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- / ISBN・EAN: 4988021715171
感想・レビュー・書評
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死んだ者の怨念と生きてる者の欲、そして破滅。きわめて古典的な怪談の型にはまってるわけだけど、どうしてだろう、ひどく心を揺さぶられた。あっち側とこっち側の境目がだんだんあいまいになってくる感覚が快かった。
以下ネタバレありの備忘録。
*マリーの髪型と服めっちゃ可愛い。
*フランス人は怖がるリアクション派手。
*ジャンはちょっと時給の高い仕事見つけると高そうな店でエスカルゴ食べちゃうようなお調子者なんだよね。馬鹿だなあって思ってみてたけど、あれ生きてる者の滑稽さを示す大事なシーンだったかも。
*写真撮ってもらいに来るおばあちゃん、池の近くでジャンが出会うおじいちゃん、死に近い者のふっきれたところに抜群の安心感あった。あのおばあちゃん出てきた瞬間、あっち側怖くないねと思えるところが強い。
*植物園が水銀で枯れちゃうところ、哀しかった。
*ジャンとマリーがもうどこにも行き場所なんてないのに車で遠くに行くところは『散歩する侵略者』の最後のほうの車の場面思い出して泣けた。 -
言いたい事があり過ぎて、何をどう言ったらいいのかよくわかりません。
ただ、何が恐ろしいって、フランスまでわざわざ出張ったにも関わらず、小津の階段落ちを平然と、しかも恐ろしい精度で撮ってしまう黒沢清の人を人とも思わぬ欲望の頑なさが、何よりも恐ろしい。一体これはどうなっているんだろうか。
文字通り不在の恋人に向かって、話しかける主人公。いないもんはいないのだと言う厳然たる残酷さ。
ただ、こういうエモーショナルなシークエンスは彼の映画で初めて湧き上がるもののような気がする。
ほんとに、いい旅だったね。
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2016.10.15
新宿シネマカリテで鑑賞(3.5点) -
(2016年作品)