レッドタートル ある島の物語 [DVD]

監督 : マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 
  • ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
3.22
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本棚登録 : 118
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4959241766229

感想・レビュー・書評

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  • 無人島に流れ着いた一人の男が、女性となったアカウミガメの化身と暮らし、子を育て、老い、
    星を見ながら穏やかに天国へ旅立つ姿を通じて、人間の幸せとは何か、を詩的で静かに問う映画。

    文明はおろか言葉もない世界で、男が愛妻と愛息子と助け合い慈しみ合って、やがて子を巣立たせ、
    ささやかだが穏やかで幸せな人生を送れたのは何故か。
    その答えは、自然と共生し、家族で助け合って生きる姿こそが、人間の本来の幸せだからではないだろうか。

    穏やかな人生にもドラマはある。
    始めのうち男はいかだで何度も脱出を試みるが、すべてアカウミガメが邪魔をして失敗する。
    恐らくアカウミガメは、島を脱出しても到底生き抜くことが困難なことを知っていたのだろう。
    男は苛立ちからアカウミガメの尊い命を奪ってしまい、ひどく後悔の念に苛まれる。
    その後アカウミガメの化身が女性となって現れ、物語は展開していく。
    島ごと大津波に襲われたこともあった。
    息子が外界へと旅立っていった。
    劇的なドラマが過ぎると再び静かな暮らしが続いた。

    暑い一日が終わって、夜になると、すーーーーーっと涼しい風が吹く。
    遠くで波の音がザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ……
    引いては返す波のように、悠久な大自然の営みを感じる映画だった。

  • 無人島、カメ、カメの子供。喋る必要がどこにある!ってぐらい無声であることの合理性。
    文句なく素敵な画と、温かみのある愛と命の物語。
    考察も楽しいけど、それが野暮に思えるくらい美しい。

  • 映像はきれいなんですけどね。こういう説話は昔からあるし、それを映像化してよく出来てたと思います。民話や伝説って不条理なもの、その不条理さ故にいろいろ考えたり心に残ったり。

    ただジブリが作る意味はあったのかと、だいぶ不思議に思います。日本の製作スタッフはほとんど関わっていないようだし。

    今のアニメに慣れた若い子にとっては、亀に憑りつかれた不運な男の一生、みたいな印象なんじゃないかな(;¬_¬) 

著者プロフィール

1953年、オランダ生まれ。スイスとイギリスの美術大学を卒業。スペインでアニメーターとして働いた後、1980年からイギリスに居を構える。その後フリーランスとして複数のスタジオで働き、ディズニー作品「美女と野獣」(1991)「ファンタジア2000」(2000)などに参画する。過去の短編アニメーション監督作品では、「お坊さんと魚」(1994)でアカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート、「岸辺のふたり」(「FATHER AND DAUGHTER」)(2000)では同賞を受賞。最新作長編アニメーション映画「レッドタートル ある島の物語」で第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門特別賞を受賞。日本で出版されている絵本に、「岸辺のふたり」(くもん出版)、「オスカーとフー」「オスカーとフーいつまでも」(共に評論社)がある。

「2019年 『あのひと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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