アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [DVD]

監督 : ギャヴィン・フッド 
出演 : ヘレン・ミレン  アーロン・ポール  アラン・リックマン 
  • Happinet
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953070219

感想・レビュー・書評

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  • どちらか一方の立場も否定も出来ないし、肯定も出来ないという戦争の非人間性・非対称性を強く訴える本作。
    イギリス側がテロリストを排除しようとして、自国の兵士に害が及ばないよう米軍の有するプレデターと共同して作戦をおこなうが、そこでの判断プロセス(日本でも見られる責任回避のオンパレード)で逡巡する。
    一方、アメリカは合理主義的発想で武力行使にためらいを見せない。
    現場レベルでは、女の子を救おうとあの手、この手を使う。

    女の子の犠牲をいとわずテロリストに対して非対称の武力行使を容認する立場、
    女の子を救うためにいったんは作戦行動を中止する立場・・・
    改めて考えさせられる作品だった。

    アラン・リックマンが軍人役だったけど、いいキャラだった。
    特に最後のシーン。真の軍人は、戦争に消極的なのかもしれない。戦争体験を知らない人間が声高に戦争を叫ぶのが一番まずいんだろう。

  • どちらを選んでも犠牲者ゼロにはできないのであればこの選択はやむを得ないと頭ではわかるけど、実際に決断を下し、実行に移すのはキツいだろうな。その決断を下すことができる人が「軍人」たり得るのだろう。

    あんな昆虫型のドローンなんかはさすがにまだできてないだろうと思ったら軍事利用はともかくおもちゃレベルで2cmってのをみつけた。もうそんなとこまで進んでるのか、とビックリ。

  • よくできた映画。
    密室&法廷劇に似たものがある。
    扱う案件は一つのみ。
    政治家と軍人、付随的被害をどこまで認めるか。

    中将、声聞いたことあるなあ
    と思っていたら、アラン・リックマン。
    エンドロールでmemory ofが出る。
    女性軍人はヘレン・ミレン。

    上げ足取りをしておくと、パンをもう一回売っていると
    逃げた男には分からないのでは?
    無線連絡とかもなかったようだし。

  • ドローンによる遠隔攻撃の倫理を扱ったお涙系映画。回避の努力をしてるから、責められん感じ。

  • 別途

  •  英米が合同で行なっていたテロリスト捕縛作戦。テロリストが自爆テロをする直前であることが分かり、急遽ドローンによる空爆へ作戦変更しようとするが、状況が二転三転し軍や政治家はその是非を巡って右往左往する。

    ピーター・シンガーの『ロボット兵士の戦争』という本で書かれていた無人機の問題の一つをそのまま映画にしたような作品。
    テロリストを空爆するかどうか。それを決める政治家も実行するドローンの操縦士も現場から遠く離れた自国の部屋にいる。「世界一安全な戦場」という邦題はナイス。
    難しい決定を巡る論争に女性が多く配置されてるのはうまいなぁ。どんどんやり取りに引き込まれていく。
    この映画に救いはいらない。無人機による戦争を選択した時点で私達は道を間違えてしまっている。

  • ドローンによるミサイル攻撃については《ドローン・オブ・ウォー》があって2014年なのでこの映画より前になりそうだ。要人を攻撃できる点では新しいがやはり民間人も巻き込んでしまう恐れがあるので《ドローン・オブ・ウォー》では発射指令はCIAがしていた。この映画ではその段階ではなく、さらに外人が混じっていたりするので、発射指令を出すまでにいくつものプロセス、多様な意見が出てくる。実際はどうか分からないが、説得力ある映像で見てる側にも緊張感がある。引き込まれますね。鳥型監視カメラ、虫型監視カメラというのもスゴイなぁと思う。

    神の視点か悪魔の視点がという話になり、一人の犠牲を恐れて、多数の死者を出していいのかといろんな問題が発生するが、それが今の戦争なんだろう。

  • ハワイなど世界各地の人員やVlPと結びながら、虫型偵察機などを駆使する作戦。SFみたいに感じるけど、現実にこうなんだ、というところがわかりじんわり寒くなる。本作品では虫型の操縦のため、現地の人員が接近する危険を冒すのだが、そのうちそんな接近も必要なくなるのかも。

    ストーリーは自爆テロを防いで多くの人を救うのか、目の前の少女を救うのかという選択にある。見ていると忘れそうになるけど、現地はケニヤだ。英米の要人が協議のため次々に出てくるけど、ここにケニヤ政府は影もない。
    自爆テロの犠牲になるだろう多くの人も、少女もケニヤの国民であるにも拘わらず、協議はすべて英米のみで行われている。「国民のうち誰を犠牲にするか」を外国人が決める奇妙さにはー切触れられていない。
    また、天秤にかけられているのは「多くの人」と「少女」ではない。あくまでも英米の作戦の成否と国の評判だ。
    下士官級の持つ個人の良心は影響力がない。

    地味だけど現実的な話なんだろうと思う。

    ところで、ヘレンミレンて草笛光子そっくりだな! 草笛さんにも司令官をやってみてほしい。

  • 以前見たドキュメンタリーで、アメリカの若い兵士がビデオゲームの感覚できゃっきゃと無人機を操作して攻撃しているのを見たことがあり、まぁそんなのが描かれる映画なのかなと思いましたが、いささか様相が違いました。

    標的の近くに少女がいることがわかり、無人機の操縦士は意義を上官に申し立てる。発射の命令が下ったときは涙を流す。ちょっと美化されすぎかもしれませんが、凄まじい緊張感がありました(現地の工作員のファインプレーでうまく事が収まって良かった)。

    戦場であれば現場での判断は現場の指揮官に任されるのは当然。ところが遠隔操作で攻撃する場合、判断の責任は軍人ではなく、政治家と官僚が行うことになる。でも誰も決断ができず、軍人が決断を迫るなか、時間がいたずらに過ぎていく。ここで描かれたのは政治家や官僚の無能ぶりのようにも思われますが、彼らの慎重な態度が結果としては吉と出たわけです。軍人の暴走を抑えるという意味では、現代の戦争の方がよりシビリアン・コントロールが効くのかもしれません。

    いやはや、色々なことを考えさせる映画でした。

  • 世界のどこかで、こんなことが起きていると考えると、辛いな

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