社員の力で最高のチームをつくる―――〈新版〉1分間エンパワーメント [Kindle]

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  • 情報共有の大切さ。正確で不足なくタイムリーに必要な情報が共有されていない部下は正しい行動と判断ができるわけがない。そして何より、本人はそれを信頼されてない証とみる。

  • さほど心動かされず

  • 端的に言えば、現場に権限を持たせ、自主的に事業運営を図ることだ。
    記載されていることは今の時代には特に刺さるだろう。
    自分のことを振り返れば、昔の当社は特に現場の力が強かったと思う。
    「ステークホルダー」以前に「モノ言う株主」すら言われていない時代の話。
    ある意味で現場は結構自由にやっていたし、事柄によっては強引で、今の基準ではガバナンス上問題となりえることも結構平気でやっていた。
    だからこそ「リスク管理」「ガバナンス」という事が言われてきたのだろう。
    一方で行き過ぎたリスク管理によって、現場は委縮し「上司に忖度」なんて言葉も生まれてきてしまった。
    今の時代のルールでは現場が面白がってある程度勝手にやることは難しいだろう。
    しかしそれを壊すことなく、敢えて現場に権限を持たせる方法。
    これがまさに本書に書かれていたことなのだと思う。
    確かに社会は大きく複雑化している。昔を懐かしんでいても何も進まない。
    ゲームチェンジしたのだから、新しいルールを早く理解して、それに合わせて戦うだけだ。
    生き残りたければプライドなんて捨てて実行しろということだ。
    巻末の星野会長の言葉が一番心に刺さった。
    親から事業継承した旅館の建て直し。これは相当に大変なことだっただろう。
    従業員だってサボっている訳ではない。
    きちんと働いているのに、業績が日々悪化しているのだ。
    これはあくまでも「従業員の基準できちんと働いている」からだったからだ。
    顧客目線は当然であるが、会社の基準・価値観としてその従業員の行動は合致していたのか。
    その視点が非常に重要なのだ。
    そのために必要なのは、まずは「情報公開」だ。
    しかしこれが当社でも今でも上手に出来ていない。
    なぜ人は権力を持つと情報を囲いたがるのだろうか。
    人間の本能なのか、自らの地位を守るため、ノウハウも含め情報は絶対に外に出さなくなる。
    そういう考えの人は今でも存在する。
    「積極的に情報公開しろ」と言っても、ありとあらゆる言い訳をして避けていく。
    やはりトップが主導してドンドンと情報公開していくに限るが、これがまた本当に難しい。
    経営と現場ではそれぞれ視点が異なるからだ。
    経営の情報を現場で分かる形に誰かが翻訳しなければいけないのだが、これが悩みの種だ。。
    全員が決算書を読める訳ではない。そもそも決算書だけでは会社の一部分は見えるが、それが本質ということでもない。
    この辺の誰に向かってどういう情報を伝えるのかが本当に難しいのだ。
    現場の情報を経営に上げる際も同様。
    経営からすれば、細かい話をされてもどうしてよいか分からない時が多い。
    適切な翻訳者が社内に存在すればよいが、それも無理な話だ。
    現場は無数に存在する。それら各々に合わせて翻訳が出来る万能な人がいるはずがない。
    そうなると、経営と現場とで対話を繰り返し、お互いの理解を深めてすり合わせをしていくしかない。
    「こういう数字はどういう意味か」
    同じものを見ていても立場によって視点は異なる。
    この対話が出来るかどうかが鍵なのだ。
    そこが動き出せば、第2・3の鍵は開きそうに感じる。
    第1の鍵を開けることがどれだけハードルが高いか。
    それでもその重い扉を抉じ開けないと未来はない。
    勝ち残りたければプライドを捨てて実行するだけなのだ。
    (2022/1/20)

  • 基本的には人は皆よく有りたい、進歩したい、という欲求があるという本質(性善説?)の上にたっている。
    その上で会社のビジョン、ミッションを共有し、必要な権利と責任を追わせることで仕事の質があがり、従業員主導で目的を達成できる。
    マネジメントの仕事は管理することではなく、目標を明確にし、従業員とビジョンを共有すること。

  • エンパワメント

    エンパワーメントとは、メンバーがもつ知識経験モチベーションを解放し、驚くべき成果を上げること。
    星野リゾートで採用し、社員が自律的に動く会社へ変われたことから星野さんが絶賛している。
    まず初めにやるべきが全従業員への情報公開ということで、この段階で大半の企業が二の足を踏むと思う。
    しかしこの本で書かれていることは非常に腹落ちするし、これからは言われたことだけピラミッド組織でやっていても競争に負けるため、非常に大事な考え方だと思う。
    成果が出るまで時間がかかる中で信じて進めるかが肝。

    ◯社員のモチベーションを高める鍵
    1. 正確な情報を全社員と共有
    2. 境界線を明確にして自律的な働き方を促す
    3. 階層組織をセルフマネジメントチームで置き換える

    ◯本書モデルの会社の現状
    ・社員に意思決定の権限を与えても自然に変化は起こらなかった。社員の顔には変化を拒むノーと言う文字が書かれているようだった。
    ・トップが社員を信頼していない。社員は好きなことをしたいが責任は取りたくないと思っていると考えている。

    ◯エンパワーメントとは
    ・エンパワーメントの核心にはオーナーシップの感覚がある。すなわち、この仕事は自分の仕事というように自分のこととして主体的に向き合う態度。
    ・一人一人が経営者意識を持ち、失敗を学習機会と考える文化になる。
    ・トップが考え方を変えなければ始まらない。
    ・エンパワーメントの国に向けて進んでいるか、分かりやすいベンチマークがない中、道を探しながら旅そのものを信じて進まなければならない。
    ・エンパワーメントされた組織では管理者は不要になるのではなく、部下と組織の目標の結節ピンとなる。

    ⚪︎三つの鍵の詳細
    ◯1. 正確な情報を全員と共有
    ・正確な情報(会社のパフォーマンスがわかる)、タイムリー)なくして責任ある仕事はできない、正確な情報があれば責任ある仕事をせずにはいられない
    ・情報の制限自体が相手に信頼されてないと伝えてしまう。
    ・序列意識をなくして思い切って共有すること。絶対の必要条件

    ◯2. 境界線を明確にして自律的な働き方を促す
    ・行動のよすがとなる、エネルギーを方向付けて勢いを与えるような、自律を促す境界線
    ・会社としてのビジョンを示し、各々がそのために何ができるか考える
    ・ビジョンの範囲内で行動の根底の価値観を定義する、この部分はトップダウンではなく社員参加型で決めていくのもよい。
    ・最低限のルールを定めて行動の自由を提、本書で経営陣が決めたのは最低限のルール
    1. お客様第一
    2. 会社の利益の追求
    3. 品質を高めるための意思決定は柔軟に
    4. 他部門と常に情報共有

    ◯3. セルフマネジメントチームを根付かせる
    ・単に管理職を減らしても、管理する部下の人数が増えて仕事が増えるのみ。
    ・従来管理職がしていた意思決定をチームで行うようになる。
    ・いきなりチームとして動けない、チームスキル(問題解決方法、会議の進め方、チーム運営、対立の扱い方など)を学ぶ必要がある
    ・上司に頼らず仕事ができるようになる方法を部下に教えることからエンパワメントが始まる。
    ・失敗を間違いから、学ぶチャンスとトップが捉え直すことで社員のエンパワーメントが進んだ。
    ・最初はマネージャーに指示的リーダーシップを頼んだ。そして徐々にエンパワーメントを身につけていく中でリーダーシップがチーム一人一人に移っていった。ここにパラドックスがあるが、新しい境界線を社員が責任感と自律心を持って行動できるように作っていく。

    ◯3つの鍵を回すために
    ・トップが意思決定は組織の一番下、最前線で行わなくてはならないという信念を説き続けた。
    ・マネージャーにセルフマネジメント型に変えるための訓練の研修を必須で受けさせた。
    ・チームの発展段階
    1. 方向づけの段階。明確なリーダーシップが必要、アジェンダを設定し、取組を一つの方向へ向かわせる
    2. 不満の段階。チームとして仕事する難しさに直面、メンバーで支え合うマインドチェンジが一人一人に必要、不可欠な段階。コーディネーターを置く。
    3. 解決の段階。メンバーが力を合わせてチームとして働くことに慣れてくる。コーディネーターはファシリテーターと他部門との情報連絡役として動く。意思決定後事の務処理もやる
    4. 成果発揮の段階。コーディネーターは不要になってくる、多様性がプラスに生きてくる。
    ・不安の段階を乗り越えるには、方向づけの段階での明確なゴールの設定と、不満の段階でよリーダーシップ支援の要素を増やし続けることが大事。

    後書きの星野さんの以下のコメントはとても重要だと思った。
    ・顧客満足度や収益は会社の実力を示す情報で経営者が公開を躊躇うのは自然、社外へ漏れる覚悟も必要。
    ・会社の実態を競合が把握することがどの程度競争力を弱めることに繋がるか考えたが、経営者として恥ずかしい、という個人的な問題以外にないと結論づけた。

  • シンプルな故に深くて難しいメソッド。
    経営者の覚悟がなければなし得ない。
    一部門でできることはあるのだろうが限界あるかなぁ。
    それでも今よりは良くなる部分は多いと思います。

  • 星野リゾートのネタ本(?)みたいに感じる本 星野佳路さんが教科書にしているというのは間違いではなさそう

  •  ・『1分間・エンパワーメント』
      星野リゾート代表の星野さんがおススメしていた本を
      読みました。セルフマネジメントができるチームをいかに作り上げるか
      というテーマの本だったのですが、しきりに言っていたのが
      「情報共有の徹底」と「責任範囲の明確化」、「価値観の共有」、「失敗の許容」、、
      など。前提として、人は勝手に自律して動くことはないので、
      考えて行動するための情報を提供してあげたりとか、どこまでが自分が責任をもってやるべきところなのか
      などを明確にする必要があるとの話でした。SHAのチーム作りに取り入れたいなーと思いました。

  • 真のエンパワ ーメントは人にパワ ーを与えることではありません 。与えてもらわなくても 、人はもともとたっぷりのパワ ー ─ ─知識 、経験 、意欲 ─ ─をもっていて 、立派に自分の仕事ができるのです 。エンパワ ーメントとは 、 『社員がもっているパワ ーを解き放ち 、それを会社の課題や成果を達成するために発揮させること 』です

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