ある天文学者の恋文 [DVD]

監督 : ジュゼッペ・トルナトーレ 
出演 : ジェレミー・アイアンズ  オルガ・キュリレンコ  ショーナ・マクドナルド  パオロ・カラブレージ  アンナ・サヴァ  イリーナ・カラ 
  • ギャガ
3.08
  • (3)
  • (25)
  • (29)
  • (11)
  • (7)
本棚登録 : 145
感想 : 28
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4589921404426

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 初老の男の妄想を具現化したような映画だった。
    タイミングがずれて「カミカゼ」が笑うシーンがあったけれど、あのずれがもっと大きくなればよかったのに、けっきょくおさまりの良いところに落ち着いた。

  • いや、もう、監督の正気度を本気で疑うほどキモい話だった。
    「彼ほど全力で愛する人はいない」って・・・奥さんや家族をないがしろにして、死んだ後まで若い愛人を縛ろうとすることが「全力で愛する」ことなのかね?
    こんなジジイの妄想に過ぎないような話をロマンティックだと思って世に送り出すセンス、まったく理解に苦しむ。

    誰かを愛してしまうというのは、村上春樹さんが「猫が回っている洗濯機に落っこちてしまうようなもの」と言うように、理性でコントロールできないこともあると思うので、私はネット民のように不倫を全否定したり、糾弾したりする気にはなれないが、しかしこの映画で描かれるような「褒めたたえ感」はありえませんわ・・・

    だがしかし。
    ヒロイン役の女優さん(私は初めて見る女優さんだったが、ボンドガールらしい)がとにかく美しくかわいく素敵で、ストーリーには不満タラタラだったが、最初から最後まで食い入るように見てしまった。
    美人女優パワー恐るべし。

    最初、「わー、この女優さんが着ているツイードのチェスターコートかわいいなぁ」と思った。来年はこういうの欲しいなぁ、などとほれぼれ見ていたのだが、その後、モッズコートに変わって「おっ、このコートもいい!ほしい!」と思い、そのあと、セーター姿に「うーん、この微妙な色のセーターもいいな。もう冬は終わったけどほしいなぁ」などと思った後、カーディガンに着替えたあたりで気づいた。
    「これは、服がかわいいんじゃなくて、この子がかわいいんだわ・・・」

    いや、もっと早く気付こうよ、と自分に言いたい。

    ところで、かに星雲が超新星の残骸とは知らなかった。
    映画でそういう言及があって、え、爆発の光ってこと?とビックリしたので、思わずPC開いてWikiを読みふけってしまった。中国の『宋史』に客星(突然現れた明るい星)として記されているんですって。
    Wikiの中で「かに星雲の中心にある星は、かにパルサーと呼ばれる」という文章が妙にツボだった。意味わかんないけど。

  • 徳永英明さんが日本版主題歌を歌った『P.S.アイラヴユー』に似ているけれど、こちらは老人男性妄想版といったところ。
    しょっぱなに10歳くらいの男の子に「ダディ~♪」なんて懐かれているけれど定年退官間近の70歳くらいに見える男性教授と教え子女子大生が肉体恋愛関係にある時点で微妙なスタート。

    すぐに教授は亡くなるけれど、亡くなる直前まで自分の娘と同い年の若い愛人のことを考えて細かい工作をしていたってことで、なんて子供っぽい男なんだと呆れました。
    せめて最初の結婚が若さの勢いだったとか言い訳できる40代後半くらいの男性なら女学生とこうなってもギリ納得できたんだけどなぁ…。

    せめて女学生の精神年齢がとても大人であれば…と思うけれど、授業中や観劇中に平気でスマホを使っていたり、やってることが同世代のなかでもガキでモラルがない。
    彼女がガキならそれを成長させるのが愛人たる老人教授の仕事だろ!性的技法を教えているだけかよ!…と思いました。
    これだと単に生徒のなかでモラルがない彼女を釣ることができましたって感じで、単なる教え子に手を出すジジィに見えてしまう。

    星は死んだ後の光でも遠く離れた地球の夜空を彩るけれど、身近な人間を亡くした者はその人とコミュニケーションが取れないという沈黙の時間に諦めと感じ、少しずつ心の傷を癒していくもの。
    それを死後にちょこちょこと一方通行のメールやビデオレターを送ってくるなんて傲慢ですらある。

    そもそも若い女性の青春を老人が奪ったんだから自分の死後は彼女が次に進めるようにするのが大人なのに、ちまちまと自分を忘れさせないための「工作」を施しておくとか我儘極まりないし、こんなの愛じゃないと思いました。

    相手を若い女学生にしたのは、ムダにあるヌードシーンも関係しているのでしょうか。
    きれいな話に持っていこうとしているけれど、若いお姉ちゃんと恋愛したい老人男性(監督がこのカテゴリー?)向けの妄想映画ですね。
    久々に見ていて嫌悪感をもよおす作品でした。
    by太郎

著者プロフィール

映画監督・脚本家。1956年、シチリア生まれ。86年、『教授と呼ばれた男』で劇場映画の監督デビュー。『ニュー・シネマ・パラダイス』(89)でアカデミー賞、『明日を夢見て』(95)『海の上のピアニスト』(99)『題名のない子守唄』(2006)『鑑定士と顔のない依頼人』(2013)でダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞受賞。2023年1月にモリコーネとのを組んだ『モリコーネ 映画が恋した音楽家』が日本公開。

「2022年 『エンニオ・モリコーネ 映画音楽術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×