宇宙エレベーター その実現性を探る (祥伝社新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 静止衛星を打ち上げるには、ITU(国際電気通信連合)から、通信に使う電波の周波数と、軌道上の位置を割り当ててもらわなければなりません。静止軌道は高度と軌道傾斜角 が決まっているので、軌道上に置くことができる衛星の数に限りがあります。静止衛星を無秩序に打ち上げると、衝突などの恐れがあるためです

    宇宙にもルールがあるようで、様々な国が活動しているのだから然もありなんだと思います。これこそ既存のルールがないので、自分達でルール作っていこうの典型だと思います。ITUと言っても、誰がどこでどんな風に決めてるのでしょう。NASA、学者、民間企業であーでもないこーでもないとお互いの利害をぶつけながら議論しているのかなと思うと、少し羨ましいです。

  •  宇宙エレベーターとは赤道上に地球から静止軌道まで届く塔を建て(あるいはワイヤーを張り)、それを登って宇宙に行くものだ。設備ができてしまえばロケット打ち上げに比べてはるかに低価格かつ安全に宇宙旅行や人工衛星の軌道投入が可能になるという。本書はその歴史的な流れと将来構想まで多面的に解説している。

     アイデア自体は古くからあるが、巨大な張力に耐えられる強度を持つ材料がないため現時点では実現不可能だ。カーボンナノチューブなら可能性があるが、宇宙エレベーターに必要とされる長さは10万kmと言われており、そこまで長くする技術はまだない。

     カーボンナノチューブを長くする技術開発は専門家に任せ、本書はそれが実現した場合についての夢を膨らませている。個人的にはもうちょっと材料開発の具体的な内容も知りたいところだが、一般向けの新書としては難しいのだろう。

     宇宙エレベーター協会では2050年の実現を目指しているそうで、それならまだ私も生きている可能性が高いが、実際はもっと先になりそうだが、何らかのブレイクスルーがあれば一気に実現が進んだりするものなので、もしかしたらと期待したい。

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著者プロフィール

1953年神奈川県生まれ。横浜市立大学卒。美術雑誌の編集、翻訳会社などをへて、現在予備校非常勤講師のかたわら、美術・音楽の英語翻訳・執筆にたずさわる。訳書に『ロック・ミュージックの歴史』(上下巻、音楽之友社)、『世界の3次元グラフィクス』(グラフィック社)ほか美術展のカタログなどの英訳・和訳など。著書に『アートが話せる英会話』『アートの英語』(ともにギャラリーステーション刊)がある。美術情報誌に「新・アートの英語」を連載中。
http://artwords.info

「2009年 『サイモン&ガーファンクル全曲解説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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