最後の医者は桜を見上げて君を想う (TO文庫) [Kindle]

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  • 自分の余命を知った時、あなたならどうしますか?
    重版を重ね、25万部を突破した医療系小説ベストセラー。

    医者の倫理観や患者のありのままの内心について描かれた本で、「死」というものがとてもリアルに感じました。

    一人は死を肯定する医者である桐子、かたや、絶対諦めず生に賭ける医者福原。
    どちらが患者にとって幸せなのか、、、いや、一概にどちらが正しいとは言えない。福原は、患者がどれだけ地獄の苦しみを味わう事があろうと、生きてさえいれば希望は必ずあり、糸口は見つかるかもしれないと本気で思っており、延命をすすめる。桐子は苦しみ生きる希望を失った方の治療を止め、短い余命をどう生きるかについて向き合う時間をつくってあげようとします。

    どちらも己の正義を全うしているようでそうではないことに気付く。
    気付いたのは一つの出来事がきっかけだった。

    何故君が...

  • 同じ医大の同期の三人の医者。学生時代は一緒にやんちゃな時間を過ごし、福原のお父さんが経営する病院で一緒に働くことになる。医者として死と闘う姿勢は、三人三様になる。どんな厳しい状況とも常に闘うという選択肢だけの福原、患者の選択肢を真摯に提供する桐子、患者と共に悩む事を大切にする音山。福原と桐子はその正反対の姿勢から犬猿の仲になるが、音山の末期癌を通じて、自分の信念とは正反対の考え方の相手の思いを、信念を曲げないままに、少しだけ理解したのかな。テーマは死を目の前にした患者の尊厳であるような体でありながら、必ず訪れる終わりの時をいろんな形で受容している温かい作品で、とてもよかった。

  • 医療現場における意思決定では近年患者側の判断が重視されているようだが、この本ではその意思決定の難しさを感じた。

    医療では1人の人生を決定付ける判断が求められる。また、そこで下すべき判断は当人の価値観によって異なる。したがって他者にその判断の責任を負わせることは難しく、また、残酷でもある。そのため、患者に客観的な情報を与えた上で患者自身に判断を下してもらうやり方は一見合理的に見える。

    しかし、一方で患者に正しい判断を下す能力がどれほどあるだろうか、という疑問もある。医師から患者に伝えられる情報には限りがある。また文中にもあるように、淡々と情報のみが伝えられて確率統計の問題のように、無機質に自分の命が取り扱われることに嫌悪感を感じる人もいるだろう。さらに患者は既に病気や怪我によって大きなストレスを感じている人間である。いかに本人が下した判断であろうとも、それが最も本人にとって良い判断である可能性は決して高くないだろう。

    そして何より決断を求めることは、本人にさらに大きなストレスを与えることになる。当然、自分の人生であるから、本人が現実に向き合って決断を下す方が望ましいが、それを強制することは誰にもできない。

    日常生活とは切り離されてしまい、遭遇する機会が減ってしまっている、命や死といった問題について考えさせられる良いきっかけをもらった。良かった。

  • どんな手を尽くしても患者を助ける医師福原…
    重い副作用に苦しむくらいなら,自ら死を選ぶ選択肢もあることを提示する医師桐子…
    誠実に患者と向き合い,悩みながら患者に寄り添う医師音山…
    そんな3人の医師が織りなす物語。
     
    誰が正しいわけでもない。
    3人とも,患者のことを第一に思い行動する。 
     
    この本の魅力は,なんといっても患者の描写力。
    死は絶対。
    死はいつの間にか訪れる。
    受け入れようが,抗おうが,否応なく。
    昨日まで何でもなかった人生が,突然狂う。
    その時,患者は何を思い,医師は何を思うのか。
    その表現がとてもうまい。
     
    急性白血病,ALS…
    難病についての理解も深まります。
     
    自分は今健康体だが,病魔はいつ訪れるかわからない。
    明日は我が身。
    そんな気持ちで読むと,涙が止まらない。
    元気な時に程,読んでおきたい一冊。
    病魔に襲われたときに,読み返したい一冊。
    文句なしの星5です。

  • 難病で亡くなる若者の最期を描いた3つの短編から成っている。最後まで完治を目指すとか死を受け入れるとか人によって様々なんだけど、自分ならどうするかなあと。それから皆が平均寿命付近まで生きられるわけではないのだなあと再認識して刹那主義が加速してしまったような…

  • Prime Readingにて。
    同じ医大を卒業した3人の医師。
    一人は「どんな病気でも諦めずに戦う」を信念とし、一人は「死を受け入れ、残された時間を大切に生きて欲しい」と願う。
    そして最後の一人は、どちらの気持ちも理解し揺れ動く。

    最後まで戦う道を選んだ者、すべてを受け入れた者、それぞれの生き様に涙が出てくる。
    死を宣告されたら、私はどの道を選ぶだろう。
    どの道を選ぶにしても、寄り添って生きてくれる人がいてくれたらと思う。

    • タクオくんさん
      そんな人に出会えたらいいですね。。その人に、生きて欲しいと言われたら、自分勝手に死を選ぶこともできないかも。。
      そんな人に出会えたらいいですね。。その人に、生きて欲しいと言われたら、自分勝手に死を選ぶこともできないかも。。
      2019/04/23
    • 風子さん
      タクオくん、コメントありがとうございます。確かに、大切な人に生きて欲しいって言われたら「頑張らないと!」って思いますよネ。病気で一人は寂しい...
      タクオくん、コメントありがとうございます。確かに、大切な人に生きて欲しいって言われたら「頑張らないと!」って思いますよネ。病気で一人は寂しいです。共に生きていける人を大切にして下さいネ♪
      2019/04/23
  • 説明
    内容紹介
    続々重版、25万部突破!本読み書店員が選ぶ「感動小説」第1位!
    自分の余命を知った時、あなたならどうしますか?
    死を肯定する医者×生に賭ける医者
    対立する二人の医者と患者の最後の日々――
    衝撃と感動の医療ドラマ!

    あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは? 究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか? それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生!




    『第二章とある大学生の死』は涙が流れました。
    若い人の死は特に残酷に感じます。なぜ自分が...という思いをどうしても感じてしまうだろうなぁ。
    こういう本を読むと 生きていることを感謝しなければ...と思うけど ついつい不満や愚痴が出てしまう。
    それも人間なのだからだろうけど...

    『第一章とある会社員の死』はもう闘病なんてしたくない!と思ってしまいます。
    ほんの少しの可能性にかけるための代償が大き過ぎて 数年寿命を伸ばすためにそこまでしたいとは思えませんでした。
    こう感じるのは私自身の歳も関係してるのかもしれませんが...もし、もっと若ければ 死にたくない!少しの望みにでも賭けてみたいと思うのかもしれません。

    やはり今の自分には長生きしたくないという思いが強いのは変わらないです。

  • 死への向き合い方を問う作品。
    自分が患者になったときに、どちらの医者もいてほしい。
    どちらの医者を選び、自分の生きる道、死ぬ道を選ぶのか。
    確率による選択ではなく、ベルトコンベアーに乗らない自分の人生を見つけることができるのか。
    普段は避ける思考を迫られる作品。

  • すごかった。人の死をテーマに書いているのに重すぎず、どんどん引き込まれて読んだ。医者でないのに、ここまで臨場感あふれる描写ができるなんてすごい。医者の立場、患者の立場、それぞれ真に迫っている。
    続編も読みたい。

  • 自分が乳ガンになったときのことを思い出した。幸い超早期発見で、抗ガン剤すら使わずにすんだが、検査結果がでるまで死を意識した。この本を読んだことで、改めて自分の死に様について考えさせられた。読んで良かった。

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著者プロフィール

二宮敦人(にのみや あつと)
1985年、東京都生まれの小説家、ホラー作家、推理作家。一橋大学経済学部卒業。携帯小説サイト「魔法のiらんど」「E★エブリスタ」でホラー小説を発表し、2009年に『!(ビックリマーク)』でデビュー。妻が東京藝術大学彫刻科の学生だったことから、多数の藝大生に取材しノンフィクション『最後の秘境 東京藝大』を執筆、ベストセラーとなる。著書に『郵便配達人 花木瞳子が盗み見る』『一番線に謎が到着します』など多数。2019年4月11日、『世にも美しき数学者たちの日常』を刊行。

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