リリーのすべて [Blu-ray]

監督 : トム・フーパー 
出演 : エディ・レッドメイン  アリシア・ヴィキャンデル  ベン・ウィショー  セバスチャン・コッホ  アンバー・ハード  マティアス・スーナールツ 
  • Happinet
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988102512286

感想・レビュー・書評

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  • 原作は、デヴィッド・エバーショフの筆による、『The Danish Girl』(2000年刊行/邦題『世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語』(※本作品の公開と同時に、『リリーのすべて』というタイトルで再出版されたようである。)


    1926年のコペンハーゲンが舞台。肖像画家のゲルダは、風景画家である夫のアイナー・ヴェイナーと暮らしていた。
    ある日、ゲルダのひょっとした思いつきから、夫アイナーは女装をして妻と華かな席に出席してみることに…


    これが、想えばアイナーのなかで眠っていたい“女性・リリー・エルベ”を目覚めさせることになる***


    妻であるゲルダは、夫として、また同じ画家としても心からアイナーを愛し敬っていたが、しだいしだいにアイナーの中で色濃く影を落としていくようになるリリーの存在を疎ましくさえ感じ始めるゲルダがそこには居た。

    もう一緒に暮らすことは無理かもしれない。

    アイナーも、そして何よりもゲルダが苦渋の選択として、アイナーの性転換手術を受けいれる姿は、見ているこちらも胸が傷んだ。

    このような形で、《夫という存在が消滅してゆく》この悲しみと、言いようのない喪失感はどんなにつらく、計り知れないことだろうかと。


    当時としては初めての男性器の切除手術を受けたアイナー。それが癒えた頃合いを見計らい、更なる女性になるために再度手術を受けたアイナーであったが***


    アイナーが描いた絵と同じ風景の中を、長いフリンジのあしらわれたシルクのショールが、真の自由を得たかのようにうれしそうに天と地の空間を美しくいつまでも舞っているラストシーンが印象的。ゲルダの微笑みに救われる・・・




    【補足】

    第88回アカデミー賞助演女優賞に、本作でゲルダに扮したアリシア・ヴィキャンデルが受賞。


    アイナー(リリー)に扮したエディ・レッドメインは、同賞 主演男優賞にノミネートされるも受賞はならず。
    しかしながら、彼のもつ独特の線の細さ、か弱さ、清楚(清廉)な美しさは本作品で際立っており、アイナー(男性)とリリー(女性)が彼のなかで対峙するときの心の葛藤の表情は、実に見事である。


    “Gender Identity Disorder, GID(性同一性障害)”について、本編2時間を真摯にゲルダとともに向き合えている自分が居た。

  • その人がその人らしく生きることが
    人生のしあわせなのだとしたら・・・

    うつ病の彼と付き合って2年になる。
    彼からプロポーズを受け、親の挨拶も済ませた後にうつが発症した。
    彼は性的マイノリティで、同性に性的欲求があると付き合う前に教えられた。
    どうして私を?と聞くと、結婚を願っていると。
    私を愛すること選び、不思議と私には性的欲求があると言っていた。
    うつになり、連絡があまり取れなくなり、会うたびに彼が私を本当に愛しているのか分からなくなった。

    ・・・
    アイナが「自分ではない姿」に気づき、本来あるべき姿(その人がその人らしくあれる姿)になることを願うようになった

    アイナは自分らしい姿リリーのときに
    愛するゲルダから「アイナに会いたい」と泣きながら言われる

    ゲルダはかつて愛してきた夫の姿がいなくなり、それでも必死に彼と生きるのだけど、自分が大切にされない悲しさでいっぱいいっぱいになっている

    家に帰るとアイナの姿になっているのだけど「君が望むものを僕は与えられない」と言われてしまう
    この瞬間が一番胸が苦しくなって涙がとまらなくなった。

    アイナも努力してゲルダの求める姿になろうとする
    でも、そうなることがどうしてもできない

    その痛みが分かるから、それ以上何も言えない。
    ゲルダの姿に自分が重なって心が苦しくなった。

    アイナはゲルダを愛していた。
    リリーになってからもゲルダを愛していた。
    性的には愛せないのだけど、ゲルダを誰よりも愛していた。

    そして、ゲルダもアイナを愛していた。
    リリーになってからも愛していたのだ。

    愛とはなんだろう。
    共に生きていくとなんだろう。
    しあわせとはなんだろう。

    ーーーー
    30代前半、世間的に言うしあわせが手に入る予定だった。
    でも彼がうつになり全ての予定が白紙になった。

    この1年、彼も苦しんだけど、
    私もおかしくなるくらい苦しかった。
    でも、彼は「きみはうまくやっている」という。
    彼の傷や葛藤が彼の中で大きすぎて、彼は私のことなんて何も見ていない。

    それでも、わたしは彼に会いにコロナ禍にアメリカへ行くことを決めた。

    わたしがわたしらしく生きるとは
    彼が彼らしく生きるとは

    性的マイノリティだけじゃない
    世の中の枠組みに入りきれない、知らないけれど感じているものが心のどこかにあるのかもしれない

    やめるなら今だと1年前からずっと思ってる
    でも、ゲルダのようにわたしは彼を愛しているようで、彼が苦しむのをみたくないのだ

  • 【2024.06】

  • ウォッチリストに入れていたものをやっと。

    あたりまえに自分でいられることはなんて当たり前に幸せなことなのだろう。デンマークの景色がアイナーの心象風景に感じられた。ゲルダがよかった。

  • 割と最近ミッドナイトスワンを見ていたので、重なる部分が多かったです。
    どちらも、手術の危険性に触れており、こういった作品以外ではなかなか知らなかったことだと思います。

    単純に映画としても良作でした。
    大人の余韻が心地よくもあり、切なくもあり。

  • 世界初性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を元に映画化。
    1926年、コペンハーゲン。風景画家として名声を博する夫アイナーと肖像画家の妻ゲルダ。ある日、ゲルダの絵のモデルが来られなくなったためアイナーが脚のモデルの代役を務める。ゲルダは冗談でアイナーを女装させ「リリー」という女性としてパーティに出席させることを思いつく。パーティで知り合った男性と密会を続けるリリー。リリーをモデルにした肖像画で評価を高めるゲルダだが、アイナーに男でいるように懇願する。しかし、アイナーはパーティがきっかけではないといい、リリーとして生きることにのめり込んでいく。ゲルダはアイナーを医者に診せるが、精神疾患と診察される。2人はパリへ移りアイナーの幼馴染ハンスを頼り複数の医師に診せ、ある医師によりアイナーは病気ではなく先例のない性別適合手術を受けることを薦められる。アイナーはリリーとして生きるために危険な手術を受ける決心をする。一度目の手術は成功し女性としての人生を謳歌するリリー。しかし二度目の手術に耐えきれず、ゲルダが見守る中この世を去る。

    見た目は男性だが心は女性のリリーを演じたエディ・レッドメインが素晴らしい。女性として扱われて喜ぶ姿、女性になりきれず涙する姿、女性としての美しい仕草を研究する姿、女性よりも可憐で女性らしく美しい。

  • ずっと美しい2時間。見終わった後も余韻が残った。
    ドイツ行の列車に乗るシーン、百貨店の同僚と一緒に楽しそうに歩くシーン、最後のシーンが特に印象的。

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