湯を沸かすほどの熱い愛 通常版 [DVD]

監督 : 中野量太 
出演 : 宮沢りえ  杉咲花  松坂桃李  オダギリジョー 
  • TCエンタテインメント
4.03
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4562474185417

感想・レビュー・書評

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  • 泣きました。宮沢りえさんの演技は凛として何も言わなくても説得力がある。熱い愛があれば血が繋がってなくても母親はできる。

  • なんだろ。いろんな矛盾があって、割り切れなくて、でも論理を超えて好き嫌いがあって。生きてるって、人間って素晴らしいなぁと思う映画。

  • 俳優陣の演技が素晴らしかったです。特に宮沢りえと杉咲花ちゃん。心に残る作品です。
    ラストびっくりして、「え、え?!?!私の理解合ってる?!」となり、見終わった後いろんな人の感想をググってしまいました(笑)

  •  死期の迫った者(とその「家族」)のわがままを、周囲の人たちはどの程度許容できるものなのか。そう自分に問いかけたくなる場面がいくつかあった。幼いときに自分を置いて家を出て行った母親が自分との再会を拒絶したことに腹を立てて物を投げつけるという双葉(宮沢りえ)の暴力的行為は、それがもし母親だけに向けられていたならば多くの観客の共感を得たことだろう。ところが実際には、居間での一家団欒の光景(母親の他に、再婚先で生まれた娘とまだ赤ん坊の孫とがいる)を塀の外から盗み見た彼女は、手近にあった犬の置物をあたかもその光景そのものを破壊せんとばかりに居間に向かって投げつける。窓ガラスが割れる音と慌てふためく母親たちの声、連れの男に急かされて双葉はその場を後にする。劇中では、双葉が窓ガラスを割った結果どうなったのかは映されていない。だから、もしかしたら被害を受けたのは窓ガラスだけで、孫は変わらずにすくすくと成長し、母親は自分が捨てた娘からの些か暴力的なメッセージを恐怖だか後悔だかを以て受け止めて余生を過ごしたのかもしれない。しかし、罪のない赤ん坊の身を危険にさらした双葉の(わがままな?)行為が何の制裁も受けずに流されてしまうのは、どこか見ていて歯がゆくなる。もちろん末期がんに掛かっている双葉はこの後実際に死ぬのだから、それが一種の制裁であると言えなくもないのだが、だからといって自分の死を理由にして他人を死の危険にさらしてよいことにはならないだろう。
     これに比べると、エンディングの火葬の場面は、もっと容易に許容することが出来る。ああした火葬の仕方がおそらくは違法であり、私個人としては生理的な嫌悪感を抱かないではないけれども、他人の生活を侵害するわけではないし、弔いの仕方など外から口出しするものでもないだろう。

     追記:子役の健気な演技が良いです。

  • めちゃくちゃ良かった。
    いつもそうなるとは限らないけど、つらいことに立ち向かわせるパワー。
    朝からしゃぶしゃぶするのは笑った。

  • これは評価出来ない!!けど忘れられない映画になりそう。ストーリーにはお、おう…と引いてしまいがちな強引なところがかなりあるけど、言いたいことはビシバシ伝わってくるのでボロッボロ泣いてしまった。特に終盤、杉咲花ちゃんが弱りきったお母ちゃんから目を背けず涙を堪えながら強い表情でお母ちゃんを絶対一人にはさせないから!と言ったシーンが最強でした。それはたぶん、私が母ではなく、まだ子だからなんだろうな。

  • 期待せずに観たら、宮沢りえと杉咲花の演技に引き込まれてしまって前半は涙ぼろぼろ。
    まっつっ込みどころは多々(いくら何でも、思春期の女子が教室でブラ&パンツ姿にはならないっしょとか、旅先で入った食堂でいきなり従業員をビンタしないっしょなどなど。)
    あったけど、なんだろ飽きずに最後までちゃんと観られたとこは評価できるかな。
    でも宮沢りえの”おかあちゃん”はすごく良かったんだけど、やっぱあの美貌が邪魔してるよね。オノマチとかのほうが多分しっくりくる。
    杉咲花ちゃんって演技もいいけど。”声”がすごくいい。発声の仕方とか魅力的。
    ラストでのあの赤い煙、みなで銭湯に入って…
    で、だからあのタイトルかぁってなるんだろうけど奇をてらいすぎじゃないか、個人的にはあまり好きじゃないな

    湯を沸かすほどの愛 2016年 125分 地上波
    監督 : 中野量太
    出演 : 宮沢りえ 杉咲花 松坂桃李 オダギリジョー
    りりぃ 駿河太郎

    最高の愛を込めて、葬ります。

  • それぞれ親子関係にいわくがあります。それでも、母と娘に強い絆が生まれますが、納得できるのは、3人の素晴らしい演技の賜物です。オダギリジョーはダメ夫ですが、優しさはある設定ですよね。なのに、見舞いに行かないのは不自然。タイトルにオチをつけたラストも美しい流れを乱されたようで、要らないと思いました。

  • 題名の通りの物語でした。
    死後にやり残したことをする物語としては、僕の生きる道など、日本でも海外でも多くありますが、この映画は、もともと情熱的な女性が、娘のために、ときには厳しくあたるところ、見終わったあとの不思議な幸福感があること、など、ほかの余命ものとは少し違う印象を持ちました。
    自分がいなくなった後、娘が明るく笑っていきていける環境を作る情熱的な愛情と、境遇を同じくする愛情に恵まれない人も包容し、叱咤激励していく姿に涙が止まりませんでした。

    とにかく宮沢りえと杉咲花の親子の演技が凄い。
    とくに杉咲花ちゃんは、泣きの演技で何度もらい泣きをしたことか。

    一番大きな愛を感じたのは、手話が理解できる理由が判明したとき。

    こんなにも子供のために行動は出来ないですが、情熱的に生きていきたいと思わせる作品でした。

  • 中野量太監督・脚本、2016年作。宮沢りえ、杉咲花、伊東蒼、松坂桃李、オダギリジョー、伊東蒼出演。

    <コメント>から
    •テーマ
    双葉は家族関係に恵まれずに育った。なのに死の直前になってようやく家族関係に恵まれ、幸せの絶頂に達しながら他界するというパラドクス。

    •映画の作り
    ストーリーがわかりやすく、かつ、要所に泣ける場面が盛り込まれており、良い意味でエンタメ要素にあふれた佳作。
    それでいて、次のような、観衆を突き放す「スパイス」も随所に散りばめられ、監督はなかなかの策士である。「辛口カレー」が食べられない人には楽しめないかな。
    …6分 絵の具をダメにされ服を汚される。
    …18分 ブラとショーツのプレゼント
    …19分 オタマで額を殴打、
    …43分 下着姿と牛乳ゲロ
    …53分 鮎子旧宅前でおもらし、ドアノブにパンツ遺留
    …70分 拓海にだきつく双葉、双葉に身を寄せる拓海
    …75分 双葉が突如として君江をビンタ
    …86分 車にいない双葉、外で倒れている
    …99分 母宅に置物投げつけてガラス割る
    …ラスト 何かを燃やして沸かしたお湯に家族が浸る(一部で双葉を燃やしたという話もあるが、常識的ではない。もしかして…的な監督のスパイスにすぎないだろう)。

    •印象に残るセリフ
    …(制服を取り戻した安澄が双葉に向かって)
    「お母ちゃんの遺伝子、ちょっとだけあった」
    …(家出した鮎子が翌朝のしゃぶしゃぶ朝食の食卓で)
    「これからはもっと一生懸命働きます。どうかできればで良いのですが、この家にいたいです。でも、まだママのこと、好きでいてもいいですか?」
    …(安澄が手話で話しながら初めて会った君江に向かって)
    「母がいつかきっと役に立つ時が来るから勉強しときなさいって」

    •しつけのスタイル
    双葉の躾のスタイルには批判もあるようだ。いじめられて学校に行きたがらない子を、負けちゃダメだと無理に行かせる、君江に挨拶に行かせるために、無理やり車から引きずり下ろす。
    しかしね、成長過程にある子供の価値観を尊重することほど無責任なしつけはない。親なら、今まで生きてきた人生のさしあたりの結論である自分の価値観を、子どもに示すのは当たり前。子はそれを起点に自分の価値を形成していくものだし、その形成過程を全力で支えるのが親の役目でありしつけというものだろう。
    •双葉のカラーは赤。赤い車、まゆちゃんからの赤い花、赤い花びら、煙突からの赤い煙。
    •宮沢りえがハマリ役、というか最近見るからに病気じゃないかと心配になる出で立ちだからこそのハマリ役なのか。それと杉咲花さんが好演。若いのに立派。伊東蒼さんもよかった。

    <あらすじ(ネタバレ)>
    幸野双葉(宮沢)は娘の安澄(杉咲)と二人暮らし。安澄が学校でいじめられても休ませず、立ち向かえとハッパをかける。
    仕事中に倒れた双葉は末期がんで余命2ヶ月と知らされ、死後の環境整備のため、逃げた夫の一浩(オダギリ)を、連れ子の鮎子(伊東)ごと家に連れ戻し、家族全員で、休んでいた稼業の銭湯を再開する。
    ある日、女3人で温泉旅行に出かける。狙いは本当の母である君江(篠原)に安澄を引き合わせることだった。途中、ヒッチハイカーの拓海(松坂)を乗せ、再会を約束。安澄は口のきけない君江と会い、手話で応える。娘2人が車に戻ると双葉は外で倒れており入院。
    家族の生活のめどがたったことで双葉はようやく自分を振り返るようになる。そして幼い頃自分を捨てた母に会いたくなる。探偵に連れられて母宅に行き、探偵が面会したところそんな娘はいないとの返事。外から室内を見ると、母が孫達と楽しそうにする姿がみえ、門柱にあった置物の犬を投げつけて逃げる。
    病状は日に日に悪化していくなか、拓海が銭湯を訪問、君江も合流、鮎子は友達と千羽鶴を折っていた。一浩は病院の庭に家族ら6人で組体操のピラミッドを作り、家族の結束を双葉にアピール。双葉は死にたくないと。
    見舞いに来た安澄は、涙を隠しながら笑顔で、一人ぼっちにさせない、もう大丈夫と語りかけ、安堵の表情で双葉は他界。煙突から、双葉の好きな赤い煙の湯船にみんなで浸かって幕。

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著者プロフィール

1973年京都府育ち。京都産業大学卒業後、日本映画学校に入学。2000年卒業制作『バンザイ人生まっ赤っ赤。』が日本映画学校今村昌平賞、第1回TAMANEWWAVEグランプリなどを受賞。卒業後、助監督やテレビディレクターを経て、自主短編映画『ロケットパンチを君に!』で、ひろしま映像展2006グランプリ、第10回水戸短編映像祭準グランプリなど7つの賞に輝く。2008年文化庁若手映画作家育成プロジェクトに選出され、35mmフィルムで制作した短編映画『琥珀色のキラキラ』が高い評価を得る。自主長編映画『チチを撮りに』が、SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2012にて、日本人初の監督賞を受賞、第63回ベルリン国際映画祭を皮切りに各国の映画祭に招待され、国内外で14の賞に輝く。2016年商業デビュー作となる『湯を沸かすほどの熱い愛』が、第40回日本アカデミー賞・最優秀主演女優賞、最優秀助演女優賞など、国内映画賞で35冠。第90回米アカデミー賞外国語映画部門の日本代表に選ばれる。2019年初の原作モノとなる『長いお別れ』を5月に公開、ロングランヒットに。独自の感性と視点で、家族を描き続けている。

「2020年 『浅田家!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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