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- / ISBN・EAN: 4988111251398
感想・レビュー・書評
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「羽生さん、僕たちは、どうして将棋を選んだんでしょうね。」
「さあ……ただ、わたしは今日、あなたに負けて──死にたいほど悔しい。負けたくない、それが全てだと思います。」
時に1994年、少女漫画好きの、人としてはかなりアレな、ある天才棋士のドキュメンタリー風物語。
自分が長生きできないと知っていて、将棋に文字通り命を懸けて挑む一人の人間の、青春の全て。
印象的だったのは、駒を打つ音、扇子を開閉する音。
紙媒体のお話では聞こえてこないので、とても大きく聞こえた。リーグ戦で絶え間なく駒音が響く様は特に。
私の将棋知識は「三月のライオン」「りゅうおうのおしごと」「王狩」「リボーンの棋士」くらい。
共通しているのは三段リーグの過酷さですね。
あれ?村山聖は、病弱な二階堂と、盤前で揺れる雛鶴あいのモデル?
予備知識ゼロで観始めたので、完全フィクションと思って観ていたら、羽生善治が云々と言い始めて、あれ?実話?→(停止)検索…→ネタバレ踏んだ!という変な鑑賞方法で臨んでしまいました。
そして、あれこの人、聖☆おにいさんのイエスの人か!という驚きもあり。役者ってすごいね。
村山聖九段は、羽生善治と並び称されるほどの天才だったが、幼少より重い腎臓病を患っていて「(体調が)いい日なんてないんだよ」と言う。
もしかして病気が無ければ羽生善治以上の棋士だったのでしょうか。意味のない仮定ではありますけども、つい想像してしまいます。
酔えば暴言を吐き、医者にかかるのを嫌って病状を悪化させる。
夢は素敵な恋愛をして結婚すること
名人になって将棋を辞めて、ゆっくり暮らすこと
そう言いながらも、それは叶わない、とも言う。
ひとつ願いが叶うならとの問いに「神様除去」と書く。
そういう一人の人間の一生のお話でした。
ラストで村山が夕景に上手を見上げる姿と、パッケージビジュアルの明るい光の中で下手を見つめる姿は、対比でしょうか。
原作は多少切り口が違うようで、興味あります。 -
将棋には造詣が深いわけではありません。原作も読まずに観ました。松山ケンイチさんの体型は、ガリガリガリクソンを連想させるほどです。坂田三吉と関根名人、大山名人と升田幸三、羽生名人と村山聖。アウトローと正統派。私などは、どうしても破天荒でアウトロー的な方に関心があります。
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どこまでが本当で演出かよく分からなかったが、最後の方は村山聖が乗り移ってるかのようだった。
なぜか山口恵梨子女流が出ていた。
おそらく、先崎学が荒崎学になっていた。なぜ? -
命を懸けた才能ある勝負師が29歳という若さで殉死。
短い命だと覚悟し、その青春を将棋に捧げた村山の生きざまは胸を打つ。
キャスティングでは特に、松山ケンイチはもとより、羽生先生のくせをうまく演技に生かした東出昌大は素晴らしかった。
昔、将棋マガジンという月刊誌があって、米長先生が若い才能のある棋士を突撃インタビューという企画があり、村山氏の狭く汚い部屋に訪問、漫画本に囲まれた部屋で将棋を指そうとするも、駒が足りない、急遽紙で駒をつくり対局したことや、髪や爪を決して切らない理由、森師匠との親子のような交流などを聞き出していました。
終盤は村山に聞け、病身でありながら打倒羽生に最も近くにいた男でした。 -
原作も同時期に読んだのですが、原作とはまた別ものとしてしみじみ楽しめました。
しっかり青春だったのが良かったと思います。
原作の持つエッセンス、雰囲気を原液として、うすめて飲みやすくしたスープのような映画。
映画という時間制限の中で、原作の良さを表現するという意味で正統的に完成されているのではないかと。
観ていて、甘酸っぱく、きちんと人生を感じられる。
原作はどちらかというと、師弟愛に大きな感動があったが、こちらは羽生さんとの対決側に重きがおかれた映画でした。
私としては映画だけではなく、原作も読んでほしい。
どちらも体験するとより楽しめると思います。
そしてどちらが先でも問題ないと思います。
どちらかといえば、原作からが良いかな。 -
聖が、セックスしたいがために大阪に戻ったのか、後輩の稽古をつけたいがために戻ったのか、それがはっきりと示されない場面に胸潰れた。古本屋の女性店員が、必要以上に登場しないところが良かった。また、悲しみを増幅させた。
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病のなか、命がけで将棋を打つ村山聖の姿にはいつでも感銘を受けます。
村山聖の生き方は、言葉では言い表せない何かが感じられます。
彼は、名人になることが夢ではなく、名人になって将棋をやめてのんびりと暮らすこと、恋愛をして結婚をすること、この二つが夢だと語ります。
ただし将棋が好きというよりも、名人になることに異常なほどこだわっている。
将棋に執着や呪縛のようなものを感じていたのかもしれない。
そういったことから解放されて、ただ普通の暮らしを望んでいたのかなと感じました。
死を常に意識している人の価値観は理解しがたいのだけど、生きているのが当たり前だと思ってしまっている自分に気づいてハッとさせられる。
映画は、原作が大好きなので、やはりどうしても原作と比べてしまいます。
あまり将棋界について詳しく触れず、羽生善治と村山聖との対局を中心に描いているので、原作と比べて薄味になっています。
どうしても映画として絵になる場面づくりをしている印象が拭えないところも多々あります。
色々と違和感を感じつつも、やはり役者が良かった。
松山ケンイチと東出昌大の役作りは圧巻で、最後の対局では、松山ケンイチが本物の村山聖に見えたほど。
コメントありがとうございます。嬉しいです♪
原作を先に読まれたんですね。
ネットでレビューを読んでい...
コメントありがとうございます。嬉しいです♪
原作を先に読まれたんですね。
ネットでレビューを読んでいたら「原作の方が全然良い」という意見もみられたので、読んでみたいです。いや、でも他に積読が鬼のようにある...と悩んでおります(^-^;
羽生さんとのお食事シーンは「デートじゃん、デートじゃん、大好きな人とデートじゃん」とテレビの前で盛り上がってました(笑)
あ、村山さんが実はゲイだとか言いたい訳じゃないですので、念のため(^-^;
松ケンに限らず、俳優さんの体重コントロール能力ってすごいですよね。『百円の恋』の安藤サクラちゃんとか...。
ぜひぜひ見習いたいものです。(主に痩せる方(笑))
初コメントさせていただきます。いつも
レビュー楽しく拝見させていただいていま
す(^^♪
わたし...
初コメントさせていただきます。いつも
レビュー楽しく拝見させていただいていま
す(^^♪
わたしは大崎善生さんのノンフィクション
小説の方を読みました。
もう、ボロボロ涙がこぼれました。
何度も聖の夢は近づいては遠ざかっていきます。そんな希望と絶望を繰り返しながらも腐
ることなく最期まで勝負の世界で生きた青年
の記録でした。
5552さんのレビューのおかげで、映画の方も観たくなりました♪
コメントありがとうございます。
原作の方を読まれたのですね。
良いという話を他の方からも聞いて、読もう...
コメントありがとうございます。
原作の方を読まれたのですね。
良いという話を他の方からも聞いて、読もうかどうか悩み中です(楽しい悩みですね(^-^))
映画も感動しましたよ~。
村山さんの生きざまに心打たれました。
松ケンの繊細さもはまり役でしたし。
機会があったら是非見てみてください。