ダゲレオタイプの女[DVD]

監督 : 黒沢清 
出演 : タハール・ラヒム  コンスタンス・ルソー  オリヴィエ・グルメ  マチュー・アマルリック 
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Amazon.co.jp ・映画 / ISBN・EAN: 4988021145923

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  • La Femme de la plaque argentique
    2016年 日本+フランス+ベルギー 131分
    監督:黒沢清
    出演:タハール・ラヒム/コンスタンス・ルソー/オリヴィエ・グルメ/マチュー・アマルリック
    https://www.bitters.co.jp/dagereo/

    世界最古の写真技術ダゲレオタイプで写真を撮り続けているカメラマンのステファン(オリヴィエ・グルメ)の助手に応募し、採用された若者ジャン(タハール・ラヒム)は、ステファンの娘でモデルを務めているマリー(コンスタンス・ルソー)と惹かれ合うようになる。写真撮影のために長時間動けない過酷なモデル仕事を強いてくる父親の支配からマリーは逃れたがっており、好きな植物園の仕事につくため家を出ようと考えていた。しかしその矢先、真夜中にマリーが階段から落下し…。

    前半は、黒沢清のわりにホラー色薄め。かつてステファンのモデルを務めていた妻ドゥーニーズ(ヴァレリ・シビラ)は温室で自殺しており、ステファンは時折みる彼女の幽霊に苦しめられているけれど、ぼんやりした登場しかしないし、脅かすような音楽もない。しかし真夜中に妻の幽霊と遭遇したステファンがうろうろする足音で目を覚ましたマリーがやってきて、唐突に階段から落ちたところから謎展開。

    階段から落ちただけなのに、ステファンは救急車を呼ぼうともせずマリーが死んだと嘆いているだけ。そこに仕事で早起きのジャンがやってきて、口ではステファンに救急車を呼べと言ってるわりに、なぜか自分でマリーをお姫様抱っこ、車で病院に連れて行こうとする。いやいいから救急車呼べよ、とこのあたりから脳内ツッコミが止まらなくなる。

    生きてるのか死んでるのかわからないマリーを車の後部座席に乗せて車を飛ばすジャン、しかしマリーのコートの裾がドアに挟まっており、スリップした拍子にドアが開いたのか、湖の傍でジャンが後部座席を確認するとマリーの姿がない。え、湖に落ちた?と思いきや…突如無傷でジャンの前に現れるマリー。このへんからもう、マリーは死んでるんだな、これは幽霊か、ジャンの妄想だなと。そういう設定自体は好きなんだけどなー。黒沢清は『岸辺の旅』のときも「なんか違う」って感じ。これは単に私の好みの問題で。

    ステファンはステファンで、マリーは死んだと嘆いており、死んだ死んだって言うわりに娘の葬式も出さないしそもそも遺体がない。ジャンのほうは、アパートでマリー(の幽霊かイマジナリー)と同棲を初めている。

    一方で、ステファンの友人ヴァンサン(マチュー・アマルリック)の従兄弟のトマという不動産業者が以前からステファンの屋敷を売らせたがっていたが、ジャンはこれに協力することで手数料を貰いマリーとの新生活に充てようと画策。純朴そうだったジャンがどんどん狡猾な言動をするように。しかし頑固なステファンは屋敷を手放さなず、計画の狂ったジャンは追い詰められる。

    ステファンのほうは妻の幽霊に脅かされ、マリーの死もありメンタル崩壊、ついに拳銃自殺を遂げてしまう。その遺体を発見したジャンは、なぜか警察も呼ばず、偶然訪問したトマに「こんなことになったのはお前のせいだー!」と問答無用で射殺。いやトマじゃなく自分のせいだろ。どいつもこいつも自己中で言動がおかしい。

    ジャンはアパートに戻りマリーと一緒にドライブに出かける。途中で教会をみつけ、ここで結婚しよう!と即席の宣誓をする。そこへ神父さんだか牧師さんだかが登場。勝手に入っちゃダメと叱られる。そこにはジャンしかいない。想像通りのオチ。車に戻ったジャンは、誰もいない助手席に話しかけ、一人で会話し、戻ることを決める。

    結局序盤で好青年ぽかったジャンが一番サイコパスでしたという話で、登場人物全員が利己的な言動をするので誰にも感情移入できず。ダゲレオタイプという撮影方法、永遠に写真の中で生きる=魂まで写し取られて本体は死んでしまうかのような設定も、あんまり生かされてなかった気がする。

    余談ですがマリー役の女優さん、前田あっちゃんをめっちゃスレンダーにしたような感じの顔立ちで、きっと監督のタイプなんだなーと思いながら見てました(笑)

  • どこから現実でどこからが登場人物たちの幻想なのかという境目がわからなくなる感覚に陥る作品だった。写真を撮る者と撮られる者、幽霊等、独特な雰囲気や演出、登場人物達を縛る幻影の撮り方は美しいが、ストーリー後半がそれらについていけていない印象があった。

  • 映画の内容を全く知らないで見始めたので、しだいにホラーというか幽霊話になっていくのが意外な感じがした。後で監督は黒沢清と知る。それならホラーしかないのに。

    等身大のダゲレオタイプの写真機というのがなんとも魅力的。これだと写真を通じて実在の人間が出てきたり、人間を吸い込んだりしてもおかしくない気がする。

    場合によっては2時間も姿勢を崩せないということで、そのための筋肉を固める有害なものを飲んでいたり死の影が漂う。実際その写真の昔の女性が幻として現れる。そして実在するその娘。彼女は階段から落ちてひどい怪我をしたはずが、病院に行く途中でなおっている。どうもこの事故で亡くなっているようで、そのことに写真助手の主人公の青年は気が付かない。亡くなったのなら葬式といった話になるのがちっともそうはならない。最後は写真家は自殺、それは開発業者のせいだと青年は彼を殺す。しかし、これも葬儀とか警察といった話は飛ばして、彼女と旅に出る。それがそう不自然に感じない。すでに幻想的な世界になっているのだ。

    死んだ者とそれを知らずに暮らしていて健康を害するというのは怪談ものの王道だ。しかも、主人公が欲に目がくらんでいくのもパターン。ホラーとかオカルトというより怪談映画のタッチでフランス映画にするというあたりが新味。ただオチが見えているので、さほど新鮮さは感じなかった。

  • なんだろう、黒沢清の映画は、舞台が日本だからこそあのような湿度と不穏さをまとっているんじゃなかろうか。
    とはいえヨーロッパの俳優がすごく美しく艶めいて撮られていた。
    海外で撮影するからには、拳銃はぜひとも使いたかったのだろうか。

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