社員の力で最高のチームをつくる―――〈新版〉1分間エンパワーメント [Kindle]
- ダイヤモンド社 (2017年2月23日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (175ページ)
感想・レビュー・書評
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情報共有の大切さ。正確で不足なくタイムリーに必要な情報が共有されていない部下は正しい行動と判断ができるわけがない。そして何より、本人はそれを信頼されてない証とみる。
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さほど心動かされず
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端的に言えば、現場に権限を持たせ、自主的に事業運営を図ることだ。
記載されていることは今の時代には特に刺さるだろう。
自分のことを振り返れば、昔の当社は特に現場の力が強かったと思う。
「ステークホルダー」以前に「モノ言う株主」すら言われていない時代の話。
ある意味で現場は結構自由にやっていたし、事柄によっては強引で、今の基準ではガバナンス上問題となりえることも結構平気でやっていた。
だからこそ「リスク管理」「ガバナンス」という事が言われてきたのだろう。
一方で行き過ぎたリスク管理によって、現場は委縮し「上司に忖度」なんて言葉も生まれてきてしまった。
今の時代のルールでは現場が面白がってある程度勝手にやることは難しいだろう。
しかしそれを壊すことなく、敢えて現場に権限を持たせる方法。
これがまさに本書に書かれていたことなのだと思う。
確かに社会は大きく複雑化している。昔を懐かしんでいても何も進まない。
ゲームチェンジしたのだから、新しいルールを早く理解して、それに合わせて戦うだけだ。
生き残りたければプライドなんて捨てて実行しろということだ。
巻末の星野会長の言葉が一番心に刺さった。
親から事業継承した旅館の建て直し。これは相当に大変なことだっただろう。
従業員だってサボっている訳ではない。
きちんと働いているのに、業績が日々悪化しているのだ。
これはあくまでも「従業員の基準できちんと働いている」からだったからだ。
顧客目線は当然であるが、会社の基準・価値観としてその従業員の行動は合致していたのか。
その視点が非常に重要なのだ。
そのために必要なのは、まずは「情報公開」だ。
しかしこれが当社でも今でも上手に出来ていない。
なぜ人は権力を持つと情報を囲いたがるのだろうか。
人間の本能なのか、自らの地位を守るため、ノウハウも含め情報は絶対に外に出さなくなる。
そういう考えの人は今でも存在する。
「積極的に情報公開しろ」と言っても、ありとあらゆる言い訳をして避けていく。
やはりトップが主導してドンドンと情報公開していくに限るが、これがまた本当に難しい。
経営と現場ではそれぞれ視点が異なるからだ。
経営の情報を現場で分かる形に誰かが翻訳しなければいけないのだが、これが悩みの種だ。。
全員が決算書を読める訳ではない。そもそも決算書だけでは会社の一部分は見えるが、それが本質ということでもない。
この辺の誰に向かってどういう情報を伝えるのかが本当に難しいのだ。
現場の情報を経営に上げる際も同様。
経営からすれば、細かい話をされてもどうしてよいか分からない時が多い。
適切な翻訳者が社内に存在すればよいが、それも無理な話だ。
現場は無数に存在する。それら各々に合わせて翻訳が出来る万能な人がいるはずがない。
そうなると、経営と現場とで対話を繰り返し、お互いの理解を深めてすり合わせをしていくしかない。
「こういう数字はどういう意味か」
同じものを見ていても立場によって視点は異なる。
この対話が出来るかどうかが鍵なのだ。
そこが動き出せば、第2・3の鍵は開きそうに感じる。
第1の鍵を開けることがどれだけハードルが高いか。
それでもその重い扉を抉じ開けないと未来はない。
勝ち残りたければプライドを捨てて実行するだけなのだ。
(2022/1/20) -
基本的には人は皆よく有りたい、進歩したい、という欲求があるという本質(性善説?)の上にたっている。
その上で会社のビジョン、ミッションを共有し、必要な権利と責任を追わせることで仕事の質があがり、従業員主導で目的を達成できる。
マネジメントの仕事は管理することではなく、目標を明確にし、従業員とビジョンを共有すること。 -
シンプルな故に深くて難しいメソッド。
経営者の覚悟がなければなし得ない。
一部門でできることはあるのだろうが限界あるかなぁ。
それでも今よりは良くなる部分は多いと思います。 -
星野リゾートのネタ本(?)みたいに感じる本 星野佳路さんが教科書にしているというのは間違いではなさそう
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・『1分間・エンパワーメント』
星野リゾート代表の星野さんがおススメしていた本を
読みました。セルフマネジメントができるチームをいかに作り上げるか
というテーマの本だったのですが、しきりに言っていたのが
「情報共有の徹底」と「責任範囲の明確化」、「価値観の共有」、「失敗の許容」、、
など。前提として、人は勝手に自律して動くことはないので、
考えて行動するための情報を提供してあげたりとか、どこまでが自分が責任をもってやるべきところなのか
などを明確にする必要があるとの話でした。SHAのチーム作りに取り入れたいなーと思いました。