フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術 (PHPビジネス新書) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 衝撃的にスゴい本に出会ってしまいました。

    Yahooの1on1の中で紹介されていた、中原淳先生の「フィードバック入門、 耳の痛いことを伝えてで部下と職場を立て直す技術」です。

    何が衝撃的かと言いますと、
    それぞれ関連していますが、下記の5点に感動しました。

    ①分析の秀逸さ、的確さ、論理の美しさ
    ②育成に関する具体的な示唆、インタビュー、フィードバック事例の紹介
    ③各章のまとめなどユーザーへの利便性・実効性を高める配慮
    ④学術知識・理論だけでなく、実践知のTipsと、部下のタイプ別対応法
    ⑤逃げない覚悟、時間を投下する覚悟の重要性を率直に記載していること

    などに感動しました。

    神ですね。
    凄み、を感じます。
    怖いぐらいです。

    部下を持ちながら指導に苦労されている全ての人、人事担当者、管理職を目指す人、部下自身にも役に立つと思います。

    ありがとうございます。

  • 「部下の行動を改めさせて、部署を良くし、業績を上げるためにフィードバックを行うなら、下準備をしておき、フィードバックは手順を踏んで行わなければならないし、何よりも『嫌われてもいいという覚悟』をもって、部下に向かわなければならない」ということを丁寧に優しく解説してくれる一冊。

  • 企業でコーチングもティーチングも受けてきた二十代部下です。今後、子供たちの学習ボランティアに携わるため、伝え方を学びたくて本書を手に取りました。良書です。『入門』といいながら超実践的。著者が、研究者及びフィードバックする立場であることと、海外の参考文献の記載が多くあることで、信頼の置ける書籍だと思います。

    以下、印象に残った箇所です。
    ▶コーチングとは、上司が部下への問いかけにより現状とゴールを意識化させ、行動計画を共に立てる技術。コーチングやティーチングのどちらかだけでは、部下の行動変容を促すことは難しい。
    →ティーチングを古臭いマネジメントと捉えていましたが、事実や成果を正確に伝えるティーチングは確かに必要だったと同意。どちらも取り入れたフィードバックの重要性に気付かされました。

    ▶フィードバックの前提として、信頼関係が大事
    →自身の経験から、強く同意します。反りが合わない上司がいて、評価面談で個室に二人になるのが怖くてたまりませんでした。同期の精神的な問題に対して、この上司に助けを求めた際に、人となりが分かり、その後は信頼の置ける上司に変わりましたが、忘れられない経験に。
    教訓は、年の離れた部下は宇宙人のように見られているのを自覚すること、部下は多少演技してでも上司に可愛がられるように努めること、周りの先輩に上司の人となりを聞いて早めに関係構築することです。業務の効率が上がり、みんながハッピーになれる気がします。

    ▶従業員が成長する職場環境とは、ストレッチ経験の量✕職場メンバーとの関わりが、どちらも多い。
    →どちらも多かったとしても、個人の特性によって逆に成
    果が出にくいこともありそうだと思います。そうなると、上司の采配がやはり重要だなと。
    わたし自身は両方とも多い環境で働きたいタイプだと気づきました。もしそのような環境がなくても、上司と業務レベルを調整したり、職場のつき合いを調節することはできるので、部下も職場をアレンジする力が必要だと感じています。

    子供たちと関わるには、まずは信頼関係を築くことが大切。勉強を教える前に『よく観察する』『黙って聞く』『質問する』ことを徹底したいです。

  • チームを任される立場になると、新たな悩みが増えてきます。

    頼んだことができていない。

    みんなバラバラで統一感がない。

    こんな時、下手な言い方をして「パワハラだ!」と言われたら困るし、関係が悪くなってしまったらどうしようと心配する方もいますよね。

    最近では「コーチング」に注目が集まっていますが、わたしは「ティーチング」が必要な場面と、「コーチング」の方がよい場面とで分けて考えた方がいいのではないかと思っていました。

    中原淳さんの『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』は、その辺りの考えの補強ができ、とてもありがたい本でした。

    「フィードバック」は、なぜ必要なのか。

    ひと言で言うと、相手の成長のためです。どんなに厳しいことでも、言いにくいことでも、それが相手の成長に必要なのであれば伝えるのがマネジャーの役目。

    そして、どんなに「いいこと」を言われても、納得がなければ相手の行動が変わることはありません。

    効果的なフィードバックの方法はふたつ。
    1. 情報通知:いわゆるティーチング
    パフォーマンスに対して、理想と現実のギャップを把握することが目的です。
    2. 立て直し:いわゆるコーチング
    自らの行動を振り返り、今後の行動計画をたてる支援をします。

    現役マネジャー3人によるフィードバック事例も、マネジャー自身の不安と迷いの声が聞けてよかったです。

    先日、富士通が「優秀なマネジャー像」を解明したとニュースになっていました。
    https://diamond.jp/articles/-/265174

    上の記事によると、高い成果を上げているマネジャーはコーチング型のマネジャーだったのだそう。しかも持続性もあるとのことでした。

    いまはまだ上意下達の体育会系マネジャーが多いのかもしれませんが(自分たちがそう育っているので)、長期的な成長は常に視野に入れておきたいところ。その手助けとなる一冊です。

  • 「フィードバック」とは何か、なぜ必要なのか、どのよう行うのか、詳細な説明がありイメージしやすかった。

    個人的には「人から指摘される痛みを最近味わってないなという人がいたら、それは自分の実力がついたからというより、成長が止まりつつある危険信号」を読んで背筋が凍った。凝り固まってしまわぬよう、意識的にフィードバックを受けて成長できる場をつくっていきたい。

  • 耳の痛いことほどフィードバックする。本当に部下を変えたいならここまでしなければいけないと感じました。良い本でした。

  • Kindle unlimitedに入っていたので読んだ。マネジメントをする立場ではないが、他人の仕事のプロセス、成果物に対して問題がある点を指摘するケースが時々あり、そして伝わらないことも多いので、やり方を模索する際の参考として読んだ。
    自分の目的に対しては、タイトル通り人のマネジメントでネガティブな評価をどう伝えるかなので直接的な参考にはならなかった。

    第一章は前段としてフィードバックが必要となる時代背景や課題を整理。
    第二章はまず業務・職場のとらえ方として「ピープル軸」(業務支援、内省支援、精神支援)「経験軸」(情報通知、立て直し)を導入し、その観点でフィードバックが有効な手段であることを解説する。そのうえで、フィードバックに当たりSituation状況, behavior行動, Impact影響の情報を収集することなどをはじめとするフィードバックの論理を説明する。
    第三章は実践のための手段を解説する。第四章は人のタイプ別のフィードバック事例を解説する。第五章は全体振り返りも兼ねたセルフフィードバックを解説する。

    人のマネジメントにおいての一例としては参考になると思う。

  • 自分の甘い部分を正されている気分でした。
    腹をくくってください、逃げないでください
    の言葉にドキッとした。


    フィードバックを受けた人を孤独にしない
    ストレートに、しかし決めつけない
    傍観者タイプにははっきり傍観者に見えると伝える
    具体的に指摘する
    耳の痛いことを言った後は無駄に褒めない
    など。

    定期面談では、うまく行ったこと・行かなかったことを聞く

    受け入れて、攻める
    負けて、勝つ

  • 部分部分は納得感高いところもかなりあるものの、全体にうっすらと上司は正しく判断してフィードバックをしているという前提が感じられ、煩雑系のお仕事が多い中ではそれは前提にできないのでは、というモヤモヤが最後まで残った。

    もちろん、上司は覚悟を決めて、丁寧にメンバーに寄り添うなかで「耳の痛い」こともフィードバックしながらやらなければ行けない瞬間がある、ということそのものに異論はないけれど。

  • 前職は評価の伝え方は超適当でしたが、現職はきっちりされている感じがあり、Managerへの教育によってかなり違うなぁと思わされている今日このごろ。
    「本来のフィードバックは、単に結果を通知するだけでなく、そこからの立て直しをも含む概念です」、「管理職の責務は組織と個人を良くすること」だよなぁ。肝に銘じます。

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著者プロフィール

立教大学経営学部教授

「2021年 『中小企業の人材開発』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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