アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [Blu-ray]

監督 : ギャヴィン・フッド 
出演 : ヘレン・ミレン  アーロン・ポール  アラン・リックマン 
  • Happinet (2017年7月4日発売)
4.15
  • (5)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 28
レビュー : 7
  • Amazon.co.jp ・映画
  • / ISBN・EAN: 4907953070202

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • ■ 脳の起こす戦争が“心”に帰依する日はいつ ■




    *イギリス軍の常設総合司令部司令官:キャサリン・パウエル大佐に扮するヘレン・ミレンの演技には本作でも抜群の安定感と貫禄を見せてくれている。


    *アラン・リックマン氏にとっては本作が遺作となった。


    『アイ・イン・ザ・スカイ』という原題だけに留めておいたほうが本作の格を落とさずに済んだものを…サブタイトルに、“世界一安全な戦場”と付けてしまったのは残念の一語。


    =========================


    今や戦争はデスク上で総てがONに出来てしまうのだという現実の脅威を本作によって改めて思い知らされる。
    ドローンの小型カメラは“ハミングバード”と呼ばれているらしい。本作では昆虫を模した極小カメラをテロリストの居るアジトの天井の梁に止まらせ様子をうかがっていた。それをメール機能付きの手元のリモコン(外見はまるでゲーム機)で遠隔操作しドローン・オペレーターは、上からのGOの指示を待つのだったーーー


    英米とケニアの合同軍は、テロによる周囲の被害を最小限に防ごうとし捕獲を諦めて、テロリストへの攻撃を決断する。ネバダ州の米軍基地ではドローン・オペレーターがパウエル大佐からの指令を受け、ミサイルの発射準備へと入る。が、準備に入ったその途端、標的のすぐ近くの曲がり角で、テロリストのアジトの隣に住んでいる家族の少女がその日も母が焼いたパンを並べだし売る準備を始めてしまう。

    米軍は巻き添えによる被害の予測のため、FAST-CD(Fast Assessment Strike Tool—Collateral Damage)なるソフトウエアを用いて、民間人を巻き添えにしてしまう公算(確率)をパーセンテージで算出しているのだそうだ。それが50%以下に抑えられなければ、パンを売る少女が巻き添えになり死亡してしまうという窮地に追い込まれていき・・・

    攻撃のGOサインを判断するまでのやり取りが、“本作の核(主訴)”とも言うべき場面。息の詰まりそうな緊迫したやり取りが長尺で撮られ展開していく。まさに、この苦渋の選択を強いられる軍上層部の者達の心理と、戦争というものの真理とのぶつかり合いのようで、まばたきをするのも忘れてしまうほどだ。

    映像解析の技術も進み、耳と鼻、目と鼻の辺りをあたりを写せればそれが倒すべき相手(犯人)なのかどうかの判別も可能だというから凄い。人を“その人である” と識別(判別)できる部分は“耳”だという。顔を整形手術で変えて逃げることはしても、耳はそうはいじらないケースが多いというのがその主たる理由らしいのだが。

    ========================

    ラスト…エンドロールに被さるようにして少女が楽しげに器用にフラフープをして戯れている姿がスローモーションで流れる。その姿が目に焼きつき離れない。
    私には、“フラフープ”が“地球”のように思えてならなかった。そして、その中心となる少女の身体はこの地球に生まれしすべての者達が持ち得ているべきの《幸福という名の“集合体が成している核”》のように映り、ひじょうに印象的だ。


    国対国の争いは地球上から消えることはないのだろうか。この世の終わりのスイッチはデスクの上のPCのKey操作ひとつ。“終末時計”が12:00より手前にくるのよう更新できるのを願わずにはいられない。

  • 簡単な一発であり危険な一発

  • マイケルサンデルさんの「これからの正義の話をしよう」を映画化したような物語です。
    少女一人を助ける為に自爆テロで被害を受ける不特定多数を犠牲にするのか?
    自爆テロで被害を受ける不特定多数を守る為に一人の少女を犠牲にするのか?
    究極の選択を前に葛藤するドローン操縦者/オペレーター/現場指揮者/セカンドオピニオン/軍上層部/政治家…それぞれの立場で正義があり葛藤があり苦悩がある。命令を下す者も命令を実行する者も好んで戦っている訳じゃないですから、人一人を殺害するんだから当然、躊躇いが生じますよ。誰だって正義という建前があるからこそ自分の行動を正当化し得る。その正義も見る角度は多様で、絶対的な正義などありましない。そしてその正義を振りかざし鉄槌を振り下ろした時「間違いを起こした…」なんて考えたくもない…誰もが逃げ出したくなる様な状況にも最善を尽くす努力を美化するんじゃなく、有り体に見せているのが非常に面白い作品です。

    正義は一つじゃない
    だが一つの結果は出さなければならない
    負の連鎖を断ち切る為に
    超現実を受け入れなければならない…
    胸詰まるリアリティに恐怖するような
    いい作品です。考えさせられました。

  • とても考えさせられる素晴らしい作品。多くの人に見て欲しい。

  • 面白かったです。
    ひとりの少女を犠牲にして自爆テロを防ぐための攻撃をするかどうかの判断。
    これはつらい・・・
    最後は名言でした。
    「けして軍人に言ってはならない。
    彼が戦争の犠牲を知らないなどと。」

    ・・・アランリックマン・・・お姿が見れるのはこれが最後の作品でしょうか・・・おもちゃを間違う姿もステキでした。

  • イイネ!イイネ!

  • 劇場にて。

全7件中 1 - 7件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印

外部サイトの商品情報・レビュー

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [Blu-ray]を本棚に登録しているひと

ツイートする