尋ねて雪か (徳間文庫) [Kindle]

  • 徳間書店 (2007年10月15日発売)
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  • 好きな札幌が舞台だから評価が少々甘めだったかなあ

  • 馳星周「長恨歌」のあとがきで、書くのに影響を受けた一冊とあって手に取る。ヤクザものが、カタギの依頼者に出し抜かれ、そのせいで痛めつけられ、依頼を追ううちに、気になった別件に首をつっこんだら、捨てたはずの自らの過去と無理やり対峙させられた、といったところか。冬の札幌が舞台。狸小路や北24条の描き方はひどく斜にかまえられ(狸小路はスピーカーのわめきたてる大音声から逃れられない絶望的な街だった/たしかに落ちた。東京あたりの人間が、ここに案内されて来たら軽い自己嫌悪に陥るかもしれない。何でもあって、街は明るく、軽くて安直で安っぽかった。)。ハードボイルド小説なんだけど、どこか家族の情にひかれ、見捨てられず、名乗らず手を差し伸べようとして。最後にホテルマンのせいで素性がバレてしまい全力で逃げるけど、もうバレてるんだから逃げたってしかたくないかと思いつつ。奔走、苦悩、絶望にすこしの救い。/「金で過去から逃げられるもんか」/雪しか見えなかった。雪しかなかった。雪の声しか聞いたことがなかった/「いつだってそうなんだ。何かが起こったときはたいてい遅すぎる。しかし間に合うときは、いつだって誰も助けてやりはしない」/周章狼狽の時機は過ぎている。あとは決断と方法しかなかった/「だめだった。救ってやれなかったんだ。おれの手の間から、砂みたいにこぼれ落ちてしまった!」

  • 主人公はヤクザの幹部、ただ内面はハードボイルドな生身の人間。北海道の地でひょんなことからゴタゴタに巻き込まれる。おもしろい。
    気楽にワクワクしながら読めます。途中少し情景の描写が長いと感じるところもあるが、これも志水辰夫流という感じでしょうか。

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著者プロフィール

1936年、高知県生まれ。雑誌のライターなどを経て、81年『飢えて狼』で小説家デビュー。86年『背いて故郷』で日本推理作家協会賞、91年『行きずりの街』で日本冒険小説協会大賞、2001年『きのうの空』で柴田錬三郎賞を受賞。2007年、初の時代小説『青に候』刊行、以降、『みのたけの春』(2008年 集英社)『つばくろ越え』(2009年 新潮社)『引かれ者でござい蓬莱屋帳外控』(2010年 新潮社)『夜去り川』(2011年 文藝春秋)『待ち伏せ街道 蓬莱屋帳外控』(2011年新潮社)と時代小説の刊行が続く。

「2019年 『疾れ、新蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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