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- / ISBN・EAN: 4988102519988
感想・レビュー・書評
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コーエン兄弟作品としては、『バートン・フィンク』につづく映画界内幕もの。
大映画会社に雇われたトラブル・バスターを主人公に、1950年代のきらびやかなハリウッド映画界の舞台裏をコミカルに描いている。
ハリウッドにおける50年代の「赤狩り」が、本作ではシニカルな笑いの素材として扱われている。これはコーエン兄弟ならではの切り口で、チャレンジングな試みだと思う。
しかも、ストーリーの核となるのはキリストを描いた歴史スペクタクル超大作の撮影プロセスであり、キリスト教に対するアイロニーも随所に感じられる。
「赤狩り」とキリスト教という、ハリウッド映画では茶化すことがはばかられる2つのテーマを、まとめて茶化しにかかった〝ねじれたコメディ〟なのである。
スカーレット・ヨハンソンが脇役で出ていたりして、キャストがムダに豪華。
途中に挿入される2つのミュージカル・シーン(ストーリーの中に、ミュージカル映画の撮影場面があるという体裁)がすごくよくできていて、ここだけでも独立した価値がある。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
コーエン兄弟の、本気でふざけるパターンの映画
今のこの時代に物質欲の権化である昔のハリウッドの内状や、共産主義のあの議論の感じを観ると、なんとも違和感
共産主義の議論にありがちな、結局自分の言いたいこと主張して何も解決策が見えない感じの皮肉もあるのかも
そして、神から最も離れた現場で、金もうけの為に神の映画を製作し、自分の罪は神父へ贖罪に行く主人公
違和感たっぷりの演技を完璧にこなすあの時代とまったく同じような役者やその演技
違和感を違和感のままそのまま全部見せてくれて、なんだか違和感な気持ちも残りつつおもしろかった! -
2022/4/24
適度に面白い。 -
コーエン兄弟らしいセリフと光景の皮肉屋な、
くすりと笑える仕上がりは良しとして。
一方ではコーエン兄弟に期待しすぎてしまうのかなぁ。
物足りなさもあったのが正直な感想。
ただ、聖書を2人に解釈させると、
こんなハリウッド的な物語になるという点で、
やはりコーエン兄弟の勝利かもしれない。
ミュージカルシーンだけを観ても、
単独の映画が制作できそうなほど完成度が高かったし、
デザイン性の美しさと、群像の配置のセンス。
なによりも、映画が好きなのだ。
それ自体が罪であり、
神を敬う行為な気がしてならなくなる。 -
これは笑うところが全くわからない。
たぶん当時のハリウッド事情を知らないと楽しめないんじゃなかろうか。