- Amazon.co.jp ・映画
- / ISBN・EAN: 4988003842543
感想・レビュー・書評
-
■不思議惑星キン・ザ・ザ
Кин-дза-дза!
1986年 ソ連 135分
監督:ゲオルギー・ダネリア
出演:エヴゲーニー・レオノフ/ユーリー・ヤコヴレフ/スタニスラフ・リュブジン/レヴァン・ガブリアゼ
https://www.kin-dza-dza-kuu.com/
30年前の映画のデジタルリマスター版を早稲田松竹で観てきました。旧ソ連の大変ゆる~いカルトSF映画なのだけど、なんともいえない「おかしみ」があって、大爆笑というよりは和み系。
ある日街角で異星人だと名乗る男の持つスイッチをうっかり押してしまい、突然見知らぬ惑星へ飛ばされてしまった建築技師の「おじさん」(※ニヒルでかっこいいけどちょっとエラそう)と「バイオリン弾き」の若者(※実はバイオリンは弾けない。手癖は悪いが天然)。放り出された場所はひたすら砂漠。そこへやってきたトンチンカンな異星人二人組。彼らの挨拶はとりあえず「クー!」、そして両手を広げる謎のポーズ。彼らの言語は、怒ってるときの罵倒が「キュー!」で、それ以外はずべて「クー」。
小汚い恰好をしていて大変文明の遅れた印象を受けるが、ボロボロの釣鐘みたいな形の飛行船はどういう原理かわからないけど加速装置さえつければ宇宙にも行けるし、鼻にぶらさげた変な鈴は、まるでドラえもんの道具のように、相手の意思を読んだり言語を翻訳したりできるようになるスグレモノ。そしてなぜか地球人のもつ「マッチ棒」がこの星では超高級品。
そしてなんやかんやでこの小汚い二人の異星人と地球からきた二人の4人の珍道中が始まるわけですが、「クー!」のポーズがなぜかダチョウ倶楽部の「ヤー!」を彷彿とさせられるので、だんだんこの4人連れがダチョウ倶楽部にしか見えなくなってくる(笑)仲間割れしたり、また寄りを戻したり、旅芸人のようなことをしたり、いろいろありつつ、地球に帰りたい二人は加速装置を手に入れようとあれこれ手を尽くすのだけど・・・
終盤でちょっと「バタフライエフェクト」みたいなことが起こったりして、意外と本格的(?)なSF要素もなくはない。珍道中の中で4人の間に芽生える奇妙な友情らしきものなども、ちょっと泣かせる。全体的にドリフのコントみたいな空気感ながら、設定のシュールさ、砂漠の惑星ギンザザの造形、世界観の独特さなどで、ついつい飽きずに見てしまう。なるほど万人受けはしないだろうけど、カルト映画と呼ばれるに相応しい逸品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示