日本人と地獄 (講談社学術文庫) [Kindle]

  • 講談社 (2013年1月10日発売)
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感想・レビュー・書評

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  •  これはぶっちゃけ読みにくい。地獄に関する文献を集めた感じ。多分そういう地獄辞典みたいなのが今までなかったんじゃないかな。地獄に関するものを全部載せましたという感じがある。そして原文が掲載されていて、訳がなかったり意訳だったりするので原文読みこなす技量がないとちょっときつい。
     それでも地獄に墜ちることを恐れてきた人々が地獄になにを想像していたのかということがわかり、ところどころ自分が知っていることとつながって、ああ、あれはそういうことか思い至ることがあったのでちょっとメモしておく。
    ”親の仇を討たなければ、来世は血国に墜ちて獄卒の責め苦を受けるという考え方がここにある。”
    鎌倉時代からの御伽草子にみられる考え方のようだ。これを読んで、父である漆間時国に敵討ちをするなといわれた法然上人のこころを思うとその父の言葉の重みというのが一層感じられる。そんな簡単にいえる言葉じゃないな。
    ”(立山地獄について)この地獄が、仏・菩薩の化作したものだという理解である。つまり信仰の対象として、いわば阿弥陀仏信仰を助成する地獄という理念が強く働いていることが理解される。”
    なんというか、真宗ではないけれどこういう考えがあるということ。ただ人を脅かすというよりは、未知のものへの畏れと敬意というものが仏・菩薩の化作であると理解しているところにあると感じる。すくなくとも地獄に墜ちたくないから阿弥陀仏を信仰するというのでは違うなあと思うのだ。
     すごく読みにくいけど、墜獄したひと列伝という感じのところがあるので、そこに出てくる醍醐天皇、平将門、紫式部などは興味深かった。地獄の冥官だという小野篁の話を読むと、鎌倉時代の夢告文化を思い出してなるほどなるほどという感じだ。そういう時代だったんだなあ。
     古文に自信のある方は読まれてもいいかと思うという本。

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著者プロフィール

1917年北海道旭川市の浄土真宗本願寺派慶誠寺に生まれる。1941年東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。「仏教を研究するなら僧侶にはなるな」との父の勧めで、在家を通した。文学博士。東洋大学教授のほか、武蔵野女子大学などで講師を務める。1985年仏教伝道文化賞を受賞。1999年歿。著書に『日本仏教における戒律の研究』(在家仏教協会、1963年)、『往生要集:日本浄土教の夜明け』全二巻(平凡社東洋文庫、1963~1964年)、『浄土教の展開』(春秋社、1967年)、『往生の思想』(平楽寺書店、1968年)、『日本思想大系6 源信』(岩波書店、1970年)、『日本仏教史』(岩波書店、1984年)、『日本仏教思想論集』全五巻(法藏館、1986~1987年)、『女犯:聖の性』(筑摩書房、1995年)、『日本人と地獄』(春秋社、1998年)など多数。

「1986年 『日本仏教思想研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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