テミスの剣 (文春文庫) [Kindle]

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  • 文藝春秋 (2017年3月10日発売)
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みんなの感想まとめ

冤罪や権力の暴走をテーマにしたこの作品は、ミステリーの醍醐味を存分に味わえる内容です。警察や裁判の裏側を描き、見かけによらない人間の恐ろしさを浮き彫りにしています。読者は、物語の中で巧妙に仕掛けられた...

感想・レビュー・書評

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  • いつ購入したのか不明の積読本コーナー。
    なんか、調べたら、これシリーズ物?渡瀬さん。
    無視して突然読んでしまいました。
    冤罪が絡む警察、裁判、被害者家族のミステリー。

    どんでん返しと言えばそうなのかしら。
    この本で学んだことは、人は見かけによらない!
    こわいこわい。。。幽霊やお化けよりも人間が1番怖いですね、、、

    正義、権力を間違えてしまうと暴力に。
    この方程式たしかに!_φ(・_・

    やはり、ミステリーは飽きずに読めてしまう。面白い〜!!

  • 法律を無視した不当苛酷な取調べとそこから導かれた冤罪という黒い霧の前に書評などに踊るどんでん返しやミステリーなどの語が遠く霞む
    現実の世界でも然り決して異端を善としない組織を前に一員としての個人はどこまで己の正義を貫けるのか
    作品が読み手に問うものは重い

  • なんだかとても悔しいです。
    完全に著者の手のひらで踊らされました…
    しかもその踊りが痛快で超楽しい…。

    久しぶりに中山七里さんの著書を読みましたが
    極上のエンターテイメントとはまさにこのことを言うんだなと感じました。

    以前は公安という組織の話でちょっと浅いとの印象を受けた、と感想を書きましたが、
    刑事ものは別格でした。

    しばらくハマってしまいそうです…。
    また睡眠時間短くなる…。
    感謝。

  • 絶対に犯人で間違いないと思い込む刑事。
    その刑事に厳しい取り調べを受け見覚えのない殺人の罪をついに認める自白をしてしまう容疑者。
    あなたの息子が殺人を犯したということは間違いないと告げる刑事に、容疑者の父親は言う、
    「本当にこれは何かの間違いじゃないのか?親よりもあなたたちの方が息子を知っていると言うのか?私は建築の現場で20年働いて若いものからは生き字引と言われるくらいになっている、それでも年に一度や二度ととんでもない間違いを起こすことがある。あなたたちは本当に一度も間違えないと言うのか?」

    犯してもいない罪で死刑を求刑された時。
    その絶望はいかばかりか。

    法に携わる人たち、人を裁く立場の人達、
    「あなたたちは本当に一度も間違えないと言うのか?」
    と、問われて何と答えることができるのだろう。
    公正と正義と正しく向き合うこと
    真実を見極めること本当に難しいことなのだろう。
    私がどんなに優秀な頭脳を天から貰ったとしても到底できそうにもない。

  • 渡瀬が若い!
    ヒポクラテス・シリーズでは古手川の怖い上司というイメージの渡瀬が若き日の物語。
    本作は社会問題提起ミステリと言ってもいい中山七里の本領発揮であり、色々な作品に登場する渡瀬というキャラクターを知るためにも非常に重要な作品だ。

    「人が人を裁く」ことに関しては古来から様々な議論がなされている永遠の課題だ。人を裁く権力を持つ者は神の視座に立たなければならない。しかし神ならぬ人が裁く以上、必ず間違いは起こる。被害者の立場からすれば許されることではないが、人であるが故に必然だとも言える。
    誤りによって死んだ者に対しては死を以て報いるしかないというのは原初的な刑罰の考え方で、現代のシステムでは採用されない。しかし原初的であるからこそ人間本来の感情に近く、被害者遺族がそう思うのはこれも仕方のない事ではある。

    許されるべくもない誤りを犯した時に人はどうするべきか。渡瀬のように「もう決して間違えない」という厳しい戒律の元に生きてゆくか、組織維持と保身のためには仕方ないことと開き直るか。
    中山七里は、世の中の大半は後者ではないかと憤っている。そしてそういう人々にはいずれテミスの剣が振り下ろされるとも言っているのだ。

    余談だが、本作は最後に中山七里ファンへのサプライズを用意している。まさか高遠寺裁判長が…とは。

  • ニュースでも冤罪事件が最近話題になっているが、警察や検察が何故間違った捜査方法や証拠の捏造に手を染めてしまうのか、について少しだけ仕組みが理解できた様な気がする。優秀であるが故、自分自身の直感を曲げる事が出来ず、自分の推理に都合の良い証拠しか信じる事が出来なくなってしまう。挙げ句の果て、証拠を捏造してまで有罪を貫こうとしてしまう。多方の推理は合ってるから証拠の捏造も問題視されない事がないのだろう。しかし無実の場合は、この本もそうである様に、天地を揺るがすほどの大問題となるのだ。

  • 推理小説ではあるが、どちらかというと人間ドラマとか社会ドラマと言った味付けが強く感じられる 。冤罪に焦点を当てて話が展開されている。冤罪に関わった警察官、検察官、裁判官そして何よりも被害者の一人一人の心がリアルに丁寧に描写されていると感じた。改めて冤罪の恐ろしさや自分も巻き込まれてしまうかもしれないという不安を感じざるを得ない。

  • ’25年4月17日、読了。PrimeReadingの電子書籍で。

    今まで読んだ中山七里さんの小説で、一番でした。読み応え十分!

    他の作品の登場人物も、いつも通り?沢山出てきて、楽しめました。←ただ、僕にとって中山作品&その登場人物は、あまりに多く…覚えてられない!トホホಥ⁠‿⁠ಥ

    どうしよう…シリーズの次の作品、いってみようか┐⁠(⁠´⁠ー⁠`⁠)⁠┌沼ってしまいそうです。

  • テーマは冤罪。
    物語は昭和59年から始まる。

    不動産屋を営む夫婦が殺され、金が盗まれた。
    逮捕された楠木明大。

    昭和の拷問のような取り調べに負け、やってもいない罪を自供してしまう——。

    読んでいて憤り、警察も検察も信じられなくなっていく私…今は令和だから、と自分に言い聞かせる。

    人が人を裁くこと・神話テミスの剣と天秤・権力は暴力になる。

    【渡瀬シリーズ3】らしいが【シリーズ1】の「連続殺人鬼カエル男」はグロさ評判で読む気はナシ。
    単発読みでも大丈夫だった。

    どんでん返しの帝王の著者の術中にハマった。
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  • 久々にミステリーを読みました。中山七里さんは以前にも読ませていただいたこともあったのですが、改めていいですね。最後の最後まで揺らがないスリリング!気になって夜まで読み込んでしまいました。魅力ある主人公に感情を寄せてみたり、一方で犯人側の気持ちにも寄り添える部分があったりと気持ちの行き来が面白くまた次の作品も読んでみたいと思いました!ありがとうございました!

  • 殺人事件の捜査で犯人として挙げた男が冤罪だった。刑事が自らの罪、自身が信じる正義とエゴに向き合い、組織と闘う物語。

    巻末解説で谷原章介さんが述べた、「迷いながらも組織の方針に抗えず下した決断が、職業人としての根幹に関わる時、果たして僕はどう責任を取るのだろうか」という言葉は、本作のテーマを的確に表している。登場人物たちは、それぞれの立場や度量によってこの問いに異なる反応を示す。

    主人公の、不器用ながらも実直なやり方には本当に好感が持てるし、素晴らしいと思う。しかし、果たして自分にそれができるだろうか。自らの正義が傷つくことを恐れたとしても家庭を守るために口をつぐんでしまうかもしれない。

    それにしても、業務上のミスがこれほどまでの責任問題に発展する職業人には本当に頭が下がる。これにはものすごい精神力が必要だろう。自分には到底務まらない。

  • audible 。二転三転、いつも通り面白かった。司法の世界は恐ろしい。自分を保つことはほんとに大変だろう。

  • 難しい言葉が多かったけれど、場面が浮かびやすく読みやすかった。
    冤罪を作り出す警察に対して、苦しむ家族の心情が迫ってきた。
    どんでん返しについてはそれほど驚かず、なるほど、という感じ。

  • 面白かった。けど重かった。かなり昔に読んだ免田栄さんの本を思い出した。
    渡瀬の若手時代から描かれているのだが、なんだか青臭くて新鮮だった。そうか、冤罪の苦悩を背負ってあの渡瀬が出来上がったのか…。渡瀬は刑事として出来すぎなイメージだったが、決意と努力があったんだね。
    でも奥さんにあたるの良くない。自己中。

  • 考えさせられました。
    冤罪、有ってはならない事です。
    その判決を覆すことがいかに大変かわかりました。
    最後は驚きました。

  • kindle unlimitedで読了。

    新米刑事の渡瀬がベテラン刑事 鳴海と組み、不動産業者夫妻殺しの犯人 楠木を逮捕する。楠木は鳴海の強引な取り調べで自白したと無罪を主張するが、死刑判決を受け、絶望して拘置所内で自殺。それから別の母子殺人事件で犯人を逮捕した渡瀬はその男 迫水が不動産業者夫妻殺しの真犯人であったことを知り、楠木が冤罪であったことを世に知らしめ、自らの職務に重い枷を設ける。


    序盤の鳴海の暴力シーンが非常にきつい。中山さんの読ませる文章がもたらすものなのだろう。昭和50年代ってこんな取り調べがまかり通っていたのか。眠らせないっていうのは、本当に人の心を蝕んでいくものだ。鳴海自身に改悛の情が現れるシーンが何もなかったことは、少々残念だ。
    迫水のあの台詞があとから効いてくるんだろうな、と予想はついていたけれど、そうきたか、予想を上回る展開に。どんでん返しで定評のある作者であるから、どうどんでん返しがくるのか、とこれか、これか、といろいろ予測を立てながら読んでいたけれど、どれも違っていた。それくらい夢中になって読める。

    ギリシャ神話が好きでテミス像のことも知っていたし、持ち物の天秤も覚えていたが、剣のことはしっかり覚えていなかった。正義の執行のための剣、なのかあ。

    「さよならドビュッシー」で著者を知ったので、もっと繊細な文章を書く人だと思っていたけれど、こんな重厚なものも書くとは意外だった。またこの主人公の刑事 渡瀬がシリーズものであったことを、こちらのレビューで知った。シリーズ別作品を読むかどうかは微妙である。
    後書きの谷原章介の文章もよかった。

  • ブラリーで読みました。最後まで手に汗を握らせ、ラストて本当にどんでん返しが。しかも読了後もまだひっくり返せる説が次々と浮かんでくる。お見事という他ありません。中山先生の他のシリーズではそれほどすごいと思わなかったのですが、本作渡瀬警部シリーズはテーマの重さと深みで脱帽ものです。冤罪は本当に恐ろしい。

  • Kindle unlimitedで。

    警察のシナリオによる冤罪。

    その後の展開は二転三転。

    読み応えのある作品でした。

  • Kindle Unlimitedで読了。

    中山七里さんの描写は、リアリティに富んでいます。
    冤罪の片棒をかつぐという、重い十字架を背負った渡部が主人公のこの話では、取り調べにおける生々しい描写で一気に物語に引き込まれました。

    刑事、検事、判事、とそれぞれの視点で語られる「正義」。人が人を裁くことの重責。重いテーマです。

    実際の冤罪事件で思い出すのは、足利事件です。誤認逮捕され長年に渡り服役した菅谷さんの証言のようなことが、過去にはいくつもあったのでしょうか。

    中山さんの社会派推理小説は、そのような問題を鋭く抉り出します。
    もし、自分がそれぞれの立場になったとしたら。どのように考え、どのように行動するか。
    自分も社会的には組織の一員という立場ですが、上の人間の絶対的な意見に逆らうことは実際にできません。

    最後はドンデン返しというほどの驚きはありませんでしたが、高邁な理想を、言うは簡単、行うは難しというところでしょうか。

    『右手に剣を、左手には秤を携えた法の女神テミス。 剣は力を意味し、秤は正邪を測る正義を意味している。力なき正義は無力であり、正義なき力は暴力である、といったところか。だがテミス像には剣を掲げたものと秤を掲げたものの二種類が存在する。最高裁のテミス像が右手の剣を高々と掲げているのは、正義よりも力を誇示していることへの痛烈な皮肉なのか。  法の執行者の一人である静は剣の非情さを思い知っていた。テミスが振り下ろす剣には一片の同情も仮借もない。冷厳な刃で唯々咎人を切り刻み、その骸を民衆の前に並べるだけだ』

    上の言葉は、司法の世界だけではなく、あらゆる世界で通じる言葉だと思います。

  • 豪雨の夜の不動産業者殺し。

    強引な取調べで自白した青年は死刑判決を受け、自殺を遂げた。

    だが5年後、刑事・渡瀬は真犯人がいたことを知る。

    隠蔽を図る警察組織の妨害の中、渡瀬はひとり事件を追うが、最後に待ち受ける真相は予想を超えるものだった。

    どんでん返しの帝王が司法の闇に挑む渾身の驚愕ミステリ。

    **************************************

    今、この作家の刑事・渡瀬が登場するシリーズを順に読んでいってるねんけど、この渡瀬にそんな過去があったとはと知れる本やった。

    冤罪は本当に恐ろしい。
    この本では、無実やのに死刑判決を受け、獄中で自殺してしまい、最悪なパターンになってる。

    警察はそれを隠蔽しようとし、警察はそうするやろうなと思いながら読んでてんけど。

    この渡瀬は敵が増える中、1人で謎を解いて、事件を解決していくねんけど、ただ、犯人を見つけるだけじゃなく、そう仕向けた人間をも暴き、それがまた、予想だにしないほどの衝撃で驚いた。

    いい人はやっぱりいい人やったし、
    いい人が実はとんでもない悪い人やったし、
    ろくでもない人は最初から最後までろくでもない人やった。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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