火花 (文春文庫) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.51
  • (4)
  • (25)
  • (24)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 206
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (135ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 徳永の師匠、神谷の下記の発言が刺さりました。

    P96
    「ネットでな、他人のこと人間の屑みたいに書く奴いっぱいおるやん。
    (中略)
    その矛先が自分に向けられたら痛いよな。
    (中略)
    だけどな、それがそいつの、その夜、生き延びるための唯一の方法なんやったら、やったらいいと思うねん。
    俺の人格も人間性も否定して侵害したらいいと思うねん。
    きついけど、耐えるわ。
    俺が一番傷つくことを考え抜いて書きこんだらええねん。
    (中略)
    誹謗中傷は誹謗中傷として正面からうけたらなあかんと思うねん。
    (中略)
    人を傷つける行為ってな、一瞬は溜飲が下がるねん。
    でも、一瞬だけやねん。
    そこに安住している間は、自分の状況はいいように変化することはないやん。
    他を落とすことによって、今の自分で安心するという、やり方やからな。
    その間、ずっと自分が成長する機会を失い続けてると思う念。
    可哀想やと思わへん?
    あいつ等、被害者やで。
    俺な、あれ、ゆっくりな自殺に見えるねん。
    薬物中毒と一緒やな。
    薬物は絶対にやったらあかんけど、中毒になった奴がいたら、誰かが手伝ってやめさせたらな。
    だから、ちゃんと言うたらなあかんねん。
    一番簡単で楽な方法選んでもうてるでって。
    でも、時間の無駄やでって。
    ちょっと寄り道することはあっても、すぐに抜け出さないと、その先はないって。
    面白くないからやめろって」
    そんな人達と向き合っても自分にも何の得もない。

  • いつか読みたいな・・・と思っていたら、電子書籍化されたので。
    不器用だけど一生懸命?清々しいわけでも、抉られるわけでもないけど、もやもやする読了感。
    人は、その一瞬一瞬、目や耳から入る情報を自分なりに解釈して、その時一番適切だと思った反応をする。なのに、器用だとか不器用だとか、その人らしいとかそうでないとか、いつの間にか、周りからもそして自分からも評価されて、その積み重ねで自分が出来上がってしまう。なぜだろう。なんて考えてみたり。

  • 書き出しから、又吉の独自の世界に引き込まれてしまう魅力がある。
    純文学であるため、物語としての起承転結やアップダウンを楽しむというよりは、その表現などの芸術性を楽しむものだ。

    本書の魅力は、又吉独特の文章で、人生における「儚さ」や「尊さ」が表現されているところだと思う。淡々とした文章で、日常が綴られていく。これといった大きなイベントはないが、そんな日常が当たり前ではなくなる"節目"で、読者の感情が動かされる。
    そんな"節目"の中でも、真樹との別れのシーンが強く印象に残っている。徳永や神谷の日常の一部になっていた真樹との別れにより、真樹がいない新しい日々が始まっていく。当たり前が当たり前ではなくなっていくことの儚さが、淡々と徳永の俯瞰的な目線から描かれることで、より浮き彫りになる。

  • 若手漫才師の葛藤と生き様を、ボケとツッコミを織り交ぜて語る小説。全体的に盛り上がりもなく平坦な感じのする内容だけど、なんとなく味があるような気もする…といった感じ。しっかり読めてないのかもしれませんが、わたしのツボには嵌りませんでした。主人公自身が終始一歩引いいた目線で語っているところが好きになれないのかもしれません。先輩神谷の最後の体を張ったボケだけは、なんとなく物悲しく一生懸命な生き様を感じました。

  • 太宰治のことが好きなのが伝わった。

  • NHKのドラマ化に伴い積読本を読んでみた。
    期待外れ。これで芥川賞とは話題作りだったのではないかと勘ぐってしまう。逆に又吉直樹が気の毒で、重圧で次回作は書けないのではないだろうか。
    芸人の日常は苦悩と紆余曲折に満ちているというのは容易に想像のつく話だし、人々はあえてそれを読みたいと思うのだろうか。エンディングも見え透いている。文が整っているのが救い。

  • 2018-9-26

  • お笑い芸人の世界を垣間見れる本。

  • お笑い芸人の書いた本は面白いと思う。エッセイよりも小説の方がそれは際立つように思う。ラーメンズの小林賢太郎戯曲集なんかも意味なく活字にしてしまう面白さがあった。ただ個人的な好みとして、自分と向き合い、穴が開くほど自分を見つめる作家が好き。あるいは思ったことを言わない作家の方が好き。

  • 今更だけど、面白かった。お笑い芸人は真面目だ。

全26件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

又吉直樹(またよし なおき)
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。お笑いコンビ「ピース」のボケ担当。第153回芥川龍之介賞受賞作家。2009年6月せきしろとの共著、自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』を刊行し、これが初の書籍となる。2010年12月に続編である『まさかジープで来るとは』、2011年11月初の単著『第2図書係補佐』をそれぞれ刊行。2015年1月7日に『文學界』2月号に初の中篇小説『火花』を発表し、純文学作家としてデビュー。3月に文藝春秋から『火花』が単行本化。同作が第28回三島由紀夫賞候補となり、第153回芥川龍之介賞受賞に至る2016年にNetflixと吉本興業によってネット配信ドラマ化2017年板尾創路監督により映画化された。2017年『劇場』刊行。2018年9月、毎日新聞夕刊で新聞小説「人間」を連載し、毎日新聞出版から2019年秋に発売予定となる。

火花 (文春文庫)のその他の作品

火花 (文春文庫) 文庫 火花 (文春文庫) 又吉直樹
火花 単行本 火花 又吉直樹
火花 Audible版 火花 又吉直樹

又吉直樹の作品

外部サイトの商品情報・レビュー

火花 (文春文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする