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- / ISBN・EAN: 4988013288393
感想・レビュー・書評
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ある団地に住む人達の日常の1部を かなり変わった視点で捉えている。古ぼけたあのアパートから あんなドラマが生まれてくるとは…三人三様 可笑しく悲しいけど…優しい気持ちになれる映画だった。淡々とした映像の中に 人間の中にある自然な宇宙を導き出してるよう
結構 いい映画だったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大きな展開があるわけではないが、人と出会うことで自分の中で何かが変わる、ささやかな心の解放と旅立ちのお話。
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ASPHALTE
2015年 フランス 100分
監督:サミュエル・ベンシェトリ
出演:イザベル・ユペール/ジュール・ベンシェトリ/ギュスタヴ・ケルヴァン/ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ/マイケル・ピット/タサディット・マンディ
http://www.asphalte-film.com/
舞台はフランス郊外のおんぼろ団地。エレベーターの壊れがちなこの団地に住む3組の住人たちのオムニバス的群像劇。まずは偏屈で吝嗇な中年男がある理由で車椅子生活を送ることになり(一時的なものだし理由がたいへんマヌケなので遠慮なく笑いましょう)他の住民にバレないように深夜に徘徊するうちに、わけありっぽい夜勤の看護婦と出逢い自分はカメラマンだと嘘をつく。
二組目は越してきたばかりの落ちぶれた中年女優(イザベル・ユペール)と、同じ階に住む生意気な高校生くらいの男の子。母親がいるらしいけど一切姿は見せず一種の放置子。この男の子役の俳優、実は監督の息子だそうで、なかなかのイケメンでした。母親はマリー・トランティニャン、つまり祖父がジャン=ルイ・トランティニャンという一種のサラブレッド。将来有望。
三組目は息子が服役しているアルジェリア移民の初老の女性と、手違いで団地の屋上に不時着してしまったNASAの宇宙飛行士。この組み合わせが個人的には一番面白かった。英語の通じないお婆さんと、フランス語はわからない宇宙飛行士がとんちんかんな遣り取りを繰り広げるのだけど、そのうちだんだん断片的な単語や身振り手振り、図解などで意思疎通できるようになっていく経過が微笑ましい。
突拍子もないファンタジー設定なのだけど見ず知らずの他人が出逢って「交流」する三組共通のモチーフの中で、彼らの不器用なコミュニケーションが一番心温まりました。で、宇宙飛行士役、どっかで見たけど誰だっけ?とずっと思いだせず、エンドロールでやっと「マイケル・ピットだったのか!」と(笑)若い頃のディカプリオ似の線の細い美少年だった頃のイメージしかなかったので、なんか若干マッチョになっていて全く気付きませんでした。
それぞれ、最後にちょっとした成長やカタルシスがあり、なんか良かったね、と言ってあげたくなる感じ。ドラマチックな盛り上がりなどはないですが、とても後味が良くて悪くなかったです。