宇宙に飛んだソ連の人工衛星。すみれはジャック・ケルアックというアメリカの小説家の文学の何かだと勘違いしていた。この会話があってからすみれはミュウのことをスプートニクの恋人と呼ぶようになった。
ちなみにスプートニクとはロシア語で「旅仲間」「旅の伴侶」という意味がある。 -
とても面白かった。村上春樹の小説をどこか敬遠していたけど、ページをめくる手が止まらなかった。愛の行き止まりと孤独が私の中にもずっと分かち難く居座り続けているからだと思う。