手紙は憶えている [DVD]

監督 : アトム・エゴヤン 
出演 : クリストファー・プラマー  マーティン・ランドー  ヘンリー・ツェニー  ディーン・ノリス 
  • ポニーキャニオン
3.78
  • (23)
  • (47)
  • (37)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 221
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4988013263895

感想・レビュー・書評

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  • ユダヤ人にとっては旧約聖書が今に息づいていて「目には目を」はリアルな規範なのに驚きます。ナチを憎むユダヤのエネルギーは衰えませんね。ただ、この脚本は技巧的に感じました。ピアノ演奏を嗜む主人公が名作曲家として挙げた3人。メンデルスゾーンは知っていますが、マイアベーア、モシュコフスキーは知りません。この機会に聴いてみたいです。

  •  この映画を半分ほど見て、すでにこの映画を見終えていた妹に「多分この先こうなるでしょ」と聞いてみると、妹はこれ以上ないくらい微妙な顔を浮かべ「うーん?」と首をかしげました。

     おそらく小説・映画に慣れている人なら、ある程度結末は想像がつくと思います。でもそれは、この映画の価値を下げることにはなりません。妹に「先が分かってて楽しい?」という風に聞かれて、僕はこう答えました。といっても、これは宮部みゆきさんの受け売りなのですが。

     物語には「そこでこう来るか!」というものと「やっぱりこう来たか」という楽しみ方がある、と。

     かつてアウシュヴィッツに所属していたドイツ兵を探す主人公。クライマックスにとある真相が明かされ、主人公はある選択をします。その痛切さは、意外な展開に驚いた人はもちろん、結末を予想していた人の心にもくさびを打ち込みます。逆に結末を読めていたからこそ、より純粋に主人公の選択の痛切さが心に響いたようにも思います。

     忘れなければ、先に進めないこともある。でも、完全に忘れ去ることが許されないこともある。直接的に戦争を描いていない映画ですが、だからこそもはや記憶にしか残っていない戦争の業の深さを感じる映画だったように思います。

  • 認知症の主人公の復讐サスペンス。
    脚本が良く練られており、サスペンスとしてもドラマとしても極上。
    いわゆる‘まだらボケ’をうまく使っている。
    歳を重ねた者の悲哀が痛いほどつたわってくる。

    アトム・エゴヤンはやっぱり好きだ。

    • yumiieさん
      5552さんこんばんは♪
      昨日は私の本棚にコメントをありがとうございました。
      とっても嬉しかったです♪
      なので私もこちらに~。^^
      ...
      5552さんこんばんは♪
      昨日は私の本棚にコメントをありがとうございました。
      とっても嬉しかったです♪
      なので私もこちらに~。^^

      この映画は劇場に観に行きました♪
      クリストファー・プラマーが主演だったことと
      意外などんでん返しという予告にそそられて。^^
      クリストファー・プラマーさんの演技に感服でした。
      お幾つでいらっしゃるんでしょうね..。90歳近いのではないかと思うのですが。

      5552さんは映画をたくさん観ていらっしゃいますね!
      私も洋画は好きで月1位の割で劇場に観に行くんですが
      語れるほど詳しくなくて....すぐに忘れちゃうんです。(^^ゞ

      5552さんの観られた映画のレビュー楽しく拝読させて頂いてます。
      これからもよろしくお願いいたします~♪^^
      2017/12/28
    • 5552さん
      yumiieさん、こんばんは。

      『象牙色のクローゼット』のお返しコメントだけではなく、こちらにもコメントつけていただけるとは!嬉しいで...
      yumiieさん、こんばんは。

      『象牙色のクローゼット』のお返しコメントだけではなく、こちらにもコメントつけていただけるとは!嬉しいです。
      そしていらっしゃいませ♪

      こちらの映画は本当に良かったです。
      最後のどんでん返しも驚きと哀しみが伝わってきました。
      この映画みたいなシニアが主人公の映画って、最近増えてきてますよね。
      高齢化なんだなあ、と思います。
      今まで役が限られていたシニア俳優さんの活躍の場が増えるのはいいことですけど。

      私も映画観たら結構忘れちゃうタイプで、観たらすぐにブクログに書いちゃいます(^^;
      感想をアウトプットすると忘れにくいって聞いたような...。

      これからもよろしくお願いします♪
      2017/12/28
  • 95分弱の作品ですが、最初から最後まで緊張しました。ベースは90歳の痴呆老人のロードムービーと言って良いのですが、内容が重いです。鑑賞後の胸のつかえが、しばらく取れません。「ん〜」と唸りました。

  • 心にズシンと響く映画。
    平和ボケしている私たちは、観るべき作品だと思う。
    そして、現代の戦争時代を生きてきた人たちの、実際でもあるのかなと思った。
    彼らが居なくなった世界で、また歴史が繰り返しませんように。

    彼らの痛みを、彼らの傷を、死ぬまで忘れられないものが、もう、二度と起きませんように。

  • 戦争を描かない戦争映画。

    ミステリーになっているので謎解きのように
    鑑賞していると裏切られる。脚本が素晴らしかった。
    犬を怖がる主人公ゼヴは、妻を亡くし認知症を患っている。
    自分のことも、妻のことも忘れ、余生を施設で静かに暮らすはずだった。
    復讐を思い出すまでは・・・。

    ネタバレも含みますのでこれから見るかたは読まない方が。
    ゼヴは殺された家族の復讐の旅に出るが、
    彼には一週間前に病気で亡くなった妻がおり、
    行方不明となっている自分を必死で探す息子がいる。
    殺されたのは、誰の家族なのか、という問いが生まれる。
    ユダヤ人全体を家族と考えているというよりは
    もっと強い個人的な復讐心を感じる。

    その旅でわかることは、ナチによる犠牲者はホモセクシャルなど
    の性的嗜好によってもなされたこと、そしてナチズムは終わってはいないこと。
    そして、その時代を生きた人々の多くは過去の人物となっている。
    復讐に生きることは決して幸せなことではない。
    それが、成功したとしても。
    認知症は救いですらあったはずだ。忘れられたはずだった。

    これが、大きなヒントとなる。
    愛する妻を亡くし家族に囲まれて生きるオットーと再会した時
    彼は復讐を新たに誓ったに違いない。自分自身に。そして、亡くなった家族に。
    原題「Remember」の痛烈なメッセージが刺さる。

    最後の訪問先でワーグナーを弾くゼヴ。
    ユダヤ人にとってそれは選ばないはずの選曲だった。
    そうやって少しづつ観客を真実へと誘う。

    クリストファー・プラマーは今年度(第90回)もアカデミー賞にノミネート。
    タキシード姿が楽しみ。
    現在最高齢のアカデミー受賞者でもある。
    素晴らしかった。「人生はビギナーズ」見なきゃ。

  • 割と早い段階でオチの予想はつく。

    が、それよりも『言われるがままに行動する(せざるを得なくなる)』『無関係な人を殺してしまう』『自分の意志で止められるのに止まらない』≒『ナチがやったことを追従している』こと、オチにもつながるんだが、騙されたゼブも騙したマックスも『ナチがやったことを追従している』という結末がストーリーテリングとしてすごい。

    何をもってして悪を定義するのか(できるのか)について深く考えさせられる作品でした。

  • 90歳のゼヴ(クリストファー・プラマー)は、妻を亡くしたことさえ忘れるほど物忘れが進んでいた。ある日、彼に友人マックス(マーティン・ランドー)が1通の手紙を託し、家族を殺したドイツ人兵士への復讐(ふくしゅう)を依頼する。自分と同じくアウシュビッツ収容所の生き残りで体が不自由な友人のために、ゼヴは単身でリベンジを果たそうとするが…。

    日常生活を送るのも難しいのほど重度の認知症でヨボヨボの老人がターゲットを探す旅に出るので、大丈夫なのかとハラハラしてしまいます。
    前半はほのぼのした雰囲気ですが、中盤からサスペンス色が強くなり、ラストは巧妙な大どんでん返し。地味ですが構成の妙とクリストファー・プラマーの熱演が光ります。


  • [内容解説] (Amazonより)
    70年前、家族を殺したナチスを探せ。
    容疑者は4人。手掛かりは1通の手紙のみ。

    目覚める度に失われる記憶をたぐり寄せつつ進行する復讐の旅は、やがて予想だにしない驚愕の結末へ…
    すべての謎が解き明かされるとき、あなたの見ていた世界は一転する。

    <STORY>
    最愛の妻ルースが死んだ。
    だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。
    ある日、彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。
    「覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」
    2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。
    そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー"。
    容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。
    だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―



    認知症の老人が家族を殺したナチスに復讐するための旅に出る話なのかと思い観ていたので 結末には驚かされました。
    観終わってよく考えてみると 同じ施設の友人だとばかり思っていたマックスの復讐への執念がとても強いことに改めて驚きました。
    結局は自分の復讐を手を汚さずに終えたわけですから...

    義父が認知症で施設で暮らしていますが 記憶が無くなっていくというのがどういうことなのか 今の自分には想像しづらく いつか当事者になったとしてもその時の自分にも理解など出来てはいないのではないかと思っています。
    人間は都合よく物事を忘れ 都合よく憎しみをいつまでも忘れない生き物なんじゃないのかなぁ...

  • 認知症が進行し始めているアウシュビッツに収容された記憶がある主人公のクリストファー・プラマー,の演技が秀逸だった。

    サスペンスの中に考えさせられる歴史的認識と悲しい過去が描かれている。しかし、その中でも観ていると違和感を感じることが度々あり、それが最後の結末のヒントになっていたことが観終わった後に理解することが出来た。それにしてもあの終わり方は家族にとっても衝撃だったと思う。

    ストーリー展開も内容も大変面白かった。オススメの一本。

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