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- / ISBN・EAN: 4910019750673
感想・レビュー・書評
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"「しばらくして、彼女はわたしの寝室のドアをノックした。わたしはベッドから動かず、なにも言わなかった。それでも彼女は部屋に入ってきた。ここにやってくるのに何光年も横断してきたのだ。合板のドアなど彼女を止めようがなかった。わたしに会うために押し入ってきたのは嬉しかったけど、同時に腹立たしかった。とてもややこしかった。"[p.60_母の記憶に]
「母の記憶に」ケン・リュウ
「と、ある日のアルバイト」宮崎夏次系
「あしたの記憶装置 第15回」やくしまるえつこ詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
折りたたみ北京★4
3区画が交代で地表に出る機械化北京。最下層第3区画から、第1区画まで密輸の仕事。実現性は薄いけど、SFチックな都市構造が面白い。
母の記憶に★3
残り二年の寿命で、子供の一生を看取る。ウラシマ効果によって、時々会いに来ることで。同じ時間を生きられないことは悲しい。
麗江の魚★4
時間間隔の拡大・圧縮を利用して、長命を得る者。作業効率を得る者。それにより心を病み、リハビリの場で束の間の恋愛をする…SFの話なのに、現代社会そのままに感じる。虚無感…リハビリに行きたいな!
むじな虫★2
あれ。前回の『らくだ』と続き物なんだろうか。体が全部白い紐状の虫になって出て行ってしまうという妄想に取りつかれる症状・・・恐ろしい。
プラスチックの恋人(3)★5
マイナーオルタマシン体験と記事化。反対勢力との対話。自分の心情を吐露するのに抵抗感を覚えつつも、読者へ伝えるために書いてしまうところが、キャラの存在感を感じる。
コンピューターお義母さん★5
家電をハックして遠隔地から嫁いびりする姑。アウトソーシング。ありえる。恐ろしい。これはかなりSFホラーだ。いやだ…。
忘られのリメメント(2)★3
偽朝来野を探す期限は6週間。探し始めて間もなく、ルームメイトの真白に殺人鬼の手が及ぼうとしていた・・・。今回は何事も起きないようで、やや退屈。
スタウトのなかに落ちていく人間の血の爆弾★2
酒好きな大学生と教授。京都。森見氏の小説を彷彿とさせる。物の見方を変えると、SF的な表現が成立するのはわかるが、自分はそこにSFを感じなかった。 -
実質的なケン・リュウ特集だ。氏の作品以外に、氏が翻訳などで欧米に紹介した作品が読める。アジア系SFは、中国系の登場人物の名前を覚えられないし、中国語読みで読むのも得意ではないのでこれまでは避けてきた。一種の食わず嫌いなのだろう。今回、強制的に作品に触れたことで、少しはアジア系SFに挑戦しようとする気が出てきた。収録されている作品で面白かったのは「折りたたみ北京」(郝景芳)だった。